第132話僕達のこれから。

僕達。そしてラージさん兄妹はベレッタさんのこれからの作戦に加わる事にしたのだ。

「いいかしら?私がこれを仕切るのは君達の敵がとてつもなく大きな存在だと言う事を知ってもらいそれでも戦うと言うのであれば少なからず手を貸そう…こういう事よ。」

僕達はとある部屋にいたのだった。

ここはまだ敵戦地内なのである。

ところが敵の本丸にいるのは残る魔人三人のうち二人がこの地にいるからなのだ。

魔幻獣十二魔人を倒さなければきっとこの世界は破滅へと向かってしまう事だろう。

それはしみじみ僕達の誰しもが認識しているのだ。

そして、平和の為にこれまで倒れていった人達の為にも僕達の決意は固いのだ。

皆が頷く。

「皆…やはり僕とベレッタがこの中では敵を知っている…だからこそこの戦いは僕も世界の未来がかかった戦いだと僕は思ってるんだ…だからこそ皆の力を借りたい!この世界の為にもどうか協力してくれないだろうか?」

「ラージさん…もちろんです!僕達はここまで遊びに来てる訳じゃない!魔幻獣十二魔人はまだまだこれからも世界を荒らしていくに決まってるんだ!!」

するとサイリスさんもラージさんの隣に来る。

「ラージ…私ももちろん協力するわよ!」

「ありがとうサイリス。」

するとふむふむとサイリスさんの顔を見に来る飛鳥ちゃん。

サイリスさん達の周りをキョロキョロと見ながらまわっている。

「ど…どうしたの?飛鳥ちゃん?」

「ん?いや!みらいさん!この二人に何かあった?なんか様子が…。」

ジロジロと二人を見る飛鳥ちゃん。

「飛鳥…邪魔するなよ。そういうこった!」

「ええっ?どういう事ししょー??」

らいとは飛鳥ちゃんをあやしながら話を進める。

「飛鳥落ち着けって!…で?話を戻すけど奴ら魔幻獣十二魔人は残る三人だろ?」

「はい…闇犬と呼ばれるあの闇の魔導士。そしてあの…。」

「あの俺達の飛行中に感じた天変地異も起こしそうなパワーの奴か…。」

「はい…魔幻獣十二魔人の中でも圧倒的パワーの持ち主…猪鬼。」

ラージさんのその声に僕達は肌で感じたあの力に震えが起きる。

「そして…残された最後の魔人…竜也…彼は異世界人とも噂され謎が多い人物です。」

魔幻獣十二魔人…その力の恐ろしさに誰もが恐怖を感じてしまう。

「そこで皆さんに提案なのですが。」

ラージがそう言うと彼を避けてベレッタさんが話を続ける。

「今、この街『フォーゼンボルグ』に二人の敵がいる事はでもこちらにとっては好都合よね?だから叩くなら今がいいと思うわ!」

「今!?」

僕の声に続ける彼女。

「そう…今だからこそ敵に奇襲が出来るというもの、逃走されて軍など様々なものを準備されたらそれこそ大問題ね…たしかに彼らは強い…でもこちらには今は魔導石もある。叩くなら今がチャンスよ!!」

「確かにベレッタの言う通りかも知れない…このまま全員で総攻撃をかければもしかしたら。」

ラージもその意見には賛成のようだ。

すると外から何かの歓声が聞こえてくる。

「ここは私が…」

レーミアちゃんはそういうとある魔法を唱える。

「どういう事?」

「みらい君!レーミアの魔法ミラーライトを見ててください。」

すると突然僕たちの目の前には映像が映る。

「これは?」

「レーミアの魔法でその外の様子を映し出してます!皆さん見守ることにしましょう!」

その映像には街の人々が溢れかえっている。

そしてその視線の先にはなんとあのバラキつまり…猪鬼の姿が!?

この街の人々には英雄であるバラキ。

そして鳴り止まぬ歓声と拍手が収まっていくと彼は語り出したのだ。

「よいか?皆の者…この街は先の敵襲!そして敵は逃亡を計ってしまった!敵は強かったのだ…よって我とラディスは奴らを追う事にする!!!」

「えっ!?」

「アイツ何を言ってるんだ?俺達はここに。」

僕とらいとも疑問でしかない話を聞かされる。

「「うおおおーーーーーーっ!!??バラキ様!!!!!」」

バラキは街の民にとってずっとこの地を守ってきた英雄なのだ。

「この魔導協会は残った兵とトップにはこの国の王子『マルコス』様に兼任してもらう事になった。」

「「なにっ!?あのマルコス様が!!??」」

「「うぉぉぉーーーーーーーーーっっ!それなら安心だ!!」」

「バラキ様!!どうぞお気をつけて!!!」

誰かがそう言った。

すると次々と歓声が巻き起こる。

そして歓声は止み。

「では!我は行ってくる!!!」

シュンッ!!!と。

瞬く間に消えるバラキとラディス。

そしてそこには英雄を称える歓声だけが残ったのだ。

僕達はその光景に愕然とした。

敵を捉えるにはやはり一足遅かったのかもしれない。

「マルコスというのは人より選出されていたバラキの手足です。」

ラージがそういうとダンさんは考え込む。

「バラキとラディスはこの国を出たのか…。」

ダンさんのその言葉は僕達にどうすべきかを新たに考えさせる。

「もしかしたら魔幻獣十二魔人はこれから世界大戦を起こそうとしてるのかも知れない。」

ラージのその声に僕達はただ考える時間を過ごすのだ。

世界は混沌の世界へと。

二人の十二魔人は一体どこへ!?

お読み下さりありがとうございました!

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