第45話風雅三魔獣、弧薙

ダンさんと飛鳥さんの機転により鉞狸は倒れた!!だが次に現れた孤薙の謎の攻撃により二人は突然苦しみだし倒れる。僕の目の前でこんな惨劇が!?僕達は慌て二人に近づくと僕の目の前に突然起こる砂嵐!!

「うわっ!?」

「何だこの突風は!?」

僕も沖田さんも思うように二人に近づけない。すると魔道士の男、孤薙はにやりと笑いこちらに声をかけてくる。

「我が名は狐の獣人呪術師『孤薙こなぎ』この者達のように我が幻術により貴様らは消えるがいい…。」

孤薙はそう言うと手で陣を組み始める!!

「あれが呪術師の呪術発動か!?」

沖田さんの声に僕は初めて見る幻術に只々見ている事しかできなかったんだ。すると僕の後ろから凄まじいスピードのチェーンが飛んでいく!!チェーンは孤薙に向かい一直線!!

ズガガガーーーーン!?

凄まじい音と衝撃で孤薙はたまらず上空へ飛び上がる!!

「くっ!?」

すると下から起動を変えチェーンが襲いかかり孤薙の足に絡まり孤薙の身体を捉える!!チェーンを辿ると僕の目の前に飛び出たレイオールの姿があった。

「うおおおおおっ!!」

レイオールが叫ぶとチェーンに捉えられた孤薙の身体はチェーンにより振り回され地面に叩きつけられる!!

ドゴッ!!

「ぐはっ!!」

口から何かを吐き出し孤薙の身体は叩きつけられそのまま地面に倒れたままだ。孤薙をじっと見据えるレイオール、するとピクピク身体を震わせ孤薙は立ち上がる。そして突然笑いだしたんだ。

「ぷっ!…ぐふ…くっくっく…あーっはっはっはー!!」

レイオールの攻撃で口をきったようで口から血を吐き出す。

「くく…お前…さっきの二人が何故突然倒れたか分かるか!?」

「何っ!?」

レイオールがそう言うとその瞬間レイオールは苦しみだし跪く。

「ぐっ!?ぶふっ!?」

レイオールは蹲り口からは血が吐き出される。それを見ていた沖田さんが言い放つ!!

「お前ら!?もう…いい加減にしてくれ。」

「何言ってんだお前?この邪馬国は風雅様の物となりこの国は魔幻獣の国へと変わり、いずれ世界は魔幻獣十二魔人によって支配されるのだ。」

孤薙はそう言うと自分の口の血を拭き取り舌なめずりをする。ジュルリという音は凄い不気味さを感じる。

「さて…次はそこの女を餌食としようか…」

孤薙はサイリスさんをギョロりと見つめるとまた舌なめずりをする。

「ま…まて……」

沖田さんは孤薙にうったえると奴は彼を見返す。

「孤薙と言ったな…僕が代表してお前の餌食になろう…だから他の者は見逃してはくれないだろうか?」

「えっ!?沖田さん何を言って…!?」

僕がそう言うとサイリスさんも口を開く。

「そうよ!沖田さん!諦めないでよ!」

すると沖田さんは僕の顔を見て何か小さく呟いたような気がしたんだ…。

(ん…!?なんだろう今の口の動きは…)

僕に沖田さんは何かを伝えようとしているのかも…。僕は彼の伝えようとしている言葉を考える。すると孤薙はさっきの構えをとり沖田さんにその術をかけようとしているのかも知れない。僕は改めて彼のメッセージを考える。

(ん…もしかして沖田さんに孤薙が攻撃するその瞬間を見てろって事なのかな。)

僕はサイリスさんに耳打ちする。するとそれに気がついた孤薙はこちらに話しかけてくる。

「ふふ…我が呪いの正体が分かるとでも言うのか…まあ分かったところで貴様らにどうにもならんだろ…」

孤薙はそう言い笑っている。

すると沖田さんは一歩前に出る!!

「それなら僕にその技を使ってみるがいい!?」

「なに…?そこまで言うならくらうがいい。」

孤薙の身体はドス黒い煙を纏い魔力を溜めていく。その煙は大気を徐々に染めていきその禍々しいその煙に僕は嫌な予感が止まらない。すると孤薙は構え技を放つ!!

「淀んだ風よ…あの者達を内部から破壊せよ…」

黒風邪気こくふうじゃき!!』

僕達を包み込んでいく黒い煙は身体にまとわりつき離れない!!

「いかん!!吸い込むな!!」

沖田さんのその声に僕達は弧薙の技の正体に気がつき息を止める!!間一髪、息を止めると沖田さんは刀を構え彼の身体は緑色に光っている。

「天然理心流…風宴の舞。」

沖田さんが技を放つと刀から激しい風が巻き起こり僕達の周囲にまとわりついていた煙は消え去ったんだ。

「ぐはっ!!」

すると技を放った沖田さんは突然口から吐血し膝まづく。

「ゴホッゴホッ!グハッ!!」

「沖田さん!!」

僕とサイリスさんは沖田さんに近づくとこちらに片手を出し僕達を制止する。

「いいか…これで証明されたが孤薙とやらの力は煙を操り吸い込ませる事で身体の内側から破壊する力を持っているらしいな…。」

肩で息をし何とか僕達に敵の情報を身をもって知らせてくれたんだ。もしかしたら孤薙の能力が分からなければ僕達全員倒れていたかも知れない。

「ククク…我が技の正体が掴めた所で貴様らにはもう勝ち目はない…。見えない力の前に朽ち果てるがよい。」

弧薙はそう言いながら僕達を笑っていたんだ。

僕は孤薙を睨み構えようとすると隣に青く光り輝く槍を構えるサイリスさんの姿が!?

「行くわよ!みらい君…。」

僕は頷き孤薙を見据えるのだった。

風雅三魔獣の一人強敵孤薙を相手に今残る二人サイリスとみらいはどう戦うのか!?

お読み下さりありがとうございました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る