第124話レーミア奮闘
レーミアは助力を求めベレッタの元を訪れていた。
ここはこの街の酒場だ。
テーブルには沢山の酒瓶がならびそしてこちらまで酒の匂いがしてきそうな程の様子。
それでも彼女は口を開く。
レーミア視点
「あの…ベレッタさん。」
ベレッタは私の方を振り返るとグラスの酒を煽り再びこちらを見ている。
「なあに?貴女は確か……。」
「はい!私はラージの妹のレーミアです!これまで数度程お会いしてるとは思いますけど。」
「そうかしらね…確かにラージの影に貴女はいつもいたかもしれないわね?そしてそんな貴女が今日は…私に一体何の用なのかしら?」
ベレッタさんはそう言うと私を心做しかニヤニヤしながら見ている気がする。
「えっと…そうです!いわれのない罪で兄のラージが捕まってしまってるんです!!」
「へぇ…ラージがねぇ…で?貴女は大好きなお兄様が捕まってしまって私には何も出来ないから手伝ってくださーい!!そう…言いたいのかしら?」
ベレッタさんは私の声真似をしてからかってくる。
少々頭にはくるけど我慢するしか。
「えっと…仮にも私も隊長の一人でもあります!だからベレッタさん!私と対等に話してはいただけませんか?」
私はキリッとした姿!そして言い方でベレッタさんに再度お願いをする。
「だーめ!全然だめ!」
「えっ!?そんな!どうしてですか!?私がまだ子供だから子供扱いするのですか?」
彼女のその言葉にイラつきつい、声をあらげてしまう!!
「そうね…少々イヂワルな言い方をした事に腹を立てたのは百歩譲って良しとしましょう。でもね。貴女からは真剣さが伝わってこないの。」
すると彼女はお酒を再び飲み干す。
んくっんくっぷはぁっ!
あー美味しいわ!!
私も彼女のお酒を取り飲もうと試みる。
匂いを嗅ぐもアルコールなんて飲んだ事もなければお兄様も特別アルコールをいつも飲んでいる訳ではなく私には抵抗があったんだ。
「ふふっ!私の真似をすれば大人になれて私に話を聞いてもらえる…そう思ったのかしら?」
「ち!ちがいますっ!わたしは話を聞いてもらいたくて!ただそれだけで……。」
段々自分が情けなくなり涙まで溢れそうに。
「ちがうわ!じゃあ分かったわ!貴女が大人だという証明をしてみせなさい!!」
ベレッタさんはそう言うと酒場の中にいる一人の男を指さす。
「貴女が大人だという証明はお酒なんかでは本気を私に見せる事など無理よ…そうなれば。」
ベレッタさんは私の背中を押しながら彼の元へと歩いていく。
その男は屈強な肉体を持ちそして私達を見る目はとても私にはおぞましく感じたのだ。
「ねぇ…貴方?この娘を私から買わないかしら?」
「あ?いつもの酔っ払いねーちゃんか…あんたなら金など払う気はねーが…そうか?いいのか?俺は激しいぜぇぇ!?」
「えっ!?」
私はこの時その嫌悪感に凄く青ざめたと思う。
身体はガクガク震えが走り声が中々出てこない。
すると男は私の肩に手を回してくる。
「いいぜ!但し金は前金を払って後は…終わって身体。」
ベレッタさんは私をじっと見ている。
「どう?これが大人よ…ちゃんとそいつに大人にしてもらったら大人として貴女の話聞いてあげるわ。」
ベレッタさんはそう言うとニヤリと微笑む。
そして私は男に連れていかれるのだった。
◇
◇
◇
男は私を部屋に連れていくとベットに押し倒す。
そして、ギラギラとした目つきで私の身体をみている。
(こわい…でも…お兄ちゃん達を助けるためなら!!わたしは!!??)
私は目を閉じ終わるのを待つ事に決める。
すると…。
コンコンっ!!
部屋の扉をノックする音が聞こえる。
「なんだよ!?これからって時に!ちょーっと待ってろよ!」
男は私にそう言うと玄関へと向かう。
ガチャッ!!
男が扉を開ける音がする。
「だれ…うがぁぁぁっ!!??」
バキッ!!!
「えっ!?」
玄関先から男の叫び声が聞こえると足音の主がこの部屋を目指してきているみたい。
どうしよ…今度は誰なの?
私がそんな絶望感に浸っていると。
「ふぅ………お姫様みたいなお前…ラージ程ではないかもしれないが心は強いのだな。」
「あ!ああっ!!??ベレッタさん!!??」
私を助けに来てくれたのはあのベレッタさんだったの。
私の目から涙と安心感から声まで漏らし泣いてしまう。
「ひっぐ!うぐっ!」
「あっ!こらこら泣くんじゃない!また子供扱いするぞ!?」
「ふぇーん!でも私!嬉しくて!」
「ああ!私もアルコールでも少しは抜かんとな!さ!アルコールを抜いたらラージを助けに行くか!?」
「はいっ!!」
こうして私は無事ベレッタさんを仲間に加える事ができたの。
さぁ!皆でお兄ちゃんとサイリスさんを助けなきゃ!!
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました!
ベレッタの助力を得れたレーミア。
さぁ、ラージとサイリスを救うのはもうすぐだ!
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