第140話フォーゼンボルグの夜明け

二人は力を最大限に発揮する!!

その周囲には誰も立ち入れない程の力のぶつかり合い。

緊迫したこの状況下でラージとマルコスはどうなるのか!?

ラージ視点。

マルコス王子に何があったのかは僕には分からない。

だけど僕だって負けれない戦いがあるんだ!!

ここにはラージとマルコス王子のお互いの譲れない思いがある。

(王子だって何かがあってこうなってしまったと僕も思う。だからなんとかして。)

「僕が救わなければ!!!」

今!僕の剣には凄まじい力が宿っている。

この力は魔石…魔導石の恩恵だ。

僕はライティア様から当時色々な事を教えてもらった。

剣技を初め色々な事をだ。

「ラージ!?さぁ!どんどん、打ってこい!」

「はぁぁぁーーーっ!!」

バシッ!!

バキッ!!!

僕の剣はライティア様譲りなんだ。

幼き日僕はライティア様に剣技を叩き込まれた。

僕はそれでもサイリスを守れずに滝に落ち、そして。

ライティア様に再び拾われ僕は更なる剣技を習得していった。

「はぁぁぁーーーっ!!」

バキバキっ!!!

「くっ!?はぁぁぁーっ!!ライトニングブレイク!!」

その技はライティア様から放たれたんだ。

そして僕は。

気絶してしまっていた。

「くっそーーーっ!!あと少しでライティア様に参ったを言わせる事が出来たかも知れなかったのにな!」

「あはは!そう腐るなラージ!もう既にお前の剣技は私を超えているんじゃないか?」

「またまたご冗談を!!僕なんてまだライティア様の足元にも及びませんよ。」

「そうか?今の一本など私の奥義を発動しなければ私がやられていたかも知れないぞ?」

「あはは!それは惜しかったなぁ。」

(これは…僕のライティア様との昔の思い出か。)

「いいか?ラージ…光の剣技とは。」

「はい!光の剣技とは!?」

僕は食いつくようにライティア様の言葉をじっと待つ。

「ふぅ~~~。」

ライティア様は息をひとつつく。

「ええーーーっ!?ライティア様そんな〜!」

その行為に僕も思わず力が抜ける。

思わず倒れ込んだ僕の側にライティア様は座る。

「ラージ…お前は優しい……その心はきっと誰よりも優しいのかも知れない…だがその優しさだけでは人は救えない。」

「人に優しくして何が悪いのです?僕はこの力を人の為に使いたい。」

「ふむ…だが……今後、人を殺らずに事を成し得る事は出来ないかも知れないぞ?」

「それでも。」

僕は立ちあがる。

「それでも僕は人を救いたい!!僕のこの力はきっとその為にある。僕はそう思っているんです!!」

「ふぅ…そんな都合のいい事ばかり世の中中々起きないものだぞ??」

「ライティア様!わかってます!きっと…大丈夫ですよ!」

ああ…僕はあの時ライティア様にそう言ったっけな。

僕の身体に力が宿った気がした。

「ん?あれは??」

僕達がラージの戦いを見ていると竜也はそう呟く。

「なんだ!?ラージ。どうなるんだ!?」

僕と竜也は再び画面に目を向けたんだ。

「どうした?ラージ!?僕相手に本気で戦えないのか!?」

「そんな言は…ない。きっと僕が…。貴方を取り戻す!!!はぁぁぁーーーっ!!!」

ラージはその剣をマルコスに向ける。

そしてマルコスに向かい走り出す。

ラージは今や光の魔導士となる。

ライティアの後継としてその力を引き継いだラージ。

もしかしたらラージだからこそ、この目の前の敵でありこの国の王子でもある。

バトルは勝者だけが生き残れる。

それが正義の者でも悪の者でも結果が全てだ。

だから世の中は甘くはない。

ラージ自身もそれはよく分かっている。

だからこそラージの力なのだ。

ラージの身体から光が溢れ出す。

そして、その剣は更なる輝きを増す。

ラージの目線が怪物となったマルコス王子を捉える!!

次の瞬間。

「ライトニング……ブレイク。」

ラージの剣がマルコス王子の身体を捉える。

光の速度。

そう…ラージの剣は光。光速となる。

ズシャーーーーーーーーーーッ!!!!!

ラージの剣は光速となりマルコスを一閃。

「ぐわぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!」

マルコスの身体は両断され崩れ落ちたのだ。

「…………ルコス………。」

「マルコス王子!!??」

僕の目の前には倒れているマルコス王子の姿。

「ん………んん…………。」

すると徐々に目を開いていくマルコス王子。

「はっ!?これは!?」

「王子…貴方はもう大丈夫です!」

「ラージ…僕を助けてくれたのだな。すまなかった。」

目に涙を浮かべるマルコス王子。

「大丈夫ですよ王子…王子の身体を変化させていた改造に使われていたこの『コア』みたいなものはラージの剣で消滅しましたから!」

サイリスもそう優しく王子に笑顔を向ける。

「二人とも…本当にすまなかった…そしてこの国を守ってくれて…ありがとう。」

そうマルコス王子が言うと。

「「マルコス王子ーーー!!!良かった!!」」

「「本当に!無事で何よりです!王子!!」」

国の人々に本当に愛されているマルコス王子。

僕には、それが本当にこの国を支えてくれる力だとそう強く思ったんだ。

「王子!これからも、この国をよろしくお願いします!」

「ああ!魔幻獣十二魔人には僕はもう未練はない!それどころか…きっと僕、そしてこの国はもう君達の味方だ!!」

僕はマルコス王子の手を取りそして。

「ラージ!やっぱりラージはかっこよかった!」

「ありがとうサイリス!」

こうしてフォーゼンボルグはラージ達により守られたのだった。

お読みくださりありがとうございました。

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