第145話魔人スサノオ
らいと視点
俺達は、今まさに目覚めようとしているスサノオの前に立っている。
「ぐふ…ぐふふふふ……。おまえたち。何者だ?」
明らかに祠の中から聞こえてくる不気味な声。
これは完全にスサノオの声なのだろう。
「俺達はなぁ…お前が復活しねぇように、しっかり封印してやろうと思ってきたんだよ!?」
「ほぉ?お前にそんな力があるとは思えんがな。小僧?」
「うるせぇ…じゃあ…試してみるか!!??」
がぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!??
空気が揺れそして………。
ドガガガーーーーーーーーーン!!!!!
なんと!!!
大岩は凄まじい雷の力により砕け散り…そして。
割れた大岩の向こうから。
ヤバいくらいの邪気を発しズシリズシリと足音を立て洞の奥から何か。
いや。スサノオが這い出てきたんだ。
「くっ!?こいつ…(なんて殺気なんだ…)」
スサノオの、あまりにも強烈な禍々しい殺気に身体もこわばってくる。
すると!!
ビカッ!!ズガガーーーーーーン!!!!!
強烈な雷が岩穴に落ち!!!
そしてスサノオは完全に穴から出てきたのだ。
◇
◇
◇
俺達の前に大穴から出てきた、そいつは身の丈五メートルくらいはあるであろう巨大な身体。
鬼の顔に長い髪そしてその口には大きな牙も生えており正に鬼!!
という表現が正しいだろう。
そしてそいつが放ったのは確かに俺の身に覚えのある技。
『いかずち』である。
雷の魔法を扱える者とはこの世界では希少らしいんだ。
この世界の魔法は火、水、風、土、光、闇の六属性からなりそこから派生する魔法はあるがその中でも特殊なのが火、風、光の三属性の魔力が必要とされる雷が希少で珍しい魔法とされている。
その力を持ってこの世界に来たらいとは希少な、力の持ち主だったのだ。
それが今。
俺と同じ属性の化け物『スサノオ』が今この地に姿を見せたのだ。
ズシリズシリと俺達の前に歩いてくるスサノオ。
巨大なその姿に誰もが動けずにいた。
するとスサノオは口を開く。
「グホ……うぉぉぉーーーーーーっ!!!」
とてつもない声量に俺達も耐えるしか無かった。
「おお!やっと……ワシは外の世界に出れたぞ。」
するとスサノオのその声に返したのは沖田さんだった。
「はるか太古の鬼よ…なぜ?目覚める事がかなったのだ?」
ギロリと声の主…沖田さんを睨み奴が答える。
「ん?お前は誰だ??」
「僕は、この邪馬国…江渡守の近衛隊長…沖田…」
「んん?ワシはお前など…知らんぞ…。」
「知るか知らぬかはどうでも良いのだ…貴様の復活を我々はみすみすと見逃す訳には行かないのだ!!!」
すると刀を抜き構える沖田さんと兵士達。
「………………………………。」
スサノオは沈黙し沖田さん達の様子を見ている。
一人の男がスサノオに切りかかる!!!
次の瞬間!!!
ドゴゴーーーーーーーーーーン!!!
いかずちは男の身体を脳天から貫く。
「「!!!???」」
俺達の目の前でいかずちにより焼け黒い炭へとその身体を変えてしまった兵士の一人。
そのまま動かず崩れ去ってしまう。
「くっ!!??やばいぞ!!あれは本当にやばい!!そして奴はきっと…」
沖田さんはそういうと目を閉じる。
「手加減をしている。」
確かに!!
あれだけのいかずちを落としたがやられたのは一人の兵士だけ。
その気になれば奴はここにいる全員に一気にいかずちを落とす事も可能だろう。
するとスサノオは…ふと何かに気づいたように俺達の方を見ている。
そしてその足はこちらに向かい一歩また一歩と歩いてくる。
ズシリ…またズシリとその巨大な足音と衝撃音はこちらの身体まで伝わってくる。
すると俺達の前にピタリと止まるスサノオ。
「おお…そなたは…『風神』であるか。」
突然飛鳥を見てそう声をかけてくるスサノオ。
恐怖で俺に震えながらしがみついてる飛鳥。
確かに、こんな化け物に近づかれたらこうなるだろう。
「風神よ…ワシは雷神とも呼ばれた男…そなたはワシと共にある力だ…。これからワシの妻となりワシと共にこの地を支配しようではないか!!!」
その声に震えが増す飛鳥は俺の身体に更に強くしがみついてくる。
「残念だな…スサノオ……お前の言う風神はどうやら俺の相棒でもあるからな!お前には……。」
俺の身体に漲る魔力。
身体にバチバチといかずちが発生してくる!!
「ほぉ?お前…このワシと同じ力を持ってるのか。」
「まあな…そしてこいつ…風神飛鳥は…俺の!!!相棒なんでな!!!わりぃなスサノオ!!!」
俺のエネルギーは刀へと宿る。
「くらえ!!!」
「雷!!!音!!!《らいおん》!!!」
俺はスサノオに向かって一閃を放つ!!!
ズガガーーーーーーーーーン!!!!!
エネルギーをいかずちに変え一気にスサノオを斬り抜く俺の剣技はヤツの身体をとらえた!!!
◇
◇
◇
スサノオ相手にらいとの技が炸裂する!!??
お読み下さりありがとうございました!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます