第67話ドワーフの洞窟そして。

アースウェル城より移動する事約半日…ネージーさんの話を聞くとアースウェル王も実はドワーフである。

そしてドワーフの王国を築き現在のアースウェル国家がある。

「ネージーさん!本当にありがとうございました!」

僕は改めて御礼を伝える。

「いやいや…本来ならば濡れ衣の様なもの……フレアース様のあの判断は流石と言えます。」

「アースウェル王の王としての当然の配慮だ…だがこうしてネージー殿を我々に仕えさせてくれる事…王の配慮が施されてる…さすが奴だ

…昔アースウェル王がまだ王の座に着く前は同じ魔幻六芒星としても随分一緒に冒険等もしたものだよ。」

「フレアース様!結構仲が良かったのですね?」

ダンさんもフレアース様の知らぬ過去に口を開く。

「ああ…炎と土ってのは大分相性もいいのでな…性質も私達の性格にも沿ってるのかもしれぬな…。」

「じゃあお兄様とはどうなんでしょうか?」

飛鳥ちゃんの質問ににこりと笑うフレアース様。

「風は私を助ける存在であるからな!風雅は私の力を倍増させる力であったよ。」

「なるほど!さすがはフレアース様!だからこそ…お兄様を。」

「ああ…風雅は私の弟みたいなものだしな。」

フレアース様も飛鳥ちゃんも嬉しそうだ。

やがて僕達の目の前は徐々に明かりが乏しくなっていく。

「ここからは更に地下へと入っていくぞ?」

ネージーさんのその言葉に僕達も後を追っていくのだった。

こうしてドワーフの洞穴の最奥目指し進んできた僕達…やがて巨大な扉が見えてきた。

「あれは?」

僕達が問うとネージーさんは口を開く。

「ここには精霊族だけの街があります…そして更に奥に神殿がそびえて立っているのだ。」

巨大な扉の前には兵士が並びその扉の門番として扉を守っているようだ。

ネージーさんが兵士に話しかけるとドワーフの門はゆっくりと開いていく。

扉の奥に広がる街並み!

ここは歯車を動力に使い機械類なども動き電気もどこかに使われているようでエネルギーをもここで発電されているようだ。

誰がこんな地下にこれだけの街があると予想したであろう…ネージーさん曰くここはドワーフ、リザードマン、そしてエルフ精霊族と呼ばれる種族だけの国家が存在しているのだという。

「おお…本当に……凄い。」

「エネルギーも作られているようだ。」

ダンさん、そして僕も飛鳥ちゃんもこの光景には驚かずにはいられなかったのだ。

僕達はきっと凄く目を輝かせていたのであろう…ネージーさんは声をかけてくる。

「地上の国よりここの方が多種族がいるのだよ?」

「そうなんですね!この街は本当に凄いです!」

「さ!皆…後でゆっくり見物するといい…まずは風雅復活の為に…行こう。」

「実はここはアースウェル王の妻であり元…エルフ族の王女であった『エリーン』様が統治されている国なのですよ。」

「「ええっ!?」」

「なんと!?」

僕達は驚きの声が隠せなかったのである。

「アースウェル王は地上を治めているが妻エリーン様はこの地下王国を治め…ここは地上とは違い精霊族しか住んではいない平和な国なのです…だからここは精霊族しか知らない国…地上では戦争やら争いも起きる事も考えられるがここは平和そのもの…アースウェル王はこの国をエリーン様に任せ自分は地上を守っているのです。」

「なるほど…さすがはアースウェル王だ……。」

フレアース様がそう言うとネージーさんは僕達を城門前まで誘導してくれたのだ。

「さぁ…行きましょう…この国の女王…『エリーン』様の元へ。」

こうして僕達はエリーン様の待つ王の間へと案内されたのだった。

王の間へと続く道…この国の兵は二種類の兵がいるようで…表には屈強なドワーフの兵士が数多くいて、そして中にはエルフの女性兵士が並んでいるのだ。

「これが真のこの国の国家ですよ…ドワーフとエルフの統制で成り立たせている国家…凄いでしょう?」

「ああ…しかも女王には人望もあるのだろうな…国民が平和そうな顔をして生きてるのが分かる。」

フレアース様は笑顔で答える。

僕が見てもそれは分かる…平和な国は笑顔の人々が多い。

「そんなこの国を私は心の底から守りたい…その為なら私もこの命をかけれるのです。」

そう言ったネージーさんはこの国の騎士の見本とも思える人だ。

「では…この国の王である『エリーン』様に謁見していただこうか?」

ネージーさんの後に続き僕達は王の間へと入っていく。

兵士が立ち並び僕達は女王の元へ歩いていく。

やがて僕達は女王の王座へとどんどん近づいて行く。

王座には綺麗な装飾に身を包んだ美しいエルフの王女様が座っている。そしてネージーさんは跪く。

僕達もそれにならい跪く……。

「お顔をおあげなさい……。」

僕達はゆっくり女王に目を向ける。

そこにおられるのは…この世の美貌を独り占めしたかの様な美しく煌びやかなエルフの女王『エリーン様』だったのだ。

エルフの女王エリーンとの出会い…果たしてどうなるのか?

お読みくださり本当にありがとうございました!

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