第51話風雅の野望とは!?

恐ろしい風雅とその配下の三人の魔獣はとんでもない力を見せた!だけど僕達も負けてはいなかった!

傷つきながらもそして今は僕の大親友らいとの姿もここにあるんだ!もう風雅に負ける訳にはいかないんだ!!

銃天の最後を見た風雅は周りを見渡し今の現状を見ていたんだ。

「もう…これ以上戦う理由は無いはずだ風雅。」

そう風雅に言ったのは沖田さんだった。

すると沖田さんに気が付き彼に向かい歩き出す風雅…。

「にい…さん……。」

その姿を見て呟く飛鳥さん。

風雅は沖田さんの目の前まで行くとその口をひらく。

「ああ…そうだなぁ…こんなにも俺の邪魔ばかりされてはな…。」

「にい…さん?」

飛鳥さんが風雅に近づいて行こうとする!

すると突然風雅は両手を上げ魔力を溜める!!

徐々に風が巻き起こっていくと次の瞬間巨大な竜巻が現れる!!

そしてなんとその中心には飛鳥さんが捉えられていたんだ!!

「兄さん!!??きゃあああっ!!」

竜巻の中心から外に向け飛鳥さんの声が微かに聞こえてきたんだ。

そして笑い出す風雅。

「あーっはっはっは!!飛鳥よ、どうやら今こそ俺の役に立つ時がきたようだな!?」

「何をしてるんだ風雅!?」

沖田さんが叫ぶとこちらを見て風雅は話し始める。

「沖田よ、飛鳥は俺の邪魔をしにきたから閉じ込めただけだ。」

「それなら僕をやればいいじゃないか!?飛鳥ちゃんまでまきこむんじゃない!!たった一人の妹じゃないか!?」

沖田さんの言葉に溜息をつく風雅。

「ああ…沖田よ、お前は昔から分かってないな…」

「なにっ!?僕は君といい友で良き戦友だと思っていたんだ…それが、これは一体何の真似だ!?」

そう言った沖田さんに風雅は語り始める。

「いいだろう…俺に何があったのかを特別に死にゆくお前らに聞かせてやろう。」

「あれはそう…魔幻獣十二魔人がこの国に責めてきた時の事…お前はこの江渡守えどのもりに残ったが俺は那珂へと向かった。」

那珂はこの邪馬国で最も西にあり、貿易としても盛んな国だった。

そしてそんな那珂が何と魔幻獣十二魔人の手により窮地に立たされていた。

俺はそんな状況である事を聞き、すぐに俺の暗部部隊に那珂を救う要請が出て俺は那珂へと向かったのだ。

「隊長!隊長は魔幻獣十二魔人をどうみてますか?」

我が部隊の副隊長である蘭樹らんじゅは俺に質問を投げかけてくる。

蘭樹は俺の部隊で唯一の女で有りながらもその実力は俺を除けば一二を争う実力者であった。

「おお!蘭樹か?」

「隊長…暗い顔してますけど大丈夫ですか?」

蘭樹は俺の顔を伺うように声をかけてくる。

「ああ…大丈夫だ、心配かけてすまん。」

「いえ…隊長には私がついてます。」

俺達はそんな話をしながらなんとか那珂なかに辿り着くと俺達の部隊の目の前に見えてきたものは恐ろしい光景だったのだ。それまでに何度か行ったことのある那珂なかではあったが俺達の目に映ったのは南国の綺麗な海の温かで穏やかな島国であったのだが今はもう海はどす黒く光り木々はボロボロに朽ち果て様々なもので廃墟と化していた。

「なんだ…これは、地獄絵図か?」

俺がそう呟くと先に飛び出した蘭樹の声が聞こえる!!

「隊長!?来てください!!」

俺を呼ぶ蘭樹の声の方へ急ぐと目の前には恐るべき力を感じる大男が立っていた。その男は見ると身の丈は三メートルはあるかに見え巨大で見てるだけでも恐るべき力を放っていたのだ。

「隊長…あの男は危険すぎます!私でもあの圧倒的な力の前で先程から恐ろしいほど身体が震えています。」

蘭樹を見ると確かにその身体は身震いが止まないようだった。

(これは…やばい…風の魔道士と呼ばれこの邪馬国の首都である江渡守えどのもりの近衛兵団の暗部隊長のこの俺でも感じるあの男の圧倒的な力…。)

俺はその力のあまりにも凶悪で恐ろしさにこの邪馬国の滅亡を予感した程だ。だが俺達がその男の闇の力に堕ちる瞬間はすぐさま訪れたのだ。

俺が気づいた瞬間…俺は暗闇へと落ちたのだ。目を覚ますとそこは見知らぬ洞窟の中…気づくと俺の目に映ったものはボロボロにされかろうじて生かされている蘭樹の姿だったのだ。

「蘭樹ぅぅぅ!!!」

俺は叫ぶと蘭樹の元へ走ろうとするがボロボロになった身体は思う様に動かず走ろうとするも足がフラつき身体から崩れ落ちてしまったのだ。

ズささっ!!

その場に倒れ込んでしまう俺が目を見開くと倒れる蘭樹の奥の王座に深々と腰掛けゆっくりと飲み物を飲みこちらを見ているあの男の姿があったのだ。

男の唯ならぬ威圧感におされながらも俺は這いつくばり身体を前へ前へと進めやっとの思いで蘭樹の傍に辿り着くと彼女を抱き寄せる。

「蘭樹!蘭樹!!」

俺は叫ぶが口の端から血を流す彼女は力無くグッたりし俺の腕に全体重はのしかかっている。

すると大男が口を開く。

「その女…お前が気づくより早く目を覚ましたのでな…声をかけたらお前を守ろうと私に襲いかかってきたのでな…大人しくしてもらったのだ。」

なんて事だ…俺が不甲斐ないばかりに蘭樹を危機にさらしてしまったのだ。俺が奴を睨むと奴は続ける。

「今更言うのもなんだが…お前もこの女も、もう俺の呪縛の囚われの身だ。今後は俺の為に働いて貰う事としよう。」

「何っ!?それはどういう事だ!?」

「その女の腹を見てみるがいい。」

俺は蘭樹の服をそっと上げるとヘソの周りには不可思議な一文字が刻まれていたのだ。

「何だこれは!?」

「その呪印はこの俺の血により刻まれた刻印…よってこれよりその女は俺の忠実な下僕と化したのだ。」

大男はそういうと右手を上げていく!すると徐々に蘭樹の身体は軽くなり蘭樹はその眼をゆっくり開きながらその身体を起こしていく!

「な!?なんだ!?」

俺は慌て蘭樹を見ていると彼女はすっかりと立ち上がりそしてゆっくりと大男に向かい歩き出す!そして大男に寄り添い彼女はニコリと微笑む。

「なっ!?」

「ふふ…そう焦る事はない…私の力によりこの女を支配したのだ…つまりこの女の生死は私の思うがまま、という訳だ。」

男はそう言うと立ち上がり俺に提案をしてくる。

「さぁ…男よ…どの道、お前の力では私を倒す事など皆無…この女の生命も私の望むがままだ…私の部下になるか?…いや…これは命令だ…部下になり我が役に立つのだ。」

男はそういい…俺に邪馬国の支配を命じたのだ。

風雅はそこまで話すと…風を徐々に巻き起こし始める!!

「風雅!!??」

沖田さんが叫ぶと風雅の風は一段と増し強くなっていく!!!

「お前達は…この地、邪馬国と共に消えてくれ!そして俺の願いはっ!!」

風雅がそう言い放った瞬間…風雅の起こした風がその身体を巻き込み包む。

そして光り輝きその光は増し辺り一面が光で見えなくなったんだ。

白い光とそして無音の世界に辺りは包まれた。

風雅の光の風に辺りは静寂に包まれた!

一体どうなって、しまうのか!?

お読み下さりありがとうございました!





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