ユメカナッ！！本編

第80話アースウェル王ＶＳ馬の魔人ナイト

アースウェル王はマントをひるがえすとその右手を前に出す。

アースウェル王視点

「行け！ゴーレム…そこの魔人を捉えるのだ！！」

「ほう…この場でゴーレムとは…世界の土の魔道士としては俺の事をあまくみてるのではないか？」

ナイトはそう言うと槍を構える。

「はぁぁぁーーーっ！！」

ガキンッ！！！バキッ！！ドゴッ！！！

ナイトの数回に渡る連続の突き！！

槍による衝撃は俺のゴーレムの身体を貫いていく！！

一突き一突きが重く！そして早い！！

しかしゴーレムはその身体は土である。よって土の力で身体の再生を繰り返しながらもナイト目掛け突進していく！！！

俺はゴーレムに魔法を施す。

「ゴーレム…性質変化……硬化！！」

ゴーレムは腕を振り上げその右手は次第に土から石！石から何かに変化し硬度を上げていく。

「なにっ！！？？」

「ふふ…俺の力は大地を揺るがす事だけではない…いくぞ！！」

ゴーレムの腕！そして拳はその性質を変える！！

「ダイヤモンドナックル！！！」

ドガーーーーーーン！！！

ゴーレムの拳は見事にナイトの顔面を強打する！！！

ナイトの口から血が零れその身体は吹き飛んでしまうほどの威力！！！

ドゴッ！！バキッ！！！ドガーーーーーーン！

後ろの壁に叩きつけられ見るからにダメージを負うナイト！！！

「ぐふっ！！！」

するとその光景を悠然と見ている蘭樹の姿。

「さすがぁ！やるわねアースウェル王。」

「ほざけ！次はお前が相手だからな！俺は相手が女だからと容赦はせん！！」

「あらぁ？どうかしら？ナイトぉぉぉっ！」

蘭樹の声に瓦礫を跳ね除け立ち上がるナイト。

「ふぅ…さすがは世界の魔道士の一人よな…少し本気でいくぞ。はぁぁぁーーーっ！！」

ナイトの身体は光り出す！

そこへ俺のゴーレムは更なる攻撃を加える！！！

「そうはさせるかーーーっ！！」

ゴーレムの拳が思い切りヒットする！！！

ドゴォォォーーーン！！！

「ん！！？？」

「くく…くくく………どうやら貴様のゴーレムもここまでの様だな。」

その瞬間…ヒットしたように思えたゴーレムの拳！すると腕からゴーレムは砂と化しサラサラと崩れ落ちる。

あれよあれよと砂になるゴーレム。

こうしてゴーレムは消滅してしまったのだ。

「そうそうアースウェル王よ…貴様の硬化能力…俺の前では意味の無いものだ…。」

「なんだ？その力はアンチマジック…なのか？」

「フン…俺は馬の魔人…そう能力はホースマジック…能力の一つは魔法をかき消す能力そして恐るべきもう一つの能力がこれだ。我が槍へ纏え炎よ！」

ボウッ！！！

ナイトの槍の先に炎が現れ巨大化する！！

「魔法剣か！？」

「ホースマジック！！爆炎突き！！」

炎を纏ったナイトの炎槍攻撃！！！

ボボボッ！！！

炎の力を加えた突きがアースウェルを襲う！！！

「ふん！！魔法剣なら抑えるのは容易い！これでどうだ！土流爆壁！！！んっ？」

「どうしたアースウェル王？壁を作るんじゃないのか？？」

「くっ！？アンチマジックか！？ならば！！」

俺の土龍はゴゴゴっという音をたて炎を土壁で覆う。

「…魔法が使えるだと？そうか…俺のアンチマジックは魔力をゼロにする能力…それでも能力を使った力は…生命力か…。」

「フン！お前達相手に魔力がないのであれば自分の魔力を使う為には己の生命力を魔力として使えばよい！！」

「ほぉ…さすがは世界の魔幻六芒星の魔導士…と褒めよう。」

「ぬかせ！俺の土壁の前ではどのような魔法剣も通用はしない。」

「ほぉ…ならば我が極めしこの攻撃ではどうだ…。」

「我が槍に纏え風よ…。」

「何っ！！？？お前は風属性も操れるのか。」

轟々とナイトの槍先に集まる旋風。

「土は風に弱い！くらえ土の魔道士！！風月突きーーーっ！」

ドドドという爆音と共に発せられた風を纏う突きは俺に向かい放たれる！！

「くっ！！うらあああーーーーーっ！！！」

バフッ！！！ドシャァァァーーーーッ！！！

土壁が見る見るうちに巨大化し風の突きを塞ぐ！！

しかし半端では無い風は徐々に土壁を壊しつつあった。

「ぐ…くくっ！！どんどん土はボロボロになってくぜぇーーーっ！！」

「ググッ…しかし俺の土はこれだけでは終わらぬ！！」

「硬化ーーーーーっ！！！」

シャキーーーーーーン！！！

その音と共に土は一瞬で硬化し見るとそこにはダイヤの壁が現れたのだった。

「なにっ！？馬鹿な！！？？」

「フフ…これが俺が世界の土の魔道士と言われる力だ…どんな攻撃でも俺の土の前では全く歯が立たんのだ！！」

すると見ていた蘭樹はパチパチと手を叩く。

「本当に凄いわ…土の魔道士アースウェル王…貴方がいる限りこの地は中々私達の手には入りそうもないわ…。」

「はぁはぁ…くっ！？」

俺は突然目眩に襲われ膝をついてしまう。

「あら？どうしたのかしらぁ？」

俺は弱々しくも蘭樹を見ると…彼女はじっと俺をニヤリと見ているのだ。この戦況を見ているだけなのだろうか？それとも何かしらの能力を使おうとしているのか。

思わずその不気味さの意味を考えてしまう。

「はは…流石は世界のアースウェル王とは言える力は持っているようだ…これは本気を出さねば中々手こずりそうだな…。」

シャキンッ！！！

ナイトはそのキラキラと光る大槍を再び構える。

「我が名はナイト！魔幻獣十二魔人の中でも一番の槍の使い手…そしてこの槍で貫けぬものはない…これならどうだアースウェル王…二極創成…魔法剣…。」

ボっと音を立て槍先に炎を纏わせる。

「それはもう見た…そんなものは効かぬぞ…。」

「ならば…」

なんとその瞬間！！

ナイトの槍先には炎を纏わせたまま隣には氷を発生させたのだ。

「なにっ！！二極性魔法だと！！まさか！！？？」

俺がそう言い放った瞬間！！！

「アースウェル王…どんな硬度だろうがこの攻撃なら防ぎようがないぜ！氷炎魔槍！！！！！二極突き！！！」

バババーーーーーッ！！！

凄まじい音と共にナイトの槍から炎と氷の魔法が混じり合う突きが俺の全身を襲ってくる！！！

「ええいっ！！これならどうか！！？？ダイヤモンドウォール！！！」

俺の生命力をかけた魔法！！

ゴゴゴーーーッと激しい音と共に発生するダイヤモンドの硬度の土壁を作る！！！

バキバキバキーーーーーッ！！！！

ダイヤの壁に二極エネルギーの突きがぶつかる！！

その衝撃で爆風と爆音が響き渡る！！！

「うぉぉぉーーーっ！！！」

「アースウェル王…流石だな。だが…これならどうだ…ホースマジック…アンチマジック。」

ナイトの能力が俺の魔法能力をかき消してくる！すると身体中の魔力が瞬時に消える。そしてフッと全身から力が抜ける。

バキンっ………。

脆い音が聞こえた時だった。

ダイアの壁に亀裂が走る！！！

そして俺の身体をナイトの槍が無数に貫いたのだった。

硬度が高いダイアの壁はサラサラと土と化し崩れ落ちる。

そして。

「ぐはぁっーーーっ！！！！」

槍の攻撃により貫かれた俺の身体から血が吹き出す…そして俺は力無く膝をつく。

俺が感じているのは強烈な全身の痛み。

そして力が抜けていく。

視界は掠れ耳は聞こえづらい。そして言葉もままならなかった…。

◇

◇

◇

馬の魔人ナイトの猛攻撃により深手のダメージを負ってしまうアースウェル王。

どうなってしまうのか！？