第79話新たな刺客
ここはニューエデン。
そう呼ぶ者もいればアースウェル王国と王の名でこの地を呼ぶ者もいる。
それだけアースウェル王とはこの地でそしてこの世界に影響力を持つ王の名だ。
そんな彼は隣国ウェストハースの消滅を知りそして唯ならぬ状況に更に隣国イーステン国の状況も把握すべきと考えていた。
「おい!イーステンには使者は向かったが大丈夫そうか?」
「いえ…まだ何とも……ですが何と我々の使者よりも先にイーステンからの使者という者が先程到着いたしました!」
アースウェル王は思わず立ち上がる。
「ここへ早急に呼ぶのだ!!」
「はっ!!」
兵士は早速イーステンからの使者を玉座に連れに行く。
するとすぐに入ってくるイーステンからの使者。
ところがその様子はあられもない姿であった。
傷つきすぎたであろうその身体、フラフラで何とか我が国の兵士に肩を貸され魔道士に治癒魔法を掛けられ続けながらアースウェル王の元まで招き入れられる使者。
アースウェル王もその様子に危機感を覚える。
「ア…アース…ウェル王よ…。」
「おお…そなたはイーステンから来たのだな?」
彼のその強固な鎧にはイーステン国家の刻印が示されていた。
「は…はい……我が国も…ウェストハース同様…敵の脅威的な奇襲にあい…そして我が国王は敵に立ち向かいましたが…敵はあまりにも強固で恐るべき力を持つ…魔幻獣十二魔人…国王自らも立ち上がりましたが…全てを葬られました。」
「そうか…。」
アースウェル王はそう呟くと声を上げる。
「その者を手厚く介護するのだ!!そして城門前へ全ての騎士団を集めよ!!」
「「はっ!!」」
アースウェル王はこの緊急事態に後手をとぅてはならないと実感する。
隣国ウェストハースの壊滅、そして今度はイーステンまで。
この世界の中心都市となるこのウェザルーク大陸の壊滅は世界規模の事態に陥ってしまう。
政治的そして世界的にもそれはあってはならない事なのだ。
故にここで今立ち上がらなければならないという事実にアースウェル王に焦りも見えていた。
「ネージーよ…そして皆の者……風雅を復活させ…助力をいただきたい。」
これはアースウェル王の本音であっただろう。
そう呟いた時。
突然城内に激震と大声がこだまする!!
「「うわぁぁぁーーーっっ!!」」
「「て…敵襲だ!!!」」
この時。
アースウェル王の嫌な予感は的中してしまったのだ。
「うわぁぁぁーーー!!!」
自分のいる王の間に近い所で大声が聞こえる!
アースウェル王は扉を開け大広間に出ると一階の大広間を玉座のある二階から下を見る。
するとそこには馬の胴体をした鎧の騎士の姿と妖艶な雰囲気を漂わせる羊毛の様なもので身体を覆った女魔道士の姿を見つけてしまう。
「何者だ!!??」
アースウェル王は二階から叫ぶと二人の敵は襲っていた兵士にトドメを刺し王を眺め見る。
「あーら…アースウェル王…そこに居たのね。」
女魔道士はそう言うと杖を一振りする。
その瞬間…突然アースウェル王の身体は二人の前に瞬間移動してしまう。
「はっ!!??これは一体。」
「私は魔幻獣十二魔人の一人…蘭樹…そして。」
「俺は同じく魔幻獣十二魔人馬の魔人『ナイト』だ…よろしくなアースウェル王よ。」
王の前に悠然と立つ二人。
「貴様らが隣国ウェストハースとイーステンを壊滅させたのか?」
「よく分かったわね…そうよ…私達の世界を作る為に今までは様子を見ながら大人しくしていたけど…ちょっと状況が変わってね…もう実力行使でこれからは行く事に決まったって事。」
「何っ!!??」
「まずは小国を壊滅させてじわじわ攻めようと思っていたけど…裏切り者のお陰でそれはパァ」
「それは…邪馬国の事で……あの風雅の事か?」
アースウェル王がそう問い構える。
「よく分かったわね…でもね…フレアースはもうこちらの手中…彼女には世界を滅ぼす魔獣兵器としてもう暴れてもらってるわ!!」
「なにっ!!??」
「いくら風雅を味方につけてもフレアースはこちらの兵器…そしてこの地はここを滅ぼせばもう世界は私達魔幻獣十二魔人の物になった様なもの。」
「そうは行くか!!行くぞ魔幻獣十二魔人!!今こそ魔幻六芒星の一人として世界の為にこの力を解放させる!!」
アースウェル王は身構えると光りを放っていく。
その力は恐るべき力!!
大地は揺れ次第に裂けそして土の裂け目からゆるりと姿を現していく巨人。
「何よそれ……」
「どうやらゴーレムの様だな…ここは俺が相手する。」
蘭樹に代わりその大槍を構えるナイト!!
「勝てる?」
「当たり前だ…俺の騎士道に負けの二文字は…
。」
「ない…!!」
四足で飛び出すナイト!!
次の瞬間ゴーレムの巨大な拳はナイトをとらえたかに見えた!!
ガキーーーーーンッッ!!!!!
そしてアースウェル王とナイトの戦いは始まった!!!
◇
◇
◇
アースウェル王の国、そしてアースウェル王を遂に襲いに来た魔幻獣十二魔人!
一体どうなる!?
お読みくださりありがとうございました!
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