第84話猿の魔人猿弩

みらい達と再会した眠兎。

そして猿の魔人猿弩えんどの登場。

「ダンさん?」

「どっちが本物のダンさんなの?」

確かに僕と飛鳥ちゃんから見たらどちらが本物のダンさんなのか!?

その見た目と声でも本物のダンさんを見分ける事が出来ずにいた。

すると一人のダンさんは僕達に近づいてくる。

そして飛鳥ちゃんの肩に手を触れる。

「俺がダンだよぉ?」

「えっ!!??ち!違うっ!!たぁぁーーっ!」

飛鳥ちゃんが攻撃しようと身構えるとそちらのダンさんは大きくジャンプ!

スタッと着地するとその口を開く。

「ハハッ!俺の能力は凄い能力だろぉ?しかし…眠兎ぉ?お前は俺達十二魔人の中でもよぉっぽど変わり者だからなぁ…こうしてまさか敵と仲良くしてるとはなぁ。」

「なんだよ猿弩!僕が誰と仲良くしたっていいじゃないか?」

「ふぅ~まあいいけどねぇ…でもね!こいつらは俺達の敵でぇーーーっ!」

猿弩はこちらを振り返る。

「俺達の獲物なんだよ!」

僕達は身構える。

「おお……そういやお前が食べたがってたこの森の中のあの木の実は…ぜーんぶ俺が食っといたわ!」

その時!!

眠兎は身体からオレンジの光を発する。

そして眠兎のその表情は更なる怒りの表情と化す。

「猿弩ぉぉぉーーーーーっ!!君の相手は。」

「僕だぁぁぁーーーーーーっ!!!」

処女脱兎しょじょだっとぉぉぉーーーーーっ!!!』

眠兎の身体は見る見るうちに強靭な肉体へと強化されていく。

震える大地!!

二人の戦いが始まる!!

「フン!所詮兎の力など俺の力には勝てぬ!!俺の能力『猿真似さるまね』はただ姿を真似るだけじゃ…ない。」

ごぉぉぉーーーっ!!

激しい音と共に魔力を溜める猿弩!!

ダンさんに変化した猿弩はダンさんの魔力の色、土色の光りを放つ!!

するとゴゴゴと揺れる大地。

「そんな!!?まさか!!??」

「あれは紛れもない私の能力…バカな…。」

そして猿弩は叫ぶ。

「だーいーっ…じしんっ!!!!!」

グラグラと大地は揺れ始める!!

次第に大きくなっていくその揺れにこの場の誰もが立っているのがやっとだった!!

大地は揺れ震える!!!

グラグラーーーーっと凄い揺れがこの大地を揺らしやがてその大地の所々が裂けだす!!!

「皆!!気をつけろ!!」

ダンさんが叫ぶ!!

すると眠兎が口を開く。

「皆!!森の中奥底へ……。」

「走れーーーーーーーーっ!!!!!!」

一気に巨大化した眠兎!!

そして僕!飛鳥ちゃんをその蹴りで森の中へと蹴り飛ばす!!

その足で大きくジャンプした眠兎は今度はダンさんとネージーさんを蹴り飛ばす!!!

「君は!何を!?」

「だまって……とべえええええーーーーーっ!!」

ドオーーーーンという音と共にダンさん達2人も僕達のいる方向へ飛んでくる!!

そして、飛ばされた皆が次々と僕の側に着地する。

僕は眠兎に向かい叫ぶ!!

「眠兎ぉぉぉーーーーーっ!!??」

「みらいーーーっ!!ご飯美味しかったよ!ありがとう!またねぇーーーっ!!!」

そんな眠兎の大声が僕達のいる森の中へ聞こえると次の瞬間ドガーーーーンという衝撃音が聞こえてきたんだ。

僕達は…あの優しい兎、眠兎の気持ちをくみ取り先を急ぐ事にしたんだ。

眠兎視点

「はぁっはぁっ……」

「ふふ…眠兎ぉ……お前は俺達獣人の誓いを忘れたのかぁ?」

「僕にはそんな事今はどうでもいいんだ。」

「まぁ逃げ足だけの兎の力なんて俺達の中でも下級な部類だ…そんな力では俺には勝てねぇぞ?」

「そんな事言っても君だって僕とそんなに変わらない能力じゃないか!?」

「ふふん、それはどうかな?俺の能力『猿真似さるまね』はな…。」

すると猿弩の身体はダンさんからみるみるうちに飛鳥ちゃんの姿に変わる。

「こんな事も出来るのよ!風魔手裏剣!!」

飛鳥ちゃんの身体に変化した猿弩のまさに飛鳥ちゃんの技をコピーした能力は掌に風を起こし次第にその風は巨大な風の手裏剣へと変わる!

「風魔手裏剣ーーーーーっ!!!」

ゴゴゴと轟音を立てた巨大な風魔手裏剣が眠兎を襲う!!!

「うわっ!!やばいっ!!!」

僕はすかさず手裏剣をかわす!!

すると手裏剣は軌道を変え僕に向かってくる!!!

ズシャッ!!!

僕の腕をかすめた手裏剣は飛んでいき消えていく。

僕の腕からは傷跡から血がぽたぽたと滴り落ちる。

「くっ!!」

「フハハ…どうだ眠兎?俺の猿真似はコピーした相手の技をも真似る事ができる!お前の身体能力アップなんかとは次元が違うんだ!!」

僕はその声に何とか立ち上がる。

「猿弩…僕はね……なんとなーくで十二魔人に入ったけどさ…でも…」

「でも…なんだ?」

「でも!僕は平和に!楽しい毎日を!過ごしたいだけなんだーーーっ!!!」

僕の身体は再びオレンジの光に包まれる。

じわじわと僕の身体は軽くなり身体能力か少しづつ上がってきたのだろう。

「なーんどやっても同じ事…そんな能力じゃ…」

猿弩の身体はダンさんの姿に変わる。

土龍爆壁掌どりゅうばくへきしょう!!」

猿弩の足元から土の龍が姿を現し僕と猿弩の間に巨大な土の壁が現れる!!

「どうだぁー!?眠兎!お前にこの壁は破れねぇだろ?皆の良いとこどりできるこの俺の能力こそが。」

土龍が宙に浮くと僕目掛け襲いかかってくる!!!

ズシャアアアーーーーーッ!!!

「最強なんだよ。」

土龍に全身を噛まれる僕の身体。

その強烈な痛みに口から声が漏れる。

「うぐぅぅぅーーーっ!!」

僕の身体を咥えたまま宙を悠然と舞い泳ぐ土の龍。

「ふぅ…じゃあ奴らを追うか……そういや…眠兎の能力も猿真似サルマネしておくか。」

僕の身体は土龍に吐き出され地面にそのまま叩きつけられる。

ドサッ。

「うぐっっっ!!」

地面に叩きつけられた僕!その衝撃で身体はピクリとも動かない。

ザッザッと足音を立て猿弩は僕に近づいてくる。

「さぁて…能力を………。」

猿弩が僕に触れようとしたその瞬間。

ガっと猿弩の腕を僕は握る。

「ググッ!!はっ!離せ!!」

「もう…君は終わりだよ猿弩…僕にはね…もう一つ能力の能力があってさ…君に初めて使うよ?」

「ま!待て!やめろっっ!!」

「さぁ…いくよ…『ウサギニサイモン』」

ぱぁぁぁっと僕の身体は発光して光は猿弩も包み込む。

「うわぁぁぁーーーっ!!??」

猿弩は気がつくと目の前には傷だらけの眠兎がようやく立っていた。

「えっ!?ええっ!?お前…どうして?」

「ふ…知らないよ…僕は君が許せなかっただけだよ。」

「はっ!?」

(いつの間にか猿真似が解けていた…くそっ!俺の猿真似はその相手を見れば能力をすぐ猿真似出来るが真似ていられる時間は五分…もうここには兎しかいない!能力をを猿真似しなければっ!!)

「ははっ!僕がそんな暇を君に与えるとでも?」

「えっ?えっ!?」

「このまま僕とここで寝るんだよ猿弩…。」

フッと気を失った眠兎は猿弩に向かい両足を強化!その力を溜め込むように両足を縮めていく。

そして。

次の瞬間!猿弩の身体目掛け僕の身体を弾丸にした眠兎弾が彼めがけ発射された。

ドガーーーーーーーーンッ!!!!!

見事猿弩は僕の眠兎弾により大破したんだ。

なんとか猿弩を倒した眠兎!

そしてみらい達は先を急ぐ。

お読み下さりありがとうございました!

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