第49話希望の力、それは…

銃天の猛攻撃により僕の視界には爆風が立ち込めていたんだ。

辺りは徐々に爆風が止み爆撃によりボロボロに崩れ去る壁やその残骸が姿を表していく。

僕が皆の様子…そう、特に皆の盾になろうとしていたサイリスさんの様子を見ようと目を凝らしていくとそこに見えてきたのは……。

あれ?

僕は立っているサイリスさんを見るとそこには巨大な氷が張られ一人の男が彼女を守るように抱きしめていたんだ。

「えっ?だ…誰!?」

僕がそう言うと氷はパリんっと音を立て崩れ落ち二人の姿が現れたんだ。

男の姿は金色短髪で、身体は鍛えられた筋肉、背格好は僕とあまり変わらない…でも…あれは…あれは!?

「らいとーーーーー!!??」

僕は目から自然に涙が溢れてくる、そして僕を見つけ手を振るらいと!

「おう!!みらか!!久しぶりだなあ!!」

僕は思わず嬉しくて手を振る!!

するとらいとに抱きしめられていたサイリスさんはらいとにしがみつきぅぅぅっと泣き出す。

「らいとさん!!らいとさああああん!!うわああああああんっっっ!!」

「おいおい、サイリスはいつも泣いてるなあ、、、」

サイリスさんにそう言うらいとは相変わらずのようだ。

「だ…誰が泣かせたのよ…ぅぅぅ。ぐすっ。」

サイリスさんがらいとにしがみついていると爆風が止んだ先に見えたのは無事な姿の皆だった。

「らいと!遅いぞ!あはははっ!!」

「らいと君おかえり!!」

レイオールもダンさんも嬉しそうに笑っている。

すると僕に沖田さんから声がかかる。

「みらい君!!あの方は?」

沖田さんがそう言うと隣にいた飛鳥さんが何かを思い出したように言ったんだ。

「あれ?……あっ!?あの時の人!?かな?」

飛鳥さんは考えると言葉を続ける。

「ん~やっぱりあの人だ…拙者を無事に船に乗せてくれた…。」

すると飛鳥さんに気がつくらいと。

「おう!久しぶりだな!って、この状況はみらい達をここまで連れてこれたのか!?」

「あ!はい!そうなんです!あの説は本当にありがとうございました!」

飛鳥さんはお礼を言ってるみたいだ。

しかし、今はそんな状況ではない、僕が気がつくと皆の頭上で攻撃をする為に待ち構えていた銃天の姿だった!!

「お前らは、どうやら我々を舐めているらしいな…このまま全員仲良くあの世で話してろ!!??」

そういう銃天のパワーは今まで以上に増幅し、やばい事だけは僕にも感じたんだ。

「あれは…やばい!らいと!!」

僕が叫ぶとらいとはにこりと微笑んだ。

「えっ!?」

僕は、らいとの笑顔を見て思った。

「らいと…変わってないや。」

僕の中で嬉しくなり彼は風貌ふうぼうこそ変わったけどらいとだと確信した。

そして僕が気づくとらいとはいつの間にかサイリスさんを抱きかかえ皆の元へ届けていた。

顔を赤らめているサイリスさんの頭を撫でたらいとはレイオールに耳打ちし何かを伝える。

次の瞬間銃天は叫ぶ!!

「くらえええええっっ!!」

風銃砲撃ふうじゅうほうげき!ラストバズーカ!!』」

銃天の恐るべき力は先程までとは格段にパワーは上がっている!!

ドゴーーーーーーン!!

凄まじいその攻撃は辺りに閃光が走り周りの有機物は塵と化し消え去っていく!そしてその風圧も先程よりも更に激しい。

やがて銃天の攻撃が収まるとレイオールのバリアとサイリスさんの氷で張った壁はその攻撃をもろともしなかったのだ。

すると見ていた銃天が口を開く。

「バリアか…フフ、だがいつまで持つか何度でも食らうがいい!!」

立て続けに砲撃を放つ銃天の猛攻撃!!

次々とバリアに向け攻撃が当たりドガンドガンっと爆音と爆風は止まらない!!

一瞬パワーを貯める為銃天が攻撃をおさめ爆風が止むと中にいたらいとはバリア内からコンコンっと壁を軽く叩く。

「お!いいね!いい強度だ!さすがレイオールとサイリスの力だ。」

すると、らいとに声をかける飛鳥さん。

「あ、あの…らいとさん…何してるんですか?」

「ん?ああ…皆に何もないようにバリアの壁の強度をみてたんだ。」

「は…はあ、そうなんですね?」

すると更に銃天の猛攻撃は続く!!

「いつまで耐えれるか!これでもくらえ!!」

更なる猛追にバリア内は激しく揺れ皆は焦ってくる。

「あの…らいとさん、拙者があいつを倒してきます!!」

そんな中、我慢しきれなかった飛鳥さんが飛び出そうとする!!しかしそれを止める沖田さん。

「待つんだ!飛鳥!」

「えっ!?でも沖田さん!!」

「きっと彼には何か考えがあるんだ…待とう。」

その間どんどん銃天の猛攻撃がバリアにあたる!!

すると何かに気づいた銃天は一度その攻撃を止める。

「えっ!?」

「らいと…さん?」

飛鳥さんとサイリスさんはその光景に一言漏らすとただ見つめる事しかできないでいた。

「らいと!!」

「らいと君…さすがだ。」

レイオールが叫ぶとレイオールの肩に手を添え頷くダンさん。

「あれが…凄いな彼…。」

沖田さんはそう問いかけてくると僕は沖田さんに答える。

「うん!あれが僕の最強の大親友…。」

「らいとだよ!!」

らいとの身体はバリアを飛び抜け一瞬で銃天の目の前に姿を現していた!!

すかさず銃天は構え超至近距離からの砲撃の連射!!

ドガガガーーーーーんと爆発が起こり爆風でその場は見えない状態だ!!

すると聞こえる銃天の声!!

「あーーーーーっはっはっはっはーーー!!!こんな近距離で食らわせてやった!!!跡形もなく消え去ったぞーーーーーー!!!」

銃天の声がこの場に響く!!

すると…次第に銃天のその目には平然としたらいとの姿が現れる。

「な…なに………!?」

らいとは目を閉じその姿は緑に輝いていく。

その光景を僕の目の前にいる最大の敵である風雅も見ているようだ。

らいとの姿を見るとその手には何かが握られていた。

「さて、じゃあ今度は俺の番だな…。」

ニコリと笑うらいと。

らいとは緑色に光り輝いてその手には刀程の大きさの手裏剣を握っていたんだ。

「いくぞ…武神ぶしん……『風魔手裏剣ふうましゅりけん』」

らいとのその技は、見ているだけで凄まじい力を感じる技だった!!

果たしてどうなる!?

お読み下さりありがとうございました!







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