第88話マッドサイエンティスト

僕達はドライアードの為、神樹の遙か上を目指す!

ここは説明が不十分なドライアードに代わり僕みらいが簡単に説明します!

どうやって上を目指すのか?という疑問だけど…ドライアード曰くこのとてつもなく巨大な神樹の中は空洞というより塔になっておりその中でドライアード達は暮らしてきたらしい。

だけどいつの間にか上空のある巨大な枝に建物が建てられていたという。

あまりにも奇妙な事に初めは仲間達の数人が偵察に向かったらしいのだが、向かった者は二度と帰る事はなかったという。

そして僕達は神樹の根に辿り着く。

「ドライアード!ここが入り口だね?」

「そ、そだぞ人間…だけど君達が偵察して来てくれなかったら僕達は皆居なくなっちゃうんだからな!」

「分かったよ!任せといてよ!」

「それに…なぁ。」

「どうしたの?」

ドライアードはそういうと悲しげな表情に変わる。

「ぼ、ぼくのともだち、みんな怪物にきっと食べられたの、そして怪物のリーダーは鳥さん…その鳥さんは白い服を着たお医者さんなの。」

「お医者さん?」

「みらいさんきっと…あの鳥の魔人の事ね。」

「飛鳥ちゃん!そうかもね!行ってみるしかないね!」

「うん」

「ドライアードちゃん!僕達が鳥さんをやっつけてくるね!」

僕の言葉ににこりと笑うドライアード。

「ふ、ふん…か、かえってきたら…と、とも、だち。」

「うん!分かってるよ!行ってきます!」

ドライアードはきっとツンデレなのかもしれない。

僕はそう思い大樹の塔の入口を開くのだった。

大樹の中は上を見ると遙か上空まで螺旋階段が続き所々に外への扉があるのが見える。

「どの辺りに怪しい建物あったのかな?」

「みらいさん!さっきドライアードちゃんは真ん中くらいとかって言っていた様な気がしたけど。」

「えっ?あの子の説明でわかったんだ!凄いね飛鳥ちゃん!」

「なんとなくみらいさんとの会話聞いててね」

「そっかぁ…とりあえず下の階から順に開けていこうか?」

「それはなんか…悪い気が…」

こうして僕達は扉十階ごとに開けていく事にしたのだった。




僕達が十階まで螺旋階段を登ると外に出る為の扉が見える。

「お!まずは、あそこから開けてようか?」

「気をつけてみらいさん!」

飛鳥ちゃんの言葉にうなずくとそっと外への扉を開いていく。

扉は思ったより静かに開きそしてそこから見えたものは…何者かの居住スペースであった。

「ぴぎっ?」

四~五人のドライアードは僕を見るなり騒ぎ出す!

「人間人間!!??」

「入ってくるな入ってくるな!」

「わっ!?ごめんね!」

バタンと扉を閉める僕。

「何やってるの!ここではなかったから次行くわよ!?」

「分かったよネージーさん…。」

こんな事を繰り返しながら二十階、更に三十階と僕達は次々と世界樹の上へ上へと登っていく。

幸い下の方の階ではモンスターは出てもこない。

ここはどうやらやはりこの聖なる世界樹の力で守られているのかもしれない。

「ふぅ…大分来たけどどれくらいかな?」

「そうですね、もうかれこれ十回くらいは扉をハズレでしたが開いては来たので百階は登ってきたでしょうね?」

「そうだな…そろそろ何か感じてもいい頃かも知れん…んっ!?」

ダンさんはそう言うと僕にも何か嫌な気配を感じたんだ。

「みらい君…次の扉…」

「うん…分かってるよ…こんな禍々しい力は。ここか!?」

僕は勢いに乗り扉を開ける!!

すると部屋の中から漂う何かの匂い。

「これは…ホルマリンの匂い?」

「ん?みらい君?ホルマリンとは?」

「ああ…よく僕のいた世界の理科の実験室にあった生物を腐らせないようにつけておく薬の事さ…って事は…ここが!?」

「クク…フフフ…よぉくこの部屋まで辿り着けたわね…ようこそいらっしゃい…私の研究所へ。」

部屋の奥からそう僕達に声をかけながら現れたのは…。

美しい翼を背にしている一人の女性。

「私は魔幻獣十二魔人の一人鳥の魔人『咲楽さくら』よ。」

「魔幻獣十二魔人!?」

「鳥の魔人だって?」

僕も飛鳥ちゃんもその正体に驚いてしまう。

「そう…そして私は元医者であり…その力を使いここで究極の魔人を誕生させようと日々研究をしているの。」

「研究だって?咲楽と言ったがお前に究極の生物を作らせる訳にはいかん!よってこの研究所事私達が潰してやる!」

「あらぁ?貴方は確か…ダンって言ったわよねぇ?」

「そうだが…それがどうした!?」

「見なさい!あそこでホルマリン漬けになっているのは人型にはなっているけど完成された海洋魔法生物のクラーケン、強そうでしょ?」

「何が言いたい?」

「ほぉら!そしてあそこに見えるのが地上の覇者生物…アークキマイラ、まさに地上では敵無しよ。」

「だから何が言いたいと聞いてるんだ!!??」

ダンさんが激情し問う。

「そして…ほらぁ!皆見てぇ…。」

最奥を指差した咲良の声に僕達はそちらを見るとそこにいたのは。

「「フレアース様!!」」

「マッドサイエンティスト…かなこいつ…」

「みらいさん?マッドサイエンティストって?」

「イカれた医者の事だよ。」

僕達が見た光景それは。

巨大な籠の中に吊るされぐったりしていたのは僕達の大切なフレアース様の姿だったんだ。

お読み下さりありがとうございました!

囚われていたフレアース。

どうなる!?

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