第126話処刑当日
サイリスさんとラージさんの処刑日当日。
僕達はこの日までに準備を整えてきたんだ。
らいとと飛鳥ちゃんは、まだ戻ってきてないけどそれでも僕、ダンさん、レイオール、そしてレーミアちゃんとレーミアちゃんが連れてきた
ベレッタさんがここにいる。
「ベレッタさん!よろしくお願いします!」
「ええ…レーミアから話は聞いてるわ!私も獣人でもあるから力を少しは貸せると思うわ!よろしくね!」
ベレッタさんのその容姿…髪は茶髪のロング…隙間から見え隠れする立派な角が映え…だけど美しいその顔。そして妖艶さを漂わせている大人の女性。それがベレッタさんだった。
でも.…。
酒臭い。
僕がそう言うとベレッタさんは笑っている。
「あはは!あんた可愛いわね!?私が色々教えてあげよーか?」
「い…いや!僕は大丈夫です!」
僕達はレーミアちゃんの癒しで傷はすっかり癒えていた。
それで今こうして冷静にベレッタさんの相手をしていられるのだけど。
レーミアちゃんはベレッタさんに問いかける。
「ベレッタさん!それで…なにかいい策なんてありませんか?」
「うーん…そうね…状況は話によると厳しいわね。」
そう言うとベレッタさんは冷静に語り出す。
「まず…兵士の数は問題ないけど……ねこまの武器…あれはヤバいわね…。」
「そうなんですか?でもベレッタさんも確か滅魔石武器を…」
「ふぅ~~~。確かに私も滅魔石武器は持ってるわ…ただ…私の武器は個数に限りがあるのよ。」
「そうなんですか?」
「そういえば貴女達兄妹には滅魔石武器は届かなかったのかしら?」
「はい…私とお兄ちゃんは元々マークされていた部分がありましたしお兄ちゃんは剣の力が評価されてましたので渡されませんでしたね。今考えるとこれも私達二人を敵視していたのかも知れませんね。」
「そうだったのね…。私の武器はこのアイテム。」
ベレッタさんが胸から取り出したのは一丁の銃だった。
「それは?」
僕がそう尋ねた。
すると突然外が騒がしくなる!!
「おおーーーーーっ!!!!」
「「とうとうきたーーー!!!!!」」
「きたぞーーーーーーーー!!!!!」
僕達は顔を見合わせる。
そしてベレッタさんは叫ぶ。
「さぁ!皆!お祭りの時間よ!」
「ええ!僕も今度は負けない!!!」
「んふ…やっぱり君カッコイイわね!戦いが終わったらデートしましょうね!」
「えっ!?でも…やります!きっと僕達が勝ってラージさんとサイリスさんを助け出します!!」
僕は扉を開ける。
未来へ向かって。
◇
◇
◇
僕達の目の前には磔台が増え二つの磔台が並んでいた。
辺りは兵士が並び中へ立ち入るには中々手こずりそうな状況になっている。
すると後ろから手錠をはめられ連行されてくる二人の姿が。
一人は王子の様な服を着せられ歩くラージさん。後ろからはお姫様という衣装を着飾れ、しかしながらも手錠をはめられた美しいサイリスさんの姿だった。
二人は磔台にその手錠をされたままはりつけられていく。
すると二人は見つめ合い微笑んだ。
「えっ?」
「お兄様…?」
すると後ろから今度は禍々しい気を感じる。
兵士達は道を開けていく。
ズシンズシンと足音を立て磔台の方へ歩いてくるその男。
「うぉぉぉーーーーーっ!!??」
「「猪鬼様だ!!!!!」」
「「おおおおおーーーー!!猪鬼様ー!!!」」
辺りに兵士の声が鳴り響く。
その時。
僕の身体に異変が起こり始める。
ブルブルと勝手に震えてくる身体。
「みらい君…その震えは……人としての本能よ…。」
「えっ?」
僕がベレッタさんを見ると心なしか彼女もその震えを抑えてるように見える。
「あれが魔導協会会長で最強の男『バラキ』よ。」
人間は動物類に入る。
そして、その恐怖心とは…それまでの人間の経験だったり様々な要因がある。
だがそのバラキという男は違ったんだ。
人間が自然に感じる恐怖。
例えばライオンや大型の熊などの超肉食獣を目の前にして何の装備も力もない状態で自分が目の前に立っている。
そんな恐怖を彼を見てるだけで感じてしまう。
バラキには敵というものをきっと感じる事は無いのかもしれない。
まるで百獣の王の様に辺りの人間にも興味を示さず処刑台の前まで歩いていく。
誰も彼の前には出てはいけない。
そう誰もが感じてしまうのだ。
よって…誰もがその動きを止め。
ひたすら彼の行動を見ていたのだ。
そして処刑台近くに設置された大型の椅子にバラキは腰を下ろす。
そして隣の椅子にフッと現れたのは。
僕がこないだ戦った相手。
闇犬だったんだ。
そして全ての時が止まった気がした。
これからの時を皆が手を出さずに見ろ!!!
バラキはそう威圧感だけで語るのだった。
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました!
遂に二人の処刑の時間がきてしまう。
みらい達は二人を救う事が出来るのか!?
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