第48話絶望から希望へ

風雅がこの場所に現れたおかげで戦う事に余裕がなくなった弧薙と銃天、二人は攻撃の度合いをフルにし僕達に襲いかかる!?

サイリスさんを捉えた弧薙は彼女の喉元目掛けその鋭い牙で襲いかかる!!

ズシャッ!!

鋭い音は弧薙の牙がサイリスさんの喉元に噛み付いた音なのか!?皆がその光景を目の当たりにしていると…やがて彼女は動かなくなったんだ。

「サ…サイリスさああああんんんっ!!!」

僕が叫ぶとサイリスさんの身体はグッたりと動かなくなったんだ。すると突然弧薙は驚き何かを吐き出す!!

「おええええっ!!ごえええっ!?ブハッ!!」

やがてぷるぷる震えながら叫ぶ弧薙!!

「だ…誰だ!?俺様にこんなくだらねえ事した奴は!?!?!?」

怒り狂乱する弧薙!!するとフラフラしながらも技を放っていたダンさんの姿があったんだ。そしてサイリスさんの身柄を自分の元に寝かせると叫んだ。

「私の妹をそう易々と貴様の餌食にはさせん!!」

「ダンさん!?」

僕がダンさんに声をかけるとダンさんはにこりと笑いかけるも弧薙から受けた傷は深いらしく跪く。

「がはっ!!くっ!!だが…ここは私も踏ん張らせてもらうぞ!!」

ダンさんの元へ駆け寄り僕は回復を試みようとするが何かがおかしい。

「あれ!?回復が…しないみたいだ。どういう…」

僕がそう呟くと敵さんは大笑いをしたんだ。

「あーーーっはっはっはっ!!こいつはおもしれえなあ…」

「何っ!?何がそんなにおかしい!?」

僕が睨みそう返すと弧薙は笑みを浮かべながらその口を開いたんだ。

「お前らが本当に必死で笑えてな…くく、まあいい、お前らの全滅は決まった事だが一ついい事を教えてやろう…、俺の呪いの瘴気『魔吏音まりおん』は吸った者に呪いをかけ意識を奪い我が操り人形とする能力だ、その男の身体一瞬は自力で動かせたようだがもう、俺のものだ。」

弧薙はそう言うと突然薙刀を構える!!

「食らうがいい!!そして仲間の力によって全滅するがいい!?」

弧薙が叫ぶと突然起き上がるダンさんと飛鳥さん!!僕が焦っていると後ろから飛んでくる何かに気が付き慌ててかわすと後ろから前方に飛んでいく鉤爪付きチェーンは後ろから攻撃してきたレイオールの物だった!!

「皆!?しっかり!?」

僕がそう叫ぶと聞こえる沖田さんの声!!

「みらい君!!ここは僕の風で抑えてみせる!!」

「沖田さん!?」

沖田さんは身構えると刀を翳す!!

「天然理心流…花鳥風月。」

沖田さんから放たれた風は三人の身体に向かい流れ込んでいったのであろう…三人は動きを止めると膝をつき動かなくなってしまったんだ。

「沖田さん!?」

「ああ…みらい君…僕の技で一時的に三人は動けなくしてある。頼む…弧薙を。」

そう言うと沖田さんは未だ魔力を放出しているようだ。

僕は彼に頷くと弧薙に走り向かっていく!!

焦る弧薙に向かい走りながら魔力を溜める。そして…僕の黒い魔力は空間を支配していく!!すると空間から何者かの巨大な腕が現れる!!

「な…なんだ…あれは……。」

弧薙はその腕を見るとガタガタ震え出しその声は震えていた。

僕の闇から出した強大な腕は弧薙の身体をガシッと捕まえる!!

「がはっ!!やめ…やめろおおお!!??」

弧薙は叫び辺りに奴の叫び声だけが響く。

「君は…やりすぎたよ…もうさよならだよ。」

僕は一言呟き指をパチンッ!!

巨大な闇の手に捕まっていた弧薙はそのまま空間の中に消え去ったんだ。

「みらい君!?」

「みらいさん!!凄い!!」

サイリスさんと飛鳥さんは僕に声をかけてくる。

すると徐々に僕の身体から黒い霧が消え去っていく。

「二人とも、もう大丈夫だよ!」

僕が振り返るとそこに立っていたのは何と、あの風雅だったんだ。風雅が僕をじっと見ながら立ち尽くしている。

「兄さん!?何してるの!?」

飛鳥さんがそう問いかけても僕を見ている。

「な…なんだよ…僕に何かあったのか!?」

「ふふ…いや、実に面白いな君は……」

そう言った風雅はマントを空に放る!!すると残った銃天が空から沖田さん達目掛け攻撃をしようと構えていた!!

「あーっはっはっはっはーーー!!お前がどんな攻撃をしようと風雅様に勝てるわけなかろう…その前に数匹くらい我が風で仕留めてやろう!!くらえええええっっ!!!!!」

(やばい!あいつの攻撃は確実に皆に当たるんだった!!)

そこで立ち上がり皆の攻撃を一人で受けようとするサイリスさんの姿があったんだ!!

僕が構えると目の前に風雅の姿が!!??

「僕は久しぶりに敵と認識する奴が現れたよ…。君だ。」

風雅はそう言うと風を巻き起こし僕と風雅の周りには光るバリアが張り巡られたんだ。

「くっ!!??サイリスさんっ!!皆あああーーーーーーーっっっ!!!」

僕が叫ぶとドカーーーーーーーーンンン!!という恐ろしい爆音と共に目の前の爆風が巻き起こる!!!!!そしてやがて聞こえてくる銃天の声がする。

「あーーーっはっはっはっはーーーー!!やりましたよ!!風雅様!!我の風で他の奴らは皆殺しです!!特に…盾になろうとしてたこの女……。」

「サイリスさーーーーーん!!」

空に僕の叫び声が響いていく!僕の耳にはシン………と辺りが静まり返り皆の全滅を感じた気がしたんだ。

風雅にの力により動けなかったみらい。そして他の仲間達の行方は……。

お読み下さりありがとうございました!




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