第116話レーミア
フォーゼンボルグへ向かう僕達は港町から出港!
僕たちは、事の他何も無く平和な船旅を送りそして遂にフォーゼンボルグへと到着する。
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フォーゼンボルグに到着はしたものの、ここは魔導協会がある敵戦地でもある。
その為にライティア様の提案で僕達は一先ず宿屋に入る事にする。
フォーゼンボルグもこの世界では第二位といってもいい大国のその街だ。
街自体も大きいがその人の数もかなりのものだった。
だが辺りを見回すとやたらと兵士の姿が多い。
他の街でもこれほどまでの兵士が街中にいる事は無い。
これは何かがおかしい。
何か言い方をかえればいつでも戦争でも始められそうなそんな重々しい雰囲気もどこかに感じたのだ。
だけど、周りがそうだからこそ僕達にとっては目立つ事なく行動できるといえばそうだろう。
僕がそんな事を考えていると突然街の人々の叫び声が聞こえる!!
「見ろ!?また誰かの処刑らしいぞ!!」
「またか!?次はいったい誰なんだ!?」
「またって…確かに最近…魔導協会の処刑が多いな。で?俺も気になったが…本当に今度は誰なんだ!?」
「ええっ!?あれって聖騎士様じゃないのか!?」
「うわっ!!どうしてあの聖騎士様が!?」
聖騎士様と聞いて僕も気になる。
「なんだろう…皆!行ってみよう!!」
僕達は人を避けてその先まで出るとなんとそこには街の真ん中にそびえている処刑台に磔にされる一人の男の姿が見えたんだ。
「えっ!?」
「あれは!!??」
「ラージ!!??」
僕達は合わせたように声を上げてしまう。
慌てて口を塞ぐ僕とサイリスさん。
すると僕の背中をツンツンとまるで僕を呼ぶ様に触れてきた者がいたんだ。
振り返る僕の目の前に黒いローブを深々と被った女の子の姿。
「あの……皆さん唐突ですが私についてきていただけませんか?。」
「えっ!?君は!?」
「さ!急いで!!」
その声に僕達は戸惑いながらも彼女の真剣な声と表情に一先ずラージを残しつつ彼女の後ろをついていくのだった。
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こうして僕達は彼女に着いていくと、とある家の中に案内されたんだ。
彼女は僕達を家の中に招き入れると扉の鍵をロックする。
ガチャリっ。
「ふぅ…良かった!私を信じて着いてきてくれてありがとうございます!アイツらに見つかる前にまずここで話をしましょう!」
彼女は顔を隠していたフードを上げると。
髪はブロンド色。ロングで艶やかな髪。
そしてその可愛らしい顔は白く唇は薄らピンク色に染まっていて、まるでどこかのお姫様の様なその子。
「えっと…君は?」
僕の声にサイリスさんが驚きの表情をする。
「えっ!?貴女ってもしかして、ラー君の妹のレーミアちゃん!?」
「ええ…そうです!私はさっき磔にされていた男で元…魔導協会聖騎士ラージリアスの妹のレーミアといいます。」
「「なにーーーっ!!??」」
◇
◇
◇
僕達は彼女の話、これまでの経緯を聞いた。
魔導協会の悪行…それに気づいてライティア様に報告をしていた兄ラージの事。
ラージは魔導協会のトップである…バラキ。その部下ラディスのこれまでの様々な蛮行にいつしか疑問を抱き、そしてある時そのトップの二人があの魔幻獣十二魔人のメンバーだった事を知ってしまったという。
「もしかしたら、そこまで知ってしまった私達に何かの罪を着せこうして葬りたかったのかも知れません。」
「でもお兄様は剣の達人だったんだろ?そんなに簡単に…」
らいとがそう質問すると彼女は表情を曇らせる。
「お兄様は確かに強いのです…ですが…これを見てください。」
彼女は、そう言うと何かの破片を僕達に見せたんだ。
「それは?」
「この世界はほとんどの人種は魔力と言うものを持って生まれてきますよね?そんな力の源になっている”魔力”を吸い取ってしまう大昔の貴重な石『滅魔石』を使った魔道具。これは私に付けられた滅魔石の力を宿した手錠を兄が何とか破壊してくれてボロボロになった破片なのですが…兄はこの手錠を未だにはめられたままで、あの様な状態で力無く捕まってしまっているのです。」
「そんな…。」
「なんて事を!!??」
「初めは私達二人共、捕まっていたのですが…お兄様は私だけを逃がしてくれて…今は一人捕まっているのです。」
僕が気づくとそう言った彼女はプルプルと小刻みに震えていたんだ。
「お兄様は間違った事なんてしてない!!どうして…ぐすっ…どうしてなの!!??」
「レーミアちゃん!大丈夫よ!お姉ちゃんが必ずラー君を助けるから!!」
サイリスさんは槍を背からとりだすと鍵をあけ部屋を出ていく!!
「サイリス!!??」
「おい!サイリス!!」
ダンさんとらいとの声を残しサイリスさんは出ていく。
らいとも出ようとするもダンさんに止められる。
「行かないと!!」
「大丈夫だ!らいと君!敵は思ったより危ないらしい…サイリスなら大丈夫だ!ここは作戦を立てよう!」
いつもに増してその力は強く!
そして、このメンバーの中の長兄を自覚しているであろうダンさんの真剣な表情にらいとは落ち着いたようだ。
「ふぅ…わあったよ!でもどうする!?その石って確か…そうだ!ファノタウルスがフレアースに使ったあの石か!?」
「その様だならいと君!確かにあれは厄介な物だったな。」
するとダンさんに続きレーミア。
「滅魔石というあの石は魔導協会で今やそこそこ発掘されていてそれを使った武器を開発したりしてます…だから魔力を使う者にとってそう簡単に戦える相手ではないのです。」
皆その話に悩み始める。
これまで確かに強敵はいたが自分達の力も魔法を使用できるからこその戦いなのだ。
すると…ライティア様が僕達の目の前に現れる。
「ライティア様!!」
そして彼女は口を開いたんだ。
◇
◇
◇
一筋縄ではいかなさそうな状況に困り果ててしまいます。
ライティアはどんなアドバイスをくれるのか!?
お読みくださりありがとうございました!
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