第106話みらい変貌
ミスリルの進化した姿。
それは姿だけではなく本当のパワーアップが完了したといっても過言では無い程の力に僕達はただ攻撃を受けるのみだった。
「ククク…さぁ…コイツが一番この中では厄介だったな。先に始末しておくか。」
ミスリルはそう言うと倒れているらいとの元へ瞬間移動していたんだ。
「うぐっ!くっ!」
「しつけーんだ…よっ!!」
バキっ!!!
「やめてーーーーーっ!!」
らいとを殴るミスリルに飛鳥ちゃんが止めようとする!!
すると飛鳥ちゃんの身体を持ち上げていくミスリル。
「いいねぇ…いい女じゃねぇか…こんな女にここまで思われて…気に入らねぇな…よし!この女は僕の物にしてやるよ!」
「うぐっ!わ…わたしは…アンタなんかの物になんかなるものですか!!」
「やかましいな…だから…こいつをやっちまえばそんな気も失せるだろ…」
「や、やめてーーーーーっ!!!」
飛鳥ちゃんの目からは涙が溢れ出す。
「飛鳥…泣くんじゃねぇ…コイツは俺がぶん殴ってやる…から。」
ぷるぷると震えながら、らいとは起き上がろうとする。
ドガッ!!!
ミスリルの足はらいとを再び蹴りつける!!
「うぐっ!!かはっ!!!」
らいとは今…攻撃をただ受けている。
その時。
僕の中で何かが弾けた気がした。
気がつくと僕はミスリルの目の前にたっている。
「ん?なんだよ!君か…僕の邪魔をしないでくれないかな?」
「さっきからさぁ…僕の仲間に色々してくれてるよね?」
「み…みら…そいつはやばい。」
らいとの声も聞こえるが今の僕の目に映るのはただ一人。
どうしても許せない感情を与えてくるこの男。ミスリル。
「ふ…何を言っても僕の邪魔すらさっきから出来てないじゃないか…まあいい…どうせ皆ここでやっちまうんだ…お前も殺してなぁーーー!!」
ミスリルが僕に襲いかかる!!!
(あれっ!?僕の心の中が酷く冷静だな…なんだろうこれ。)
スッ…。
そしてミスリルの攻撃をするりとかわす僕がいる。
「なにっ!?なんだよ今の!?」
僕にかわされ驚きの表情のミスリル。
「え?いや……」
「ふ…ふざけるなぁーーーーーっ!!??」
すかさず僕に向かうミスリル!!
ところが僕の身体は自然にミスリルの攻撃を受け流してしまう。
その時僕の心に語りかけてくるシェイド。
(やるじゃないか?みらい…。)
(これはどうなってるの?)
(お前はらいととは違いこの俺と同じく闇を力にする事ができる。)
(僕の力?)
(ああ…お前は内に内に入り込む事により元々ネガティブ思考なお前だからこそ。その力が湧いてくるのだ。)
(そう…なんだ。でも、それって。)
(お前はさっき自分の事を僕なんかじゃ…って思っただろ?)
そう言われた僕は確かに思う節は沢山ある。
人間なんて本来らいとのように根っこから強い人なんてそうそういないハズだ。
僕はどこにでもいる普通の男だ。
人より特に秀でてるものなんて取り立ててある訳でもない。
だから僕にはこんな状況なんて何とかできるものでも無い…。
僕なんかに…そんな力。
僕なんて。
(いいじゃねぇか…闇の力が溢れてきてるぜ!)
すると僕の身体に益々力が漲ってくる。
そんな気がしたんだ。
「うっ!?くそっ!何をしてる!?お前の力がそんなにも!?みらい…注意すべきはらいとの方ではなくお前の方だったか!?これは我が仲間に知らせなければっ!!」
すると僕の身体はいつの間にかミスリルの目の前に瞬間移動していたんだ。
「くっ!?くるな!!??」
ミスリルが僕に攻撃を仕掛けてくる!!??
ドカドカッ!!!バキッ!!
「はぁぁぁーーーっ!!くらえ!!ファノタウルスの火炎!!と!剛力!!!」
ボウッ!!
ミスリルの両手に炎が宿る!!!
そしてその巨大で力の籠った拳が僕を捉える!!
ドドド!!バキバキッ!!!
ズガン!!!
「はっ!!??な…なんだよ!僕の攻撃がああっ!!??」
凄まじい攻撃が僕に当たっていたハズだった。
「は?なんかしたの?」
ドガーーーッ!!!
僕の拳はミスリルの腹を直撃!!!
ミスリルは吹き飛ぶ!!!
シューーーーーッ!!!ドゴーーーーーン!!
土壁に激突しその衝撃をもろに受けるミスリル。
するとゆっくりとミスリルは立ち上がるのだった。
「くっ、!?ぐぬぬ。」
「へぇ…まだ立てたんだ…」
シュンッ!!!
僕の右手はミスリルの首元を締め上げる!!
「ガッ!!くはっ!!??」
(い…いつの間にこいつは…このままではヤバい。)
どんどん僕の力が加わりミスリルの感じる苦しさと痛みはハンパないものとなっていた。
「くはっ!はぁはぁ……み…みら……」
「らいとさんっ!!??良かった!気がついて…」
「飛鳥!?あれがみらなのか!?」
「はい…深い闇を感じますが…あれは確かにみらいさんです。」
◇
◇
◇
闇の力でミスリルを圧倒するみらい。
果たして!?
お読み下さりありがとうございました。
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