第146話二人の力。

飛鳥視点。

ししょーの攻撃は確実にスサノオの巨大な身体をつらぬいた。

私達はスサノオを前にそれでもどうなるか分からないこの状況にかたずをのむしかなかった。

すると。

スサノオの身体にはししょーの攻撃の後。

いかずちはバリバリ音を立てた後。

パチッ!!

パチッ!!

バチッと空気から音がなる。

だけど…その静かな空気の中。

スサノオが動き出す!!

「ぐわあああああああーーーーーっ!!」

その身体からはプスプスと焼け焦げた煙が辺りに漂う。

「ふん…弱い……弱いのぉ……そんな雷では虫も殺せんぞ。」

俺の力をあざ笑うかの様なスサノオの発言。

「くっ!!うるせぇ。」

そう言ったししょーは自分の技が効かなかった衝撃を受けているみたい。

ズシン…ズシン………。

スサノオは私の元へどんどん近ずいてくる!!

私の身体はししょーの攻撃が効かなかったのが恐ろしくてたまらず。

動けなかった。

徐々にその距離を詰めてくるスサノオ。

その時!!

ししょーが飛び出す!!

「てめぇーーーーっ!!!」

刀を構えるとししょーがスサノオに飛び掛る。

「はぁぁぁーーーーーーーっ!!!」

「ふん!!」

ズババババーーーーーーっ!!!!!

刀を抜くとスサノオを斬っていくししょー!!

スサノオの身体から少しづつ血しぶきが飛ぶ!

「ぐぬ!!うっとおしいーーーっ!!!」

スサノオはまるで飛んでくる虫を叩くかのようにししょーを攻撃する!!!

「くっ!!??当たるか!!はぁぁぁーっ!!」

ズババババッ!!!

次第にその血を吹き出す量も増え始める!!

(ししょーはこんなに強いもん!!ししょーは負けないの!!!)

私はそう思い込み!!

信じたかった!!!

だけど。

「うあああーーーーーーーっ!!!」

ガバッとスサノオの手に捕まってしまうししょーの姿!!!

「ししょーーーーーーっ!!!??」

私は飛び出そうと構えるとししょーの口から漏れ聞こえてくる声。

「が……あ!!あすか…………」

「し!ししょー!!!!!」

「にげ……ろ………。」

「ししょー!!いやですっ!!!」

「言うこときけーーーーーっ!!」

「いやーーーーーーっ!!!」

「くっ!うるせぇぞこいつ。」

スサノオはそういうとししょーを潰そうとする!!

次の瞬間!!!

辺りに風が舞う。

「えっ!?これは?」

私の目の前に風が吹き始める。

「天然理心流……舞月まいつき

次の瞬間!!!

スサノオの手に小さな竜巻が巻き起こる!!

「ぐぁぁぁーーーーっ!!なんだコイツは!!」

その手からししょーの身体がこぼれ落ちる。

「ししょー!!」

私はししょーに抱きつきししょーの身体を寝かせる。

「らいと君!飛鳥!?一先ず我々が食い止めておく!!戦況を整えるのだ!!」

「ありがとうございます!!」

私たちに代わりスサノオと戦い始め声をかけてくれる沖田さん!!

すぐにししょーの身体を見る。

「これは…やばい……です。ししょー。」

私が見たししょーの身体は至る所の骨が折れバキバキになって酷い状態。

(これは…どうしよう……ししょー…)

私はししょーの身体の重症さに思わず涙が溢れてくる。

(私どうして回復の方の才能はないんだろ…魔法もししょーに沢山教えて貰ったのに…)

私の心に後悔しか出てこない。

私はししょーの手を握る。

するとししょーが手を握り返してくれる。

「ししょー!!??」

「あす…か……さん…きゅな……」

「ししょー!!そんな身体で……喋らないで、くだ…さい。」

「バカ…だな……なく……な。」

ししょーの指が私の目の涙を拭ってくれる。

「ししょー!!ごめんなさい!!わたし!!」

「どう…した?」

「私!弟子にしてもらったのに…こんな時に役立つ回復魔法が使えなくて!!本当にごめんなさい!!ししょー!!」

するとししょーは今度は私の頭に触れてくれる。

「飛鳥…人には人の…得意……不得意あるし…な……大丈夫…だ。」

「ししょー!!!」

私はししょーの胸に抱きつき泣いてしまう。

「私が!!私が!!回復魔法使えたら!!」

「大丈夫だ飛鳥…俺は今…お前に癒されてる。」

「ししょー!!!!!」

私の目にはもう涙しかうつらない。

その時!!!!!

「ぐふふふふ……どうやらこの風神の全ては俺のものだな…。」

私は振り向く。

そこには血の涙を流すスサノオの姿が!!!

私は動けなかった。

思わず目をつぶる私。

何も……聞こえない…見えない。

すると!!!

私の目の前に刀を構えるししょーの姿が!!!

「飛鳥!!お前は俺が………。」

ししょーの身体から黄色い光が。

そこへ緑の光も流れていく。

「えっ!?私からも。」

その緑の光は私からししょーの身体に流れていく。

「飛鳥!!俺達の力だ!!!いくぞ!!!」

気づくとししょーの身体はスサノオの頭の上に現れる!!!

「くらえスサノオーーーーーーーっ!!!」

「はぁぁぁーーーーーーーっ!!!」

ズババババーーーーーーーーっ!!!

「ぐあああああああああああーーーーーーっ!」

シャキンッ!!!

「ふぅ………『雷風霊魂撃らいふうりょうこんげき!!!』」

らいとand飛鳥の力の技はスサノオに届いたのか!?

お読み下さりありがとうございました!

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