第121話そして動き出す。

光の力を後継レーミアに渡したライティア様。

そして僕達は。

ダンさんを初めとする僕達。

そしてラージさんとサイリスさんの処刑日は三日後と決定したらしい。

その情報をライティア様から得ていた僕達は万が一という、らいと達を加えない状況の作戦を立てるのだった。

「さ…では諸君……まずは敵の分かりえる情報からだ。」

「ダンさん!まず、敵兵は数えないものとする為第一段階として私の幻獣で減らします!」

「確かにそれはいい作戦ですね!」

レーミアちゃんの幻獣はあえて戦う必要の無いものを排除するには最適なはず。

そしてねこま登場にねこまの滅魔石で出来た武器にこそ気をつけなければならないのだ。

「その後はオイラは武器でも何とか戦えるけどこないだは失敗したけど…。」

「正直私の武器は確実にねこまの攻撃範囲に入ってしまう…。その後が…続かんか…。」

「僕は…肝心な魔法攻撃しかないし…どうしたら……。」

その時、レーミアちゃんが何かを思い出したみたいだ。

「あの…皆さん!!提案なのですが良いでしょうか?」

僕達は彼女に一斉に注目した。

「何か…思い当たる事あるのかな?」

「これはまた可能性としては低いのかも知れませんが一人だけ…私にもしかしたら力を貸してくれる人がいるかもしれないのです。」

「レーミアちゃん!それってどういう事なの?」

「はい…。では話しますね。」

するとレーミアちゃんは自分の考えを話したんだ。

「私達二人は魔導協会の騎士の隊長をしていました…そして残りは三人いるのですが一人はあの怪物『ねこま』そしてもう一人カエル獣人の『ウォン』コイツは会長に取り入ることしか考えない男だからないとして…あと一人だけ、もしかしたら私に力を貸してくれるかも知れません。」

「そうなんだね?そいつの名前は?」

「シカの獣人『ベレッタ』といいます。」

ここはフォーゼンボルグのとある酒場。

「んぐっ…んぐっ……ふぃ~~~。美味しぃ〜い。」

豪快に酒を煽る一人の騎士がいた。

その騎士…姿は綺麗な女性なのだが頭には二本の立派な角を生やしている…そう鹿の角を持つ獣人なのだ。

「おお!ベレッタ!今日の仕事は終わりかい?」

「ん?ああ!そうだねぇ…まあ…とはいえ、あたしの仕事って言ったら…これだ!!んぐっんぐっ……ぷはぁっ!」

「そういやそうだったな…ベレッタは酒を飲むのが仕事だったな!まあ仕事しながらうちの店に金を置いてってくれてるがな!あーっはっはっはっは!」

「ひくっ!まあ暇つぶしにでもなる事でもあればそりゃ私だってこの酔いが覚めると思うけど…中々そんな事はないからねぇ。」

コトッ。

次の酒が『ベレッタ』の目の前へ置かれる。

「そういや、一昨日の話ですがね…『ねこま』の旦那が街中で暴れてたらしいですぜ?」

「へぇ…でもアイツが暴れる事なんてよくある事…さぁ!それより酒だ酒だぁ!」

「へいへい。それとその時にラージリアス様が兵士長をクビになって、どうやら原因は何かをやらかしたとかで磔にもされたとか…そしてそれをとめようとした奴らをねこまの旦那が返り討ちにした…と。」

すると『ベレッタ』の顔色が変わる。

「それで?ラージはどうなったんだ?」

「ええ…今は幽閉されて数日後の死刑は決まったと聞きましたが。」

「死刑…だと?」

「ええ…そんな話がもはや街中にも知れ渡っていますよ。」

「そうなのか。ふぅ……まあラージの事だ。何とかなるか…酒だ!!おかわりだ!!」

んぐんぐっ。

ぷはぁーーーっ!!

うまい!!

酒がうまいぞーーーーーーっ!!

カランカランっ!!

「おっ!いらっしゃい!?あ!君は!?」

「ん?」

ベレッタの目に飛び込んできたのはあのラージの妹「レーミア」の姿だったんだ。

時と場所を変えここは魔鉱山。

入り口に辿り着く二人の影があった。。。

「来ましたね!ししょー!」

「ああ…やっとここまで来たけどここが山の入り口か。」

「そうみたいですね!でも…向こうから嫌な風がここまで届いてきます。」

「敵か…。」

「そうかもしれません…でも…水辺?水の匂いもここまで漂ってきます。」

「行ってみようぜ!」

「はい!!」

らいとと飛鳥ちゃんはようやく魔鉱山へと辿り着く。

足元は鉱山とは程遠い沼地と湿地帯。

ぬちゃぬちゃと歩くには足元が悪すぎる。

「やぁっ!ししょー!おんぶーーー!」

「うわっ!飛鳥!ちょっ!まて!」

らいとと飛鳥ちゃんがわちゃわちゃと進んでいくとらいとが何かに気づく。

「あそこだ…あの灯りがある所に何かいる。」

「ふぁっふぁっふぁ!オラオラーーーっ!!サボるなよ!サボらずどんどん掘ってどんどん石を見つけろーーーーーっ!!!」

そんな大声が灯りの方から聞こえてくる。

やがてその声の主の足音まで聞こえてくる。

らいとと飛鳥は声を潜め灯りのある方向をよく見ると洞窟の入り口が見える。

やがて中から出てきたのは巨大なカエルの頭を持ちその手には巨大なムチを持ちしならせながら歩く何者かの姿だったんだ。

らいとと飛鳥の前に現れたヤバそうな男。どうなる!?

お読み下さりありがとうございました!

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