第82話そして世界は…
アースウェル王の最後を知らないみらい達は彼の元へと移動していた。
その移動方法とは!!??
超高速歩行亀に乗りガンガン移動するみらい達!
そうこうしているうちにあっという間にニューエデン城が遠くに見えてくる。
「あ!あれだ!!ニューエデン城!!」
「もうすぐだね!みらいさん!」
「二人とも着いたらちゃんとアースウェル王に挨拶するのよ?」
「分かってるよ!ネージーさん!」
二人とも焦りもあったがこんな面白い乗り物に乗って僅かだが楽しくもあったんだ。
「さぁ!もうすぐ着くぞ。ん…何だこれは?」
ダンさんはそう言いかけると何かに気がついたんだ。
ダンさんの元へ光る何かが届く。
「これは……アースウェル王からの何かか……。」
「ダン…これは……?」
ネージーさんの質問に焦りだすダンさん。
「何かがおかしい!!急ごう!!」
ダンさんの言葉に何かの胸騒ぎがする僕。
亀は城前に辿り着くと僕達は飛び降りる。そして急ぎ王の元へとかける!
そこに僕達の目に飛び込んだ光景とは!?
城内に入った僕達の目に映ったのは恐るべき光景だった。
兵士の遺体がゴロゴロ転がりそこらじゅうの壁には血がべったりとつき。
異臭を放ちそしてあまりにも生々しい光景。
「そんな…これがあのこの国で随一の大大国ウェザルークのニューエデンだというの?」
そう言ったネージーさんの隣に立っている僕達一行。
そしてそんな僕達の目の前にはあまりにも悲惨な光景。
立っていた僕達の中に驚きを隠せない者はいなかっただろう。
「王の元へ…」
そうネージーさんは静かに声を出すと自然に僕達の足もそちらへと向かう。
そして王の間に到着する。
そこに倒れるアースウェル王を発見する。
ボロボロの衣類…あのアースウェル王がここまでの攻撃を受けてしまった事の衝撃。
王の元へすぐさま駆けつけ抱き起こしたのはネージーさんだった。
「王よ!アースウェル王!」
ぐったりと力を無くしネージーさんに抱き起こされているアースウェル王。
「お…おお……ネー……ジー……か?」
「アースウェル王様っ!!一体何が!?」
そして隣にはダンさんが膝まづく。
「アースウェル王…私はダン……王よ…我々がいない間に。」
「おお…お主はフレアースの連れてきた我が力の伝承者か…良かった…最後にどうやら間に合ったようだ。」
「アースウェル王!一先ず治療をしましょう!さ!」
ネージーさんの手を握りそれを拒むアースウェル王。
「もうよい…まずは聞くのだ…この度の事件はやはりあの魔幻獣十二魔人の仕業だ…ここを襲ってきたのは馬の魔人と羊の魔人の二人だ…」
「!!??」
その時風雅の表情は変わる!!
「アースウェル王…その二人はどこへ?」
「兄さん?」
「俺を倒した二人は気を失ってる間に消えていたらしいな…すまない。」
「アースウェル王!それよりまずは回復を!!!??え?」
それはネージーさんの魔法を封じるアースウェル王の魔法だった。
「アースウェル王様!?」
飛鳥ちゃんも僕も回復を試みようとするがアースウェル王の魔法で封じられたのだ。
「よいか…皆の者……俺はここまでのようだ…現魔幻六芒星で頼れるのは風雅を含めた残る三人…だが今の所後世に残した力は水だけだと確認している…だからまずはここで俺の力を土の魔法の伝導者としてダン…お前を俺は選ぼう…」
「アースウェル王…私が貴方の力を……!?」
アースウェル王は力無くもこくりと頷く。
そして手をダンさんの額に添える。
「ダン…君はこのパーティーの中では誰よりも身体が恵まれている…地の魔道士とはパーティーを守る盾の役割を果たさなければならない…魔幻獣十二魔人はその力は恐るべき力だ…だがお前も皆の力を信じこの力を使うが良い…きっと皆の盾になれる。誰よりも優しいお前だから…この……ちか……ら…を。」
アースウェル王はダンさんに抱きかかえられながら彼の腕の中で散っていったんだ。
そしてアースウェル王の魔法の光はダンさんの身体に吸収され消えていったんだ。
「うぉぉぉーーーーーっ!!アースウェル王!!」
ダンさんの叫び声が誰の言葉より大きく今となっては生存者のいないこの城内に響き渡ったのだった。
「ぐすっ!う…うぅぅぅぅっ!!」
「ネージーさん…。」
この中で誰よりも叫びたかったのはきっと君主であるアースウェル王を失ったネージーさんかもしれない。
だけど彼女は静かに泣いていたんだ。
こうしてアースウェル王は僕達の目の前で後世に力を分け与えそして…消えていったんだ。
◇
◇
◇
この世界でのアースウェル王の死はこの地の指導者を失ってしまった。
そして世界規模の何かが起こる事を示唆したであろう事実。
それは奴ら魔幻獣十二魔人達にとってこの世を支配する準備が整った事を意味していた。
◇
◇
◇
アースウェル王は散った。
そして混沌の世界への幕が開けていくのだった。
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