第68話エルフの女王
僕達がドワーフの洞穴の向かいし先…そこにはドワーフ王国が存在しているのかと思っていた。
しかしその先にあったのはなんと…様々な精霊族が暮らす国家…エルフの女王が統治している『エルリアーナ』という街が存在していたのだ。
今正に僕達の目の前には絵にも書けないほどの美しさであろう女王…エリーン様が玉座にかけている。
「エリーン様…火の魔導師フレアース様一行をこちらへ連れてまいりました。」
ネージーさんの挨拶に女王はニコリとこちらに笑顔を見せ口を開く。
「よくぞ…ここまでこられましたね…さぁ…顔をお上げなさい…。」
美しさに見合うその優しさと癒しを兼ね備えた声に僕達はゆっくりと顔を上げていく。
耳は先が長くでも全てが美しいの一言で尽きるその美貌に僕は思わず見とれてしまう。
「エリーン様…我が王アースウェル王様の伝言です。」
「あの人が…?…そうですか…聞きましょう。」
「はい…この者達…フレアース様含めこの一行を我は王という立場ゆえ存外に扱ってしまった事を詫びて欲しい…そしてこの者達の助けになってやって欲しい…地上では今の現状そうもいかぬ故…よろしく頼む…との事です。」
するとエリーン様はその瞳を潤ませ僕達に優しくそして…哀しみの目を向けてくる。
「そなた達…アースウェル王に幽閉されてしまった…との事…そなた達の…魔幻獣達と戦ってきた功績は聞いてます…故に…ドワーフ王アースウェルに代わり私が非礼をお詫び致します。」
エリーン様は深々と頭を下げる。
「いえ…エリーン様…お顔をお上げください…私もその様子を見て初めは驚きもしたが誤解はとうにとけているのです。」
フレアース様はそう言うと深々と頭を下げる。
「ありがとうフレアース…そしてここからは私がそなた達の力になりましょう。」
これで僕達は風雅復活の為の行動が出来るようになったのだ。
◇
◇
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僕達を見てエリーン様は手を叩くと数名の兵が奥から何かを運んでくる。
「エリーン様?これは?」
フレアース様が質問をするとエリーン様は運ばれてきた何かを手に取る。
「いいですか?これから話す事をお聞きください…それはこの地のドワーフ族に伝わる『蘇生』の為の話です。」
そしてエリーン様は話し始めたのだった。
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この地に伝わる伝説。
蘇生というのは特別な物…人は生まれ成長し…そしていつかは死す……これは生命の運命でありそうそう覆す事はできないのです。
それは生命ならばどんなものでも…。
それに伴い一度死した生命は二度とその炎が再び灯る事はないのです。
ですが稀に神…の力を借り蘇生という力を使える事もありえたりもする。
それは奇跡というものにも匹敵するもの。
ドワーフには太古より大地の精霊の力を使い蘇生が行われる事もあったといいます。
これはドワーフに伝わる伝説の話。
ドワーフの地中最奥にあるという黄泉の神殿…そこは太古から伝わる蘇生が行われたという場所であるのです。
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「いいですか?その場所へ行くにはこの国の地下迷宮からしかいけないようになっています…ですが…地下に降りれば降りるほど数多の強力な魔物が棲みついていると聞いてます…あなた方が魔物を打ち倒し風雅復活を果たすのです。」
僕達誰しもがその話を真剣に聞いている。
飛鳥ちゃんもダンさん…そして僕とフレアース様も風雅の為にここまで来たんだ!
「エリーン様!本当に此度の件感謝しております!風雅を復活させ…私達も無事戻ってきます!」
するとエリーン様はニコリと笑顔を見せる。
「ネージー…そなたもこの者達の為に一緒に着いていくのですよ。」
「えっ?エリーン様?」
「道案内もそうですが…神殿の開門にはドワーフの血を引くそなたの力も必要となるはず…いいですか?」
「わかりました…。」
僕達はキョトンとネージーさんを見ている。
「皆様…話してませんでしたが実は私はドワーフとエルフの両親を持つ両方の種族のハーフでもあるのです。」
「そうなんだ…。」
僕は改めてネージーさんを見ると確かにエルフの長い耳とドワーフの凛々しさを兼ね備えてるようにも見える。
「ネージーさん!改めてよろしくお願いします!」
「分かったよみらい君!そして皆様もよろしく!」
ネージーさんは凛々しくもニコリと笑顔で僕達に声をかけてくれる。
僕達一行は一先ずの休憩をとらせてもらいそして…翌日。
◇
◇
◇
「皆さんおはようございます!昨日はゆっくり休まれましたか?」
「うん…ありがとうネージーさん!」
僕の声ににっこり安堵の表情を浮かべるネージーさん。
するとダンさん、飛鳥ちゃんも合流する。
そして待ちかねた顔をしたフレアース様がマントを携え門で待っていた。
「おお…きたか!?」
「「はい!」」
僕達は気持ちを新たにドワーフの地下神殿へと向かう事になったんだ。
◇
◇
◇
ドワーフの地下迷宮に向かう一行。
果たしてどんな冒険が待っているのか!?
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