ユメカナッ！！本編

第147話鬼の最後

らいと視点。

「ぐあああああああああああーーーーっ！！」

スサノオは俺の刃に斬られそして。

ズドーーーーーーーーーーン！！！

スサノオのその巨体は倒れその衝撃は辺り一帯に地響きを激しく立てる。

俺の立つ所に飛鳥が走りよってくる。

「ししょーーーーーーっ！！？？」

走りより俺の胸に飛び込んでくる。

思わず抱きしめた飛鳥は微かに震えている。

「飛鳥？」

「ししょー！良かったです！！私…私。」

泣きじゃくる飛鳥を抱きしめてやる。

俺達はなんとかスサノオをやれたのか。

俺の中にそんな疑問が残る。。

倒れているスサノオ。

俺が辺りを見まわすと沖田さん初め兵士達もなんとか無事なようだ。

「スサノオ…あいつ……まだ息があるのか。」

俺はスサノオの身体から力は感じないものの。

なにかの力を感じる。

すると動き出すスサノオ。

「ぐぉ！！ぐおおおおおーーーーーっ！！」

突然咆哮を上げるスサノオ。

ズシン！！

スジン！！

その巨体を起こすと立ち上がり歩き始めるスサノオ。。

「あいつ！！やべぇぜ！！」

「ししょー！！！」

「ああ…どれだけタフなんだよ。」

するとスサノオの向かうのはどうやら洞穴のようだ。

「スサノオはまた洞に隠れ…そしてまた復活を待つつもりか！！？？」

「沖田さん！？そんな事が！！？？」

飛鳥が沖田さんに聞き返すと彼は続ける、

「ああ…大昔の伝説と同じなのかもしれない…このままでは歴史を繰り返すかもしれない。」

「くっ！！やっぱりトドメをさすか！！？？」

俺はそう言い放つ。

すると俺達の背後から誰かの声が聞こえてくる。

「スサノオをよくここまで…あとは私がやろう。」

俺達の振り向いた先にはなんと！！

「「天草様！！？？」」

沖田さん達は膝まづき天草に忠誠を示す。

「皆の者…よくぞここまでスサノオを追い詰めました。ありがとうございます。」

「いえ！天草様！大丈夫ですか？？こんな所まで。」

「いいのです。私にはかねてからずっと先代から伝えられてきた力『開花（かいか）』があります…この力は…その者の力を引き出す事ができるのです。そして、この力は逆に…花のように栄養…つまり…あまりにも栄養を与えてしまうと…枯れていってしまいます。」

天草様はそこまで話すとスサノオに近づいて行く。

「天草様！！？？」

沖田さん初め兵士達は天草の周りに集結。

何事もないように完全守護する陣形固める。

「さあ…参りましょうか。」

天草様を守りながらスサノオの洞の前までその足を進めていく。

そして…立ち止まる。

洞の中に入ろうとしているスサノオ。

そして天草様は天に両腕を上げる。

天草様の身体から発光したまるで蛍のようななにかが飛び出し始める。

それは一粒ではなく小さい虫ほどの大きさの光が何個も。

その光景は思わず目を奪われそうなほど美しすぎた。

「凄い…です。」

「ああ…不思議な力…だな。」

天草から発せられたその光はどんどんスサノオの身体をうめていく。

スサノオは不思議と何かの力に縛られているように動かなかったんだ。

そして。

スサノオの全身を光の何かが埋め尽くす。

その瞬間。

「さあ…スサノオ……終わりの時です。」

天草様の光は益々その光の強さを上げていく。

辺りは一面光で埋め尽くされその余りの眩しさに皆！！

視界を失ったんだ。

「うわっ！！？？」

「すごい光が！！？？」

「開光………開花！！！！！」

◇

◇

◇

俺は突然我に返った。

ガハッと起きるとそこには。

俺の目覚めを待っていてくれたかのような飛鳥の笑顔があった。

「あ！ししょー！起きました？」

「飛鳥？ここは！？」

「ここは江渡守の救護所です！」

「お！お前が俺をここまで運んでくれたんだろ？」

「えへへ！そうですよ！ししょー！よく分かりましたね！流石です！」

「飛鳥ならそうするだろうなと思ってな」

俺がそう言うと飛鳥はニッコリとした笑顔をくれる。

「そういえば…ししょー…私が怒った事……今はどう思ってます？」

「ん？あ？え？」

「ちゃんと答えてください！！！」

いつもに無く俺に食いかかってくる飛鳥。

「あ…あの時は……ほら……お前が傷ついたらと思ったら…嫌だったんだ。」

「ふぅ～～～。」

飛鳥は俺の答えに満足したのだろうか？

俺はじっと飛鳥の答えを待つ。

すると飛鳥は息を大きく吐き出すと。

「うーーーーーん………85点！！」

「ん？は？？」

「あーもう！そんなんじゃ女の子にモテませんよ！！ししょー！！」

「は？いや！俺は……」

ちゅ。

俺の唇は飛鳥の小さい口で塞がれる。

◇

◇

◇

「今は…それで……いいです…ししょー……。」

「飛鳥。」

「大好きです。」

◇

◇

◇

無事。破壊神スサノオを倒したらいと達。

そして邪馬国に平和は持たされたのだ。

お読み下さりありがとうございました。