第73話ミスリルの脅威
僕達の前に立ち禍々しいオーラを纏わせてるミスリルは飛鳥ちゃんの技を軽くいなしてしまう。
「くっ!?」
飛鳥ちゃんがそう叫ぶとミスリルはニヤニヤと笑みを浮かべている。
「ふふ…ふふふ…しかし貴方達も運がないね……ここで魔幻獣十二魔人の中で最も執念深い僕を相手にしなきゃならないなんてね…。」
飛鳥ちゃんはミスリルによって身体を締め上げられ苦痛に顔を歪ませている。
「うあああぁぁぁっ!!」
「やめろ!!」
「まて!みらい!!紅蓮の炎よ…我が力を示せ…。」
その時!!
フレアース様の炎は煌めき自身の身体に纏わせる。
するとミスリルはふと真剣な顔つきになる。
「へぇ…あの炎の魔道士が僕の相手をしてくれるんだね…僕はあのファノタウルスとは違うから気をつけてね…。」
「言ってるがいい…。」
フレアース様はそう言うとミスリルはニヤリと笑う。
「何がおかしい!!貴様っ!!」
ダンさんが怒りを露わにし石化した足を引きずり飛び出そうとする!
「待て!ダン!!」
フレアース様の言葉にダンさんの動きが止まる。
「フレアース様?」
フレアース様はふぅっと息を吐くと言葉を続ける。
「いいか…ダン初め皆…目の前にいるのは、あの魔幻獣十二魔人の一人だ…ここは私が相手をする…皆…手を出すんじゃない。」
フレアース様の表情を見るとこの敵が本当に強敵な事が分かる。
僕たちが動かずにいるとミスリルが声をかけてくる。
「へぇ…さすがフレアースだね…僕の強さが余程分かるみたいだねぇ…」
「ぬかせ!いくぞ!!炎の魔導士と呼ばれる私が相手だ!!」
こうして僕らの目の前でフレアース様とミスリルの戦いの火蓋は切って落とされたんだ!!
◇
◇
◇
辺りはメラメラと炎が吹き上がりフレアース様は炎を纏い煌々と燃え上がる!!
この最終形態の様なフレアース様の進化版を見るのはこれが初めてだ。
目の前の敵が強敵である事が伝わってくる。
すると…僕の身体にもじわじわと熱が伝わり徐々に汗ばんでくる。
「フレアース様…凄い。」
「ああ…この最終形態こそがあの…魔幻六芒星の強さでもある…今フレアース様は力の根源である炎の魔人となり得てるのだ。」
「フレアース様凄いな。」
ダンさんもネージーさんもフレアース様の変貌振りに驚愕している。
その瞬間!フレアース様は飛び出す!!
フレアース様は炎となりミスリルに超スピードで向かっていく!!
すると手を数回組み替えるミスリル。
「あれは…」
ダンさんの言葉に僕は問いかける。
「ダンさん知ってるの?」
「ああ…あれは土魔法の中でも特殊な魔法…私の考えがあってるとすれば…フレアース様!!」
ダンさんがそう声を上げるとフレアース様の目の前の足元からボコボコっと地面が割れ石が盛り上がってくる!!!
「くっ!?こんなもの!!」
フレアース様が手を振りかざすと炎は目の前の石壁を燃やそうと大きく包み込む!!
石は次第に赤く熱され砕かれそしてドロドロと液化しそれは溶岩へと変貌していく。
「ほぉ…僕の技を溶かすとはねぇ……だが……。」
ボココボコッ!!!
どかーーーっ!!!
フレアース様を背面の地面から湧き出す石のしっぽはフレアース様の背中を襲う!!!
「くっ!!これならどうだ!!」
フレアース様は後ろを振り返り両手を組む。
「フレアバースト!!!」
ボオオオッ!!!
フレアース様の周囲から炎が吹き出しミスリルの石のシッポを焼き払う!!!
「ん?……。」
するとミスリルは一言呟くと燃えてる自分のしっぽを石化させボロボロとしっぽは粉々に砕け散る。
「くっ!流石化け物だな。」
「ふん!化け物と言うならお前もだがなフレアース。」
僕達が息付く暇もない程の二人の戦いにただ見ているしかない僕達。
「こんな戦いがこの世界にあるのか。」
「確かに…二人は物凄いハイレベルな戦いをしているわね。」
ダンさんとネージーさんも二人の戦いにただ見ているのだった。
「ではこれならどうだ。」
禍々しい力を放つミスリルは今度は黒い霧を吹き出す!!
黒い霧はフレアース様を飲み込んでいく。
「ブラックザブリザード!!」
黒い霧はやがてカチカチな冷気を発し出す!!
そして中にいるフレアース様を冷気で攻撃し始める!!
「なにっ!?冷気だと!?」
「くっくっく…僕が貴様の弱点を攻撃しないとでも思ったのか!?」
ミスリルはそう言いながらニヤニヤ笑っている。
そして徐々に黒い霧の中からは冷気が外にも漏れ出す。
「これは…みらい君!ネージー!冷気は私が防ぐ!!おおおおおーーーっ!!!」
サラマンダーの獣人であるダンさんの本来の力が今解放される。
ダンさんの炎は僕達の周囲にもバリアを張る!!
「
地面からどこここっ!!と轟音が響くと炎を纏った土龍が飛び出し黒い霧を食らっていく!!
「なにっっっ!?」
最後に土の龍はミスリルに向かって飛んでいく!!
ドガーーーーーン!!!
大岩にミスリルを地面ごと食らった土龍が激突していく!!
辺りには石つぶてが吹き飛びそれと共に爆風が舞う。
「やった……か?」
黒い霧から脱出できたフレアース様が呟く。
辺りには立ち込める爆風の跡しか残ってはいなかったのだった。
そして倒れていた飛鳥ちゃんを介抱する。
「飛鳥ちゃん!?」
「ん……みらい君…ありがとう……。」
「無事で…良かった。」
こうして僕達はミスリルを倒したかに見えたのだが。
◇
◇
◇
魔幻獣十二魔人の一人ミスリルはダンさんの技により消滅したかに見えた。
何とか無事助け出せた飛鳥。
そして不穏な不気味さを残しつつ。
お読みくださりありがとうございました!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます