第55話サイリスの怒り。

ダンさんの技が風雅に向かい放たれる!!

そこには風を身体に帯び技をいなそうとする風雅の姿があった!!

ダンさんの巨大な斧は風雅の身体を捉える!!

風雅の風と斧のぶつかり合う衝撃音は凄まじい音を辺りに響かせる!!

「うおおおおおっ!!!」

ダンさんの叫びはその力を更に増大していく!

やがて風雅の足はジリジリと後ろに押され始める!!

「くっ!!こいつ…パワーはあのファノタウルスという化け物と互角かそれ以上か!?」

風雅の身体は更に押され遂には風雅の身体を吹き飛ばす!!

「うおおおおおっ!!風雅よ!!眠れ!!」

ダンさんが叫ぶと風雅に巻き付く風は止みそしてその身体は吹き飛ばされていく!!

うああああああっ!!

辺りに風雅の叫ぶ声が響き渡る!!

そして風雅の身体は後ろにあった巨大な建造物を風雅事破壊したかの様な衝撃!!

ドカッ!!ドガガガーーーーーッ!!!

ドゴーーーーーン!!!

辺りに凄まじい音と爆風がおきる!!

ガラッガラガラ

風雅の吹き飛んだ先の巨大な建物が衝撃と共に破壊されそしてその残骸がボロボロと崩れ落ちる音がする。

「凄いよ!ダンさん。」

僕の声に皆も唖然とその光景を見ている。

「兄さん凄く強くなったわ。」

サイリスさんのその言葉にらいとも満足そうに返事をする。

「そうだな!流石ダンさんだな。」

すると突然風雅の飛んだ先に風が集まっていく!!

ダンさんはそれを見逃さず斧を構え突撃していく!!すると突然ダンさんは吹き飛ばされる!!ダンさんの巨大な身体は勢いよく吹き飛ばされダンさんは何とか着地をしその先の風雅を見据える。

するとどごッッッ!!と瓦礫の山が吹き飛びそこから獣の気配がする!!

「がるるるるるっ!!」

そしてその声と共に巨大な緑色に光る虎が現れたのだ!!

「あれが…風雅??」

「そうみたい…だな。」

サイリスさんの声に答えるらいとは変わり果てた風雅の凄まじい力を見逃さなかった。

そこに姿を現したのは緑色の毛に覆われた巨大な虎の風雅だったのだ!!

その凄まじい力は辺りの小石等が風雅の周りを吹き荒んでいたのだ。

「兄さん!!!」

飛鳥さんが叫ぶが巨大な虎の耳には届いていないようだ。

するとどこからともなくバサッバサッという羽音が聞こえてくる。

その姿の方を見るとそこには大きな翼を持つ女性の姿があった!!

「あれは??」

僕の言葉に応える沖田さん。

「あれは…以前僕の前に現れた十二魔人の一人で鳥の魔人か。」

すると鳥の魔人は風雅の目の前に降り立ちこちらに声をかけてくる。

「へぇ…沖田という坊や…こんなにお強いお友達もいたのね。」

「な!?お前はあの時の!?」

「しばらく見ていたけど、どうやら今のままの風雅では貴方達相手では負けてしまうかもしれないと思ってね…この風雅の獣化は私からの貴方達へのプレゼントよ。」

鳥の魔人はそう言うと不敵に笑っている。

「お前が風雅をモンスターに!?」

僕がそう言うと鳥の魔人はこちらを見ながら話しかけてくる。

「あら…でもね……こんな能力はアタシにはないの…何ならこの能力の持ち主を教えてあげても、いいわよ。」

「なんだと!?」

沖田さんの言葉に鳥の魔人は口を開く。

「その能力は今では私達の仲間…羊の魔人『蘭樹らんじゅ』の能力よ。」

「「なにっっっ!!」」

僕達は一斉に口を揃えてしまう。

まさか…風雅の大切な人は今では十二魔人の一人になってしまったと言うのか…。

しかも蘭樹さんの能力で風雅はこんなモンスターに!?

すると皆が動揺する。

そして鳥の魔人は話を続ける。

「もうそこの虎もそして虎の事を慕っていた羊もあたし達の下僕になったって訳!?分かる!?あーッはは!あーーっはっははは!…。」

ズシャッッッ!!

シャキンッッッ!!

すると高笑いしていた鳥の魔人は一瞬凍りついたような顔をする!!

鳥の魔人が振り返ると一本の槍が頬をかすめ後ろの壁に突き刺さっていたんだ。

「えっ!?」

鳥の魔人が自分の頬を流れる血を指で確かめる。

「あ…ああああああっ!!」

突然の鳥の魔人の叫びを僕達は聞いていると槍の主の声がする。

「サイリスさんっっ!!??」

サイリスさんはらいとの脇から槍を鳥の魔人目掛け投げつけ突き立てていたのだ!!

「貴女…鳥の魔人だったっけ?」

サイリスさんがそう問うと鳥の魔人は頬を抑えぷるぷると震えている。

「な…なによ……これ………。」

鳥の魔人はその手を見ると赤い血がその目に映る。

「なによ!!これぇぇえええ!!!」

自分の顔に流れる血を見てキレだす鳥の魔人。

それに対しサイリスさんは静かに応える。

「愛を知らない貴女に風雅と蘭樹さんの事を笑う資格はないわ。」

鳥の魔人の卑劣な言葉に怒りのサイリスさん。

お読み下さりありがとうございました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る