第47話絶望
僕達の前に現れたその恐ろしい魔物の群れ。するとその後ろから半端ない魔力を秘めた何者かが現れたんだ。
「ふふ…これは、いい風が吹いてきてるじゃないか?」
その男を見て僕の後ろから声がする。
「ふ…風雅……なのか?」
僕の後ろから声を上げたのは沖田さんだったんだ。
沖田さんは痛む身体を何とか起こし立ち上がりゆっくりその足を風雅の元へ向ける。
「沖田…さん。」
僕が一言呟くと飛鳥さんも風雅の力に気が付き目を覚ましたみたいだ。
「に…兄さん……。」
飛鳥さんの声に僕は言葉を躊躇する。
すると風雅はにこりと笑うと口を開く。
「あれ?そこにいるのは知ってる奴らだな…俺は視力を失ったけど聞き覚えのある声がするよ。」
風雅はそう言うと右腕を上げる!!
「お前ら総動員でこの国を…」
そして右腕を振り下ろし…呟いた。
「潰せ…。」
うおおおおおおーーーーーっっっ!!!!!
風雅の軍隊は総動員で街になだれ込む!!
ヤバい!!皆傷つき倒れているのに…こんなのもう…無理……だ。
◇
◇
◇
ダンさんと飛鳥さんは何とか起きようとしている…レイオールもサイリスさんも…そして沖田さんも……。すると高くそびえ立つ監視塔の上から声が響いた。
「皆の者…私の声を聞け、この国を私は守って見せる!!だから…風雅を、頼む。」
その声はこの国を『絶対幻覚技』で阻んでくれている西の都の主、
そうだ、まだ諦めるのは早かったんだ。
僕は何とか身を起こし立ち上がる!すると皆もゆっくりと立ち上がる。
でもこの絶望的な状況に変わりはなかった。
すると銃天と弧薙は僕達の前に出てそして風雅の前に膝づき声にする。
「風雅…様…貴方様の到着迄に片付けれず…誠に申し訳ございません。」
「早急に始末しますので少々お待ちください。」
二人の言葉に風雅は考える表情をする。
「お前らか…そういえば鉞狸はどこだ?あの巨大な魔力を感じないのだが…。」
すると銃天は気を失った鉞狸を指さしたのだ。まるで見えているかのように鉞狸の元へ歩き出す風雅、すると風雅は歩きながら指をパチンと鳴らした。その瞬間…鉞狸の身体の周りに風が舞う…。
ズシャ!!ズシャシャシャ…。
一瞬で鉞狸の巨体は微風により細胞の一つ一つまで切り刻まれ…そして……この世界から消え去ったんだ。
その光景を見ていた銃天と弧薙は焦り驚きの表情をしている。
二人は震える身体を止め慌て僕達の前に立ち塞がる!!
「もう…遊びは終わりだ…。」
「ああ…お前らそう言う事だからすぐにでも全滅させてやろう。」
僕達は立ち上がる。
すると後ろにいた風雅がパチンと指を鳴らすと何処からともなく巨大な椅子が現れる。風雅が椅子に座ると敵二人、弧薙は魔力を貯め始め銃天は空中に飛びそして魔力を貯める!!
まずは弧薙の先制攻撃だ!!
『内部風気流!!「ウインドウイルス」』
これはやばい!!吸い込んだらヤバい風だ!!僕らは魔力を貯め風を遮るバリアを張ろうと試みる!!飛鳥さんは影を風に乗せ僕らを包み込む!!
「忍術…風影の闇……。」
飛鳥さんの影は風を利用し僕らをバリアで包み込む!!しかしそこへ銃天の銃口が光る!すると銃は巨大化しその形はまるでバズーカだ!!
「あの大きさはヤバい!!」
銃天は僕らに向かいバズーカを構える!!
「これまでの攻撃の非ではないぞ!!」
「くらえ!!『風銃砲撃!ラストバズーカ!!』」
僕らに向かい恐るべき砲弾が発射されたのだ!!
ドガガガガーーーーーーーーーーン!!!!!
◇
◇
◇
「うう……いてて…。」
僕が気がつくと身体中が痛みそして次の瞬間お腹から何かが込み上げてくる感覚…僕の口からは赤い液体が吐き出された。
「う…ぅぅぅぅ…ゲホゲホっ!!」
僕が震える身体を起こそうとするも力が出ない。
すると僕の目の前で立ち尽くしていたサイリスさんの様子がおかしい…。
次の瞬間サイリスさんも血で赤く染まり倒れてしまった。カランカランと転がる水龍の槍…。主人が倒れてしまった槍は僕の目には泣いてるようにも見えたんだ。
僕はサイリスさんに近づこうと立ち上がる…だが内臓にも攻撃を受けた自分も足にも力が入らない…。
「うぐ…くっ。」
僕がもがいていると敵の笑い声が聞こえてくる…。
「はは…やっとこの女も俺の呪いにかかった様だな…。」
あの声はさっきまでサイリスさんと戦いを繰り広げていた敵、弧薙の声だった。弧薙は笑い狂うと僕は弧薙に問いかける!
「お前!サイリスさんに呪いってどういう意味だ!?」
僕が問いかけると弧薙は笑いながら答える!
「ああ…俺は風に呪いを込める事ができてな、じわじわ俺と戦っていたその女に呪いの風を吸い込ませていたって訳だ。」
弧薙はそう言うとサイリスさんの元へ歩き出す。
「この女…実に俺好みで俺はこいつをものにしようとじわじわ呪いをかけていたって訳だ…。そしてどうやら俺の呪いは後一つで完成する。」
サイリスさんを抱き寄せた弧薙、奴はサイリスさんの喉元目掛け…。
◇
◇
◇
お読み下さりありがとうございました!弧薙の攻撃に絶対絶命のサイリス…果たしてどうなる!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます