第53話ダンさんの力
風雅対みらいとダンさん…らいとが皆を庇い負傷した今!戦えるのは現在この二人である。
◇
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風雅はその身体に風を巻き込み今まさに大技を放とうとしている。
蘭樹を思いその力で邪馬国の破滅へと追いやろうとする風雅!!その姿はまさに鬼と化してしまっている。
渦巻く爆風を纏う風雅!
その力は莫大で風はドンドン大きくなっていく。
そのヤバさに気づく僕達の思いは虚しく更に荒れ狂う風雅の爆風!!
「くっ!?あの風はヤバいぞ!!」
「らいとさん!どうしたら!?」
らいとはヤバさに気づき口にするとサイリスさんはらいとに聞き返す!
「くそっ!?俺が土の技でも使えたならワンチャン…もしや!?。」
らいとがそう言うと何かを思い出し口にする。
「おい!飛鳥!?」
飛鳥ちゃんはらいとに呼ばれ驚き答える。
「は、はい!なんでしょう?」
「飛鳥は、土属性の技は使えないのか!?」
らいとのその問いに飛鳥ちゃんは首を横に振り答える。
「すみません…私も風属性を極めようとして…土属性はちょっと…どうしても相反する魔法を高めようとすればどちらかは本当に赤子のように力は消えていくと聞いておりましたし。」
「他に土属性は誰か!?」
らいとは他に聞いても皆首を振るばかりだった。
すると、サイリスさんが答える。
「らいとさん…大丈夫!ここのメンバーで土属性が使えるのは…兄のダンです。」
「なるほどな…頼んだぜ!ダンさん!!」
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恐るべき力を持つ風雅を目の前にしているみらいとダンさん。
「みらい君…前回の戦いで私は自分の無力さを感じてね…今回は全く違う私の力をみせよう。」
「えっ!?ダンさん…?」
私がこの一年只々やみくもに修行してきた訳じゃないんでね…。
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◇
「師よ…私をどうか更に強くして欲しいんです!!」
ダンさんはフレアース様の小屋で大声をあげたんだ。
「ダン、気持ちは分かる…サラマンダーの獣人お前がその長所を活かしてパワーアップしたい気持ちは分かる…だが。」
フレアース様の言葉はそこで一旦途切れる。
「だが…なんでしょう?」
「いいか?ダンよ…人には向き不向きというものがある…。」
「サイリスもそうだがサラマンダーだから炎が一番向いてる訳ではないしな、だがサイリスは『水竜の槍』を使いこなそうと今は弱点であるはずの『水』を克服しようと修行している。」
「なら私は!?私はどうなのでしょうか!?」
勢いよくくってかかるダンさんにフレアース様は溜息を吐き答える。
「ふぅ…確かにダンの炎もパワーが加われば攻撃としては強い…だがこの先ファノタウルスクラスの敵を前にしたならきっと…」
「きっと…なんですか?ハッキリ言ってください!?」
「きっと…負ける。」
ダンさんはフレアース様のその言葉にショックを隠せないようだった。
「これは…炎の精霊との結びつきの話になるのだが…私はこの世に生を受けてから炎の魔法を研究、そして極めようとしてきて今があるのだが。」
フレアース様は続ける。
「強さを追い求め続けた私が最終的に辿り着いた答えなのだが…炎の強さにおいては精霊との結びつきで扱う者の強さが決まるのだ。」
ダンさんはゴクリと唾を飲み込むと続きを待ったんだ。
「答えは早く出し次に備えよ!」
フレアース様の言葉にダンさんは考える。
確かにこれでは誰もが分からない答えである。
「私の精霊との結びつきを数値化しよう、私は100パーセント、そしてあのサイリスは90パーセント…私にも迫りつつある、水龍の槍が使えそうな力はこのパーセンテージが影響してる面もあるのだ。」
「では…私はどうなのでしょうか?」
ダンさんはそう言うとゴクリと唾を飲み込んだ。
「ダンは…残念ながら……20パーセント…だ。」
師のその言葉にショックを受けるダンさん。
(どおりでファノタウルス戦では、あのザマ…か。)
ダンさんは悔しくて思わず地面の土を握りしめる。
「ダン…だが、お前には体術がある、それを進化させていけば…」
フレアース様はダンさんの気持ちを察し、途中で話をとぎらせた。
「師、フレアース様!私は火の魔導師の貴女の弟子でありながらもこの始末…」
頭を地面に擦り付け必死に泣き叫ぶダンさんがいたのだが誰もがこの姿を想像出来ないであろう。そう思った一人がフレアース様であった。
「ダン…。」
「フレアース様!!私は火では!あなたを越える事、もしかしたらサイリスにも抜かれるかもしれない…これからの戦いが想像もつかない様な戦いがあるとすれば私の力は無力だ!!」
涙を流し震えながらもそう叫ぶダンさん。
するとフレアース様の手はダンさんの肩に触れる。
「ダン…人間得意不得意は誰にでもある、お前はこれからだ…。」
◇
◇
◇
「みらい君!皆!!見ててくれ!ここからが私の本当の出番なんだ!!」
ダンさんの一言は重く皆の心に届いたに違いない。
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◇
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お読み下さりありがとうございました!
ダンさんの力は覚醒するのか!?
風雅攻略の鍵にダンさんはなれるのか!?
お読み下さりありがとうございました!
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