第138話ラージandサイリス
ラージはマルコスの目を覚まさせこの街を救う為にこの街にいるのだ。
「さぁ!ラージ!君は僕に何を差し出すんだ?忠誠か?それとも命か?」
すっかり人間には見えはしない姿のマルコス王子がラージに問いかける。
そこへ!!!
双頭のドラゴンが突然首を出してくる!!
かわすラージ!!
そして再びラージに襲いかかるドラゴン!!
その時。
シャキーーーン!!!
煌めく金属音をたてたのはサイリスの水龍の槍だった。
「サイリス!?」
「フフ!ラージ!向こうのドラゴン達は全て片付けてきたわ!まあまだ残りはいるけど一緒に戦いましょう!?」
「ああ!サイリス!ありがとう!」
すると。
その様子を見ていたマルコスは口を開く。
「その娘は…お前の想い人か?」
「それがどうしたのですか?」
「ふふん…」
マルコスはそういうとその怪物の身体をユラユラとくねらせている。
「王子…なんだろうけど、こう言ったら悪いけど…あなた…気持ちが悪いわ。」
「ん?なんだお前?その言葉をこの王子である僕に言ったのか?」
「ええ…そうよ……貴方はこの国の王子であるけれども悪の魔人に屈してその身をこうして悪魔にまで変えた。そんな弱い心の貴方に魔道協会のトップも…まして王子なんてもの…似合わないわ!!」
ヌメヌメと身体から触手を生やしてくるマルコスのその身体。
「おのれ…言われておけば……。」
「ふん!悔しかったらラージの様に素敵な男性になってみなさいよ!」
「なに…僕は王子としてこの国の後継として生まれた…だけど僕の父国王はあまりにも出来が良すぎた!その後継を期待された僕は父のようになれ父のようになれ!と。」
「だから…なによ?」
「僕はそんな国民の声をいつしか避けてきたんだ…そして城を飛び出した僕を魔幻獣十二魔人は受け入れてくれ…獣人でもない僕に…こうして力をくれたんだ…そして魔道協会の会長の任まで。」
「………………………」
「だから誓った!!もう僕は魔幻獣十二魔人の一人!!そして魔道協会会長マルコスとしてこれからは生きてやる!!その為にまずは。」
マルコスの身体は徐々に触手をもつドラゴンへと変化していた!!
テンタクルドラゴン!!
竜也がもたらした力はマルコスに恐るべき力を与えたのだった。
「これは!!??」
「サイリス!!気をつけろ!奴は触手をもつドラゴンに変化したみたいだ!!」
「ええ…でもこれは危険ね…町中が粉々にされてしまいそう。」
その時!!
マルコスの身体から触手が無数に飛び出し辺りの建物!そして逃げ遅れ居合わせた人々もその餌食となる。
ドガンッ!!!
バキバキッ!!!
「うわぁぁぁーーーっ!!??」
「ぐぎぁぁぁーーーーーーっ!!」
一人はその触手に吹き飛ばされる!!そして貫かれ絶命する人。
「やめて!!!」
「サイリス!まて!!」
サイリスが飛び出していく!!
それを待ちわびたかのようにマルコスの触手はサイリスめがけ飛んでいく!!
サイリスの視線の先には一人の子犬を抱きしめ怖がる少年がいたんだ。
「サイリスーーーーーーーーーーー!!!」
◇
◇
◇
ラージ視点。
僕の目に映るサイリスの姿。
煌めく槍を背に走り少年を庇いにいくサイリス。
(ああ…サイリス……君はこんなにもいつも誰かの為なら自分の身をも犠牲にできる覚悟を持った人。僕はあの日誓ったんだろ?サイリスのナイトになる…と。)
僕の身体に光が宿り力が湧いてくる。
(これは…この力は。ライティア様。)
◇
◇
◇
サイリス視点。
私は思わず飛び出してしまった。
目の前のあの子を守る為に!!
あの…子犬を抱きしめている少年が幼き日のラージと重なる。
あの怪物と化した王子にはもはや言葉では解決出来ない程にまで変わりすぎていた。
私達は王子を倒してまでこの街を守らなければいけないの。
ラージ!私は貴方とこうして戦えるならきっともっと強く!
そしてこんなにも過酷な状況でも私達ならきっと勝てる気がするわ。
だから…私にも力を貸して!
ラージ…そしてフレアース様。
私の身体に力が宿る。
「これは…あっ?魔導石??」
らいとさんと飛鳥ちゃんが私達に渡してくれたこの魔石の力。
気がつくと魔石は光だし私の槍の光に同化していく。
「凄い………。」
私の持つ水龍の槍は光り輝く。
「たぁぁぁーーーーーっ!!!」
シャキシャキーーーン!!!
ズババと槍を振るう私。
槍はドラゴンの触手をまるで豆腐のように切り刻んでいく!!
「これなら…いけるわ!!!」
「サイリス!!」
私はラージの顔を見る。
そして笑顔を見せる。
「水龍の槍!!『氷転華』マイナス『雪月花』」
カキーーーーーーン!!
パリパリッ!!!
パキーーーーーーーーーーーーーーン!!!
ドラゴンの触手は凍りつきそして…割れ。
崩れ落ちたのだった。
◇
◇
◇
サイリスとラージのバトル!!
お読み下さりありがとうございました!
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