第72話蛇の魔人ミスリル

みらいの力…それは、あの死の頂点モンスターとも呼ばれるデスドラゴンとの死闘に誰もが為す術なく立ち尽くしている中…その中の一人…南雲みらいはデスドラゴンを相手に立ち向かう。

みらいは力を解放…どうなるのか!?

「やった…のか?」

ダンさんのその言葉に皆が僕を見ている事に僕は気がついた。

「これが…僕の力……。」

僕は思わず自分の掌を見ている。

すると飛鳥ちゃん達が僕の方へ駆け寄ってくる。

「凄いです!やっぱりみらい君は凄いです!」

「みらい…その力……。」

飛鳥ちゃん、ダンさん、そして、ネージーさんは僕の元へ寄ってきて褒めたたえてくれている。

そんな中…フレアース様は一人深刻な顔をしていたんだ。

「フレアース様?」

僕がそう言うとフレアース様はハッと我に返る。

「あ…ああ!すまん!少し考え事をな…。」

僕に何かを考えるフレアース様。

やはり何かを感じたのだろうか…。

「よし!皆、ここであのデスドラゴンが出てきたという事は我々の目的地は近いということだろう…気を引き締めていくぞ。」

僕達は頷くと先へと進むのであった。

地下どれくらいであろうか…デスドラゴンの後はピタリとモンスターの出現がなくなり…そして僕達の目の前には巨大な門が聳え立っていたのだった。

ここは…なんという場所なのだろう……僕が現代の知識から抜粋すれば正に地獄の門…日本ではこの先には閻魔大王がいて…なんて設定だったりするのだけどそこまでの日本感はないのだけど…。

すると僕達にネージーさんが声をかけてくる。

「皆さん!ここが…ドワーフの神殿の入口…死者の魂は、この地下神殿に送られ…そして地獄の番人と呼ばれる『ケルベロス』が魂に裁きを下すと言われている場所です…もちろん死者の魂と呼ばれる存在にならないとこの門は通れないと言われていますが……言い伝えによると…ここはドワーフ族とエルフ族が遥か昔に創り残してきた場所…つまり…その血を引く私がこの扉を開ける事ができるのです。そして奥にはケルベロスがいると聞いてます。」

「なんと!?」

「そんな事が…。」

僕もフレアース様も驚きの声を上げてしまう。

「兄さん……。」

飛鳥ちゃんもやっとここまで来たんだ。

すると僕達の背後から何者かの声が聞こえる。

「ふふ…ふふふっ…………。」

「誰だ!?」

ダンさんがその者に大声を上げる。

ダンジョン最下層で何やら怪しい声が辺りに響き渡る。

ズズッ……ズズズと地を引きずる音が聞こえる。

「なんだこの音は…足音…ではないのか!?」

「ふふふっ…足音じゃないか…僕のこの素敵な足音…素敵でしょ?」

僕達が振り返るとそこには足はすっかり蛇の身体に人の身体が着いてる!

想像いただけるのであればあの蛇の怪物メデューサ!!

正にそんな会話のできる怪物が僕達の背後から近づきながら声をかけてきたのだ。

「メデューサ!?」

僕は思わずそう問うとその怪物は歩みを止め口を開いたんだ。

「ふふふっ…僕をそんなタダの怪物と一緒にしないでよね…こう見えて僕はあの魔幻獣十二魔人の一人、蛇の獣人『ミスリル』。」

「魔幻獣十二魔人!?」

「こんな所に敵か!?」

僕とダンさんが身構える。

すると『ミスリル』が笑い出す。

「ふふ…ふふふっ…君達さぁ…ここに僕達の裏切り者の風雅を復活させに来たんでしょ?」

『ミスリル』のその言葉に皆ドキリとしてしまう。

「もちろん…そんな事はお見通し……なんなら君達の仲間とかも僕達の中ではもう…『敵』として見ているからね…だから今から…風雅復活の邪魔…をさせてもらうね!!!」

その時!!

ゴゴゴと大地は揺れだしグラグラとその地の揺れは徐々に大きくなっていく!!

「くっ!?」

「たあああーーーーーっ!!」

ダンさんはいち早く『ミスリル』に向かい飛び出す!!

「へぇ…勘は良いみたいだね……でもそれでこの僕をやれるとでも!?」

『!!』

『ミスリル』が手から放った光にダンさんの足は石化されてしまう!!!

「ぐあああああああああああっ!!??」

空中のダンさんは足を石化されそのまま地面へと落ちてしまう!!

「ダンさんっ!!??」

ネージーさんはダンさんの元に駆け寄り身体を起こすと魔法を唱えている!!

「へぇ…『アースキュアー』を使うつもりなの?させないよ。」

『ミスリル』はネージーさんに向かい何かを放とうとする!!

「させないよ!!風よ…僕に力を……」

緑の光が飛鳥ちゃんの身体を包み風を起こしていく!!

「へぇ…風ねぇ…やってみればいいよ…風雅の風だって僕には効かなかったんだしね…。」

そう言い放つ『ミスリル』が不敵な笑みを浮かべている。

「効かないかどうか試してやるっ!!」

「風磨手裏剣!!!」

飛鳥ちゃんの放った風の手裏剣が徐々に大きくなり『ミスリル』に向かい飛んでいく!!

「やったぞ!あれなら!!??」

「きっとあの技なら!!」

フレアース様も僕もそう確信した…と思ったんだ…。

「えっ!?」

ドゴッっっという音と元に飛鳥ちゃんの後方よりミスリルの尻尾が地面から飛び出す!!

「飛鳥ちゃん!!!」

次の瞬間!!

飛鳥ちゃんの身体は巨大な蛇の身体に締められていたのだ!!

「くっ!あああーーーっ。」

次の瞬間…ミスリルはニヤリと笑みを浮かべた。

最後の門の前にはなんと!!あの魔幻獣十二魔人の一人『ミスリル』が待ち構えていた!

そして何者かが僕達の前に姿を現す!

どうなる!?

お読み下さりありがとうございました!

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