第81話アースウェル王散る
魔幻獣十二魔人の一人馬の魔人ナイトによりアースウェル王は膝をつく。
どうなる!?
◇
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アースウェル王視点
俺の身体は馬の魔人ナイトの攻撃に強烈なダメージを負ってしまう。
「はぁはぁはぁ…くっ……魔幻獣十二魔人とは…まさかここまでの力なのか…ぐはっ……。」
「はっはっは…それはこの俺が強いだけの話だ。俺は馴れ合いを好んでる訳じゃない。」
「ナイトとか言ったな…貴様…そこまでの力を持ちながら何故…奴らに組みする?」
「ん?ただこうして奴らの元にいれば強いヤツと戦える…俺は強者と戦う。それこそが俺の目的だ。」
「ならば我々と共に戦う方が強者と戦えるのではないか?」
「「!!??」」
その言葉に驚いたナイトと蘭樹は俺をじっと見ている。
「アースウェル王…貴様何を言ってるのだ?自分が何を言ってるのか分かってるのか?」
「そうよ…この後に及んで今更寝ぼけないでよ!」
「そうかな…俺はこれでも一国の王でもある…民を見る、そして人を見る目も合わせて持っている…そしてお前達二人からは何故か…あの魔幻獣十二魔人達の禍々しい気をあまり感じないのだ。」
すると蘭樹は苦笑いしながら応える。
「ふん!貴方に何が分かるっていうの…私達は魔幻獣十二魔人のれっきとした一員…この世界を私達の世界に変える為に今ある全てを無に変えるの。」
「世界を無に…それがお前達の狙いか…だがそれなら益々俺達と共に戦わないか?」
俺はそう問いかけてしまっていた。
「馬鹿な事言わないで!それに私はもう人間…ではない。」
そう言った蘭樹の表情は悲しげだったのだ。
「お前はあの男を愛しておるのだろう?」
「それは貴方には関係ないはずよアースウェル王。」
「それならあの男と共に我々と平和な世界を作りそれであの男と幸せになればいいではないか!?」
俺がそう言った時。
蘭樹の表情は少しだけ幸せな表情へと変わった気がしたのだ。
するとその時…突然蘭樹は苦しみ出す。
「はぁっ!!うっ!!」
蘭樹は驚きの声を上げるとその身体は小刻みに震え出す。
「蘭樹!?」
するとナイトはまさかの行動に出る。
蘭樹を抱きかかえると彼女に優しく声をかける。
「大丈夫か?」
「え…ええ……大丈夫…よ……ナイト。」
「お前にはあの方の呪いがまだ強く残っているのだ…無理はするな…。」
「ありがとう…ナイト…」
蘭樹はナイトにしがみつく。
それは俺の目から見てもまるで恋人同士の様な光景。
「お前ら…」
「蘭樹…このまま何かをここでなさなければお前の呪いは悪化するかもしれん…ちょっとここで待ってるんだ。」
蘭樹をそっと横にするナイトは再び槍を構えひざまづいた俺の前に立つ。
キラリと光る槍は俺にトドメを刺す準備が出来たように見える。
「アースウェル王よ…個人的な恨みはないが…お前が蘭樹の心を乱そうとすると呪いに苦しむ蘭樹は悪化してしまう…俺は蘭樹をこの命かけて守る!!その為にはお前を断つ必要がある。苦しまぬ様…。」
ナイトの光る槍は輝く。
「魔槍よ…これで決めるぞ……」
先程同様炎と氷が槍先に集まる…。
「二極創成炎氷連撃……さらばだアースウェル王。」
炎と氷を纏った突きは連撃となり俺を襲う。
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ところ変わりここはアースウェル王の元へ向かうみらい達。
「結構…進んできたがアースウェル王の元まではやはり遠い…。」
「ええ…でもこれでも早い方よ!何しろこの大陸はこの世界最大なんだからね!」
ダンさんとネージーさんのやりとりは相変わらずだ。
すると僕達の前に突然現れたのは巨大な大岩だった。
「あれっ?あんな所に大きな岩があるんだけど?」
「何言ってるのみらいさん!そんな訳…ってあったぁ!!!」
僕が大声をあげると大岩は動き出す!
そして僕達の顔を覗き込んだのはあの時兎の魔人と出会った時の亀だったんだ。
「あれ!君かぁ?こんな所でどうしたの?」
すると何故か僕の頭に亀の声が流れてくる。
(ああ…君かぁ?みんとをここまで運んできたのはいいんだけどはぐれてしまって…ここでのんびり待ってたら君が現れたって訳さ!)
「そっかぁ…僕達急いでいるんだけど君を放置してく訳には行かないよなぁ。」
(そうだ!君が良かったらここより涼しいとこまで案内してくれないかなぁ?)
「え?いいよ!その代わり僕達を背中に乗せて貰えないかな?」
(いいとも!皆に乗ってもらって!)
「ありがと!皆ーーー背中に乗ってだってえ!」
「亀の背中?…いつ着くことやら。」
「みらい!ふざけてる場合じゃないぜ!」
そう、ネージーさんと風雅は知らない。
この亀が超高速歩行亀だということを!!
亀になつかれたみらいだったがこれはと思い亀に乗りアースウェル王の元まで行く事にする。
超高速歩行亀に乗る僕達。
そして僕達を乗せた亀は進撃を開始する!!
「いっけぇーーー!!亀ーーーっ!!」
僕が大声をかけると亀はどんどん進んで行った。
そして再びここはアースウェル王の城ニューエデン城。
アースウェル王の身体はナイトの更なる猛攻撃により最早…動かす事もやっとの状態だ。
アースウェル王視点
(目も霞み…身体のあちこちが震えて思うように動かん…これは最早……俺も。)
「はぁはぁはぁ…俺はこの国の王アースウェル…例えこの身が朽ちようとも最後までこの力を我が思いの為に使おう。」
アースウェル王は手からぽォっと光が発し。やがてその光は意志を持つかのように飛び去るのだった。
(ゆけ…俺の土の意志を継ぐダンの元へ。これでいい。)
「アースウェル王よ…貴様…何をした!?」
「ふっ…俺の最後の光は相応しい者の元へ飛んでいった…これで思い残す事はもう……。」
こうしてアースウェル王の最後はその力をある者へ送り召されたのだった。
◇
◇
◇
その頃みらい達は先を進む。
「ん!?」
「どうしたのダンさん!?」
僕達が歩いているとふとダンさんが立ち止まる。
「いや…まさか……な。」
ダンさんが感じとった何かとは!?
◇
◇
◇
アースウェル王散る。
そして力を託されたダン。
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