第141話邪馬国再び。

ラージリアスとサイリスの活躍のお陰でフォーゼンボルグは守られた。

そして。

「ふん!フォーゼンボルグはお前達の手に落ちたか。」

「何っ!?」

「なら次は別のステージを楽しむとしようか……。」

竜也はそう言うと僕の目の前の画像が違う場所へと変わっていく。

「えっ!?あそこは!!??」

僕の目に映る今度の場所は邪馬国だったんだ。

「天草様!風雅との戦の後。この国も街も平穏を向かえ落ち着いてきたと思われます。」

「ああ…そうだな沖田よ。」

ここは邪馬国の本部とも言える江渡守えどのもり

そしてここに居るのはこの国のトップである天草露人あまくさろじん

対し話をしているのは邪馬国を守る男。沖田。

これから二人はとても重要な話をするのだ。

「で?沖田…その後の調べではどうなっている?」

「はい…我が国最古の時に封じられた鬼…スサノオの神…その一部より鼓動が聞こえ始めた…と…見張りの者からの報告が拙者の元へ届いたのです。」

「なにっ!?あのスサノオか!?」

沖田はこくりと頷く。

ここ…邪馬国の古代からの言われがあった。

かつての人々はこの邪馬国の平和な気候にとても過ごしやすい時を送っていた。

農作物を作り、そして肉や魚は狩猟で取り、なんとこの国では稲といわれるものを育てそのお陰で国は安定した比較的住みやすい風土を築いていたのだ。

国が安定し平和が訪れると。

どこかに欲というものを持ち始めそれにより人は争いを覚える。

それにより一人の男はこの地を収め自分の物としようと企ててしまう。

実質上のこの国を仕切っていたのは日の巫女。

名は御子みこと呼ばれこの国の皆に慕われそしてこの国に平和の象徴として崇められていたのだ。

その御子を妬んだその男の名はスサノオといった。

スサノオは御子をこの世から消せば次はこの国を仕切るのは自分だと考えてしまう。

だが…不思議な事に御子を消す事を考えるのだがどうしてもスサノオには消せない理由がある事に気づく。

この御子には神通力というものがあると言われその神通力によって御子様を傷つける事は皆無だという話なのだ。

だが。このスサノオには巨大で頑丈な身体。そして赤子ならひとひねりで潰せそうな程の力をもっていたのだ。

俺なら御子をやれる。

だけどあの神通力を使われてはいかにこの俺が丈夫だとしてもたまったものではない。

そう考えたスサノオはある計画を思いつく。

その計画とは。

御子を洞の中に閉じ込め一生出さないようにしてしまえばいい。

そう考えついたのだ。

だが…事はスサノオの考えの様に上手くは進まなかったのだ。

その考えは実は御子の力により読まれていたのだ。

行動に移そうとするスサノオ。

そこへ槍をもった数人の兵が目の前に現れたのだ。

「なんだ!?おまえら!?」

「俺達は御子様の意志によりお前を捉えに来たのだ!!大人しく捕まるが良い!!!」

「はぁぁぁーーーっ??何を言ってやがる!?」

あらがうスサノオ!!!

槍を手にスサノオを捕らえようとする兵士達。

その時!!!

空には雷雲が立ち込め嵐を呼ぶ。

「なんだ…これは!?」

空を見上げるスサノオ。

「「なんだ!?これはお前の幻術か!?化け物め!!我らが成敗してくれる!!??」」

兵士達は叫ぶ。

すると兵士達の先から一人の娘が姿を現す。

「御子様?」

「御子様だ!!」

「「御子様!!御子様!!!」」

兵士達は槍を置くとその場にひれ伏す。

だがスサノオは二人の兵により両手を拘束された状態だ。

そして御子はスサノオの前まで来るとその口を開く。

「私は御子…神の声を聞く事ができる力を持つ者です…スサノオ…貴方は残念な事に私の生命を狙おうと。そしてこの地を我が物としようと企みましたね。」

「ちっ!バレたら仕方ねぇ…ああ!確かに俺はお前を消してこの国を自分の物にしようと考えてた!!お前をこの穴の中に閉じ込めてな!」

「そうですか…とても残念です。」

「何がだ!?」

「貴方がそんな邪な考えを持ってしまった事が私には何より辛いのです。」

「はぁ??」

「貴方をここに閉じ込め…もう…邪を私はここに封じます。」

御子の身体は光を放ち始める!!

「ぐぁぁぁぁーーーーーっ!!??」

スサノオは天に叫んだ次の瞬間!!!

スサノオに雷に打たれる!!

それは御子の力なのだろう!!!

ずがががーーーーーーん!!!

辺りは爆風に晒され兵士達もその爆風に耐える。

「がぁぁぁーーーーっ!!!」

スサノオの身体には凄まじい力が漲り地に足をつけている。

「「うわぁぁぁーーーっ!!??奴は生きてるぞ!!!」」

慌てふためく兵士達。

スサノオがその巨大な腕を振る。

ドガガガーーーーーーン!!!

凄まじい音と共に辺りにいた兵士達は亡骸と化したのだ。

辺りには誰も残らなかったように見えた。

だが…そこにはあの御子様が一人立っていたんだ。

「って、その後御子様の力でスサノオはあの祠に封じられたのですよね?」

「そうだ。よく覚えていたな沖田。」

「ええ…御子様はその後このスサノオを封じた穴の扉の代わりとして大岩へとその身を変えたのでしたね。まあこの話はこの国の子供ならずっと聞かされますからね。」

ふぅっと一息つく天草様。

「そのスサノオが今…目を覚ました可能性がある。」

天草様の衝撃的な一言はこの邪馬国を震撼させる事となったのだ。

かつてこの国を恐怖に陥れた伝説の怪物が目を覚ました!!

一体どうなるのか!?

お読み下さりありがとうございました。

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