第156話マリオンとレイオール

立ち上がるレイオール。

突然海から現れたその姿とは!?

なんと!あの水の魔道士でレイオールの師であるマリオン様が姿を現したのだ。

「おお!マリオン様ーーーーー!!!」

オイラはマリオン様のその姿に勝手に目頭が熱くなる。

「マリオン様!ぐすっぐすっ。」

「ふふ…なぜ泣くレイオールよ。」

「ええっ!?ぐすっ!だって!!」

「よくこれまで一人でここまで頑張ってきたな?」

オイラの肩をしっかりと抱いてくれたマリオン様。

感極まってしまったオイラはただただ…マリオン様にあまえてしまったのだ。

オイラは涙が止まらず身体も震える。

すると。後ろから誰かの声が聞こえる!!

「レイオールさん!!その人はマリオン様なんかじゃない!!??離れて!!!」

オイラにそう叫んだのはレーミアだ。

レーミアの声に気づきオイラはマリオン様から離れる!!

すると突然笑い出すマリオン様。

「くく…ククク…………どうした??レイオール?私を忘れたのか?」

「いや!そんな事は無いのだけど。なにか。」

「何かってなんだい?僕は君の師でありこれからの君を導く為にこの世に戻ってきたのだ。」

「さぁ?レイオール、ひとまず私の話をきいてくれないか?」

「分かりました!マリオン様。」

マリオン様のオイラに対する優しい表情からは偽物かもとは一切思わせないものだった。

「いいか?レイオール…今の世界は色々な事が起きてしまって皆…困り果てそして迷っている時代なのだ。」

「迷ってる時代。」

「そうだ…皆本当の正義…真にこの世界を導いてくれる人を待ち望んでいる時代でもある。」

「…………………。」

オイラは話を聞き続ける。

「これからの新時代には確かなるリーダーが必要なんだ。それはこれまでとは違う世の中をより良い世界へと変えていくリーダー。僕はね?魔道協会こそが世界を平定してくれ皆が住みやすい快適な暮らしを届けてくれる……そう思っているよ。」

マリオン様はオイラに手を出してくる。

「マリオン様…これは??」

「私ともにきてくれ!レイオール。そしてこの世界を共に変えていこう!!」

マリオン様の手はオイラの手を求めている。

「ダメよ!!!レイオールさん!!??」

その時聞こえてくるレーミアの声。

「レーミア??」

「レイオールさん!!何度も言うけどその人はマリオン様じゃないわ!!」

マリオン様はレーミアを見る。

「いやぁ…あの子は何言ってるんだろうね?あの子にも僕が話して言い聞かせるしレイオールは何も心配する事はないよ?」

「ウォーターウォール」

マリオン様がそう口ずさむと突然オイラとレイオール様の周りに水流の壁ができ上がる。

ズシャーーーーーーーッ!!!!!

その水圧はきっと入ろうとしてきたものを瞬時に切り裂いてしまいそうな程の勢い。

「ふふ…これならもう誰も中には入って来れないし外の音すら聞こえないよ?つまり僕達以外誰も僕たちの邪魔ができないのさ。」

「マリオン…様。」

「そうだ!いいぞレイオール!僕の言う通りにすれば世界は全て上手くいく!!そうなったらまた僕と一緒に暮らして、そして世界をより良くしていこうじゃないか??」

「マリオン様??」

「さぁ…その為にはこれを飲んでくれるかい??」

オイラに差し出した小瓶。

中には何か綺麗な赤色の液体が入っているようだ。

マリオン様は小瓶の蓋を開ける。

オイラの口に徐々に小瓶を近づけてくる。

その時。

誰かが駆けつけてきた音。

そして声が聞こえてくる。

「「レイオールーーーーーーー!?」」

ここへ近づいてきたあの声はベレッタさんと親父お袋の声だ!!!

そしてオイラの口に迫るマリオン様の飲ませようとしている小瓶。

「さぁ。レイオール。」

ガッ!!!

オイラの口に無理やり流し込まれた何かの液体!!

そしてオイラは力無く飲まされてしまう。

ゴクリっ。

「いやぁーーーーーーっ!!だめーーー!!」

あ!あれは………。

レーミアの声…か?

オイラの喉から熱い何かの液体が流れ込んで。

全身に染みわたっていく。

それはまるでオイラの身体中全身を駆け抜けていく感覚。

そしてオイラの身体はその場に倒れてしまう。

(いってて…頭から倒れて痛いはずなのに全く何も感じないや。)

次の瞬間オイラの身体中に強烈な痛みを感じ思わずのたうち回ってるしまう。

喉を掻きむしり苦しさから逃れたくなる。

「あがが!!あっぐっ!!」

(これは!?オイラはもしかして死ぬ…のか!?)

全身の痛みで声も苦しむ声しか出てこない。

「ぐあっ!!うあああーーーーーっ!!??」

「レイオール!!??」

「レイオールさんっ!!??」

(ああ…親父お袋…ごめんな。)

(ベレッタさんも…あいつやっぱし敵だったのかな。)

(レーミア?泣いてる…のか!?オイラお前の声もちゃんときかなかったから…本当にごめんな。オイラ…生まれ変わった…ら。)

「いやーーーーーーーーーーーーーっ!!!」

その時。

いつもはこの静かな海にレーミアの声が響き渡ったのだった。

レイオールは敵の毒牙にかかる!!

どうなる!?

お読み下さりありがとうございました!

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