第143話飛鳥は。
飛鳥視点。
私と、ししょーは天草様そして沖田さんから今この邪馬国に起こりそうな…予感のする話をきいたの。
確かに私も子供の頃このスサノオっていう鬼の話は聞いた事がある。
でも私は遠い昔のおとぎ話だとしか思ってはいなかった。
いや。
これは、この国に生まれた人なら誰しもが、おじいちゃんおばあちゃん等から代々語り継がれ聞いてきた話なのです。
「でも!そのお話の中の鬼って、その時に封印されて眠っている…それもあるかどうかは分からない本当に神様の時代の話…とも聞いていました。」
確かに、こんなおとぎ話の様な話。
実際本当にあった話なのかと聞かれたら誰しもが疑う話ではあると思う。
だけど。
すると天草様が口を開く。
「ふむ…そうなのだ……この国に昔から伝わる物語なのだが実際…そのスサノオを封じたと言われる洞穴は存在はしているのだ。だがここは確かに大岩で穴は塞がれ、そして封じる為の札は貼られてはいるのだ。」
「で?早い話…そこで、もしかしたら何か起こるのでは?って話なのか?」
らいとさんのその言葉に静かに頷く天草様。
「実はね……。」
天草様は上を見上げふぅーっと一息つくと話し始めたの。
◇
◇
◇
なぜ、私がここまで話すのか。
それは私が持つこの力『
この力は力の持ち主を転移し太古から存在してきた力と言われているのです。
これは、この国の力とも呼ばれる力でね。
私の先代もこの力を使われていた。
その先々代もその前の先々代も、この力を持っていた…と聞きます。
その継承された力をずーっと遡ると………なんとあの…スサノオを封じたと言われている「御子」様も、この力を持っていたとの話なのだ。
「んっ!?」
「それってどういう……。」
私も、ししょーも天草様のその言葉に聞き返す。
「そう…つまり、あのスサノオを封じたのは私の先祖だと言う事になるのです。」
「えっ!?」
「そういう話か。」
天草様は真剣な表情になり、こちらを見ている。
「そして実は数日前、私の夢の中に…その先祖…御子様が現れました。そして彼女は言ったのです…何者かがあのスサノオに力を与えてしまった…今はかろうじて封じる事を出来ているが…近いうちに私の封じる力を消し去る程の力をスサノオは手に入れてしまう…そうなってからでは、この邪馬国だけではなくこの世界丸ごと破壊されてしまう…と。」
私達はその話に衝撃をうける。
すると天草様は続ける。
「今このまま何もしなければあのスサノオが蘇ってしまいます…だけどスサノオは恐ろしい怪物…簡単に倒せる相手ではないのです!」
「それなら蘇る前に討つ…ってのが良さそうだけど…そいつはどこにいるんだ?」
「ん?手伝ってくれるのか!?」
「ああ!もちろんだ!!まあそいつがどれだけ強いかは、ちょっと戦ってみてーけどな!」
らいとさんは、そう言って笑っている。
ってらいとさん…どうしてこんなに戦いが好きなのよー!
私は、そう突っ込みたかったけど言わなかった。
だって…そんなキラキラした、ししょーがカッコよくて。
きゃーーーー!!
私が一人悶えてると声がかかる。
「よし!飛鳥?お前は、どうする!?」
「ふぇ??」
「なんだよ赤い顔して!」
「いやいや!ししょー!どうする?ってどういう事ですか??」
私がそう聞き返すとらいとさんは真剣な顔をして答える。
「飛鳥…この戦いには今まで以上の危険が伴うと思ってる…俺にも何となく…そのスサノオってやつの力の鱗片を感じてしまうんだ。」
「それは…分かります……けど。」
「ん…分かるなら…今回はスサノオとの戦いは俺が行くからお前は、なるべく大人しくしていてくれないか?」
「えっ!?ししょー!言ってる意味が分かりませんけど??」
「だからな!危ないから今回は俺に戦いは任せておけって話だ!!」
「ししょー!?」
私はししょーの言葉に思わず耳を疑ってしまう。
私が、ししょーをよく見ると、ししょーの身体が微かに震えているように見えた。
「飛鳥??今回はな!お前は留守番していてくれないか?この江渡守の警護を任せておきたいんだ??」
「!!??なっ!!??」
私は、その言葉に身体が震えてくる。
そして…気がつくと目からは熱い涙が溢れてくる。
「う……ううううぅぅっ。」
「お!おい!?飛鳥??」
「し…ししょーの…………。」
「飛鳥??」
ししょーは椅子から立ち上がる。
「ししょーの……。」
「飛鳥。」
「バカーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
私は大声を上げると思わず部屋を飛び出す!!
涙が溢れて止まらない!!
悔しい!!
私だって戦えるし!!
ししょーと一緒にいたいのに!!
私は街を出て飛び!!
大空へと高く飛び。
空を舞った。。。
(ししょー………私。)
◇
◇
◇
らいとと喧嘩になり飛び出してしまった飛鳥。
そしてそんな邪馬国には…
スサノオの脅威は迫っていたのだ。
お読み下さりありがとうございました!
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