第43話風雅三魔獣
僕達の目の前に風と共に現れた三人の魔物、その姿からは禍々しい力を感じる。僕の身体も奴らの力を感じ身震いがする。一人は細めの魔道士、そして巨体を持つ野獣の様な男、最後の一人は天狗の仮面をつけた男だった。僕達が身構えていると、中央の天狗が前に出る。
「我々は風雅様の特攻部隊『風雅三魔獣』である。風雅様の名によりこの地を奪う為、先陣を切ってここへ馳せ参じたのである!」
「風雅三魔獣だって!?なんだよお前ら!?」
僕がそう言うと飛鳥さんも前に出てくる。
「拙者達がそんな暴挙を止めてやる!!」
その時!僕達の頭上から急に降ってくる巨体な鎖鎌の鉄球!!
「危ないっ!!?」
僕が叫び身構えると寸前の所で鉄球が止まる!!そこには炎を全身に纏い片手で鉄球を止めるダンさんの姿があった!!
「ふっ…どうやらそのタヌキは私の獲物の様だな…」
バサーーーッ!!
ダンさんのその言葉に巨体の敵はフードコートを脱ぎ捨てる。
「俺様は風雅三魔獣の一人、狸獣人、剛力の『
巨体な狸の獣人、鉞狸はそういうと巨大な鎖鎌を再び回転させていく!その巨大な武器によりこちらまで風圧が届く。
「凄いパワーだ、あのファノタウルス以上かも。」
僕がそう呟くとサイリスさんが僕と沖田さんの傍で一言呟く。
「私は兄のサポートに入ります!他は任せます。」
そういうとサイリスさんは槍を構え走り出す!
「いくわ!怪物!くらいなさい!」
サイリスさんの槍が青く輝き鉞狸の武器を捉える!!
ガキーーーン!!
「くらいなさい!
サイリスさんのあの技が炸裂する!!徐々に凍っていく鉞狸の武器と右腕!
「おお、サイリスも見ないうちにとんでもなく強くなったな。」
沖田さんは感心したように声にする。腕と武器が凍らされ鉞狸は驚きの表情をする。
「んん?…ほう…お前、この鉞狸様の腕を凍らせるとは中々やるではないか…?」
その時、ダンさんが続いて斬り掛かる!!
「うおおおおぉ!!このまま私の力を見せてやる!!?」
ダンさんは鉞狸の頭上高く飛び上がる!!あの技はファノタウルスの時も放った技だ!これならいけそうだ!僕はそう思い見ていると鉞狸はニヤリと笑う。そして魔力を溜め始める!
「うおおおおぉ!!はああっ!!」
パリーンと音を立てて氷が割れ崩れ去る。
「なにっ!!??サイリスの氷を砕くとは!!だが私の攻撃はどうだ!?修行の成果を今こそ試す時だ!!獣人化あぁぁっ!!」
ダンさんは獣人化していきながら鉞狸の頭上高く飛び上がる!!
「いくぞ!タヌキよ!私の新たに修行し手にした技を!!??」
ダンさんが叫ぶと辺りに突然の地震が起こる!
「うわっ!!」
「何だこの地震は!?」
僕も沖田さんも何とか耐える!すると飛鳥さんが口を開く。
「あれ…みたいです…。」
僕は飛鳥さんの指さす方向を見るとそこには大地が盛り上がりその土砂により形を成した巨大な地龍の姿があった!!
「地龍!?」
「あれを彼が呼び起こしたのか…」
僕の言葉に続き沖田さんもその技に驚いている。
「凄いですねダンさん…。」
飛鳥さんもダンさんの力に驚いている。
「フフ、これが私の修行の成果だ、私の地龍は全てを飲み込む!!いけっ!!」
ダンさんの言葉で地龍は敵に向かい襲いかかっていく!!だが敵も簡単にはくらってくれなさそうだ!!敵は各々地龍の攻撃をさけていき最後は鉞狸に向かっていく!!
「どうだ!?でかいお前なら避けられんだろ!?」
ダンさんはそう鉞狸に叫ぶと鉞狸はニヤリと微笑む。
ドガーーーーーンという衝撃音と辺りに旋風が巻き起こる!!地龍に腕を噛ませその動きを止める鉞狸の姿があった。
地龍も大きいが鉞狸は一瞬で巨体化したようで地龍を抑え込む!地龍の噛みついた鉞狸の腕から血が滴り落ちる。ニヤリと笑う鉞狸。次の瞬間もう一人の魔道士が何らかの術を発動する。すると地龍はさらさらと砂になり消え去っていく!
「なにっ!?あいつは何者だ!?」
焦りを見せる沖田さん、そしてダンさんも驚きの表情を浮かべていたんだ、すると鉞狸はその巨体で腕と首をならしている。
「さあて、準備運動にはなったみたいだ。」
そして鉞狸は身構える。
「くらえ!今度は俺様の番だ!!」
『うおおおおおっ!!いくぞ!!文々…
鉞狸は風を腕と武器に纏わせ腕のサイズの竜巻を起こす!腕を離れた鎖鎌は竜巻の中で回転している。あの竜巻をくらったらタダですらやばそうなのにプラス鎖鎌で殺傷能力がはるかに上がっている!!
「あれはやばい!!皆一時避難だ!!」
沖田さんの大声が響く!!次の瞬間!!
ゴーーーーーーッ!!
一気に竜巻が巻き起こりどんどん巨大化していき広がっていく!
辺りの柱や木々がスパスパ切り裂かれていく光景に僕達はそのヤバさに逃げ隠れる!!そして竜巻は広がる続け一気に辺り一面の全てを切り裂き竜巻は果てる!!
そして竜巻は消え去ったが、そこに立っていたのは技を放った鉞狸、そして敵の二人、僕達はちりじりに何とか身を隠せていたんだ。
「なんだあの技の威力は!?あんなのまともにくらったら無事じゃすまないぞ。」
沖田さんは呟く。すると鉞狸が叫ぶ!!
「なんだなんだお前ら!!??この鉞狸様の餌食になるのが怖いのか??…まあ遅かれ早かれ俺様が皆殺しにするけどな!?」
鉞狸は笑いながらこちらに話しかけてくる。
「あいつ…あの武器とあの技は危険だ…」
僕がそう言うとダンさんが天高く飛び上がり鉞狸の前に降り立つ!!
「兄さん!?」
サイリスさんが焦りの声を上げる!ダンさんは鉞狸の前に立つと構えをとる!そして魔力を貯めていく!するとダンさんは背中にずっと背負っていた包帯で巻かれていた包帯をスルスルと外していく。
「行くぞ!!私の
ダンさんの言葉に僕はダンさんの武器を見て驚く。
「えっ!?あれはあのファノタウルスの使っていた武器!?」
「確かにあれは見覚えがあるわね…。」
サイリスさんもあの巨大な武器をみて驚いている。するとダンさんはファノタウルスの大斧を
持ち構える。
「そう…これは先に戦ったファノタウルスの大斧、あの戦いでサラマンダーの私に不利になってしまうこの水獣爪を使うより炎のファノタウルスの使うこの大斧の方が合うのではないかと考えてね、それでこいつを使いこなす修行をしたのだ。」
するとダンさんは身体に炎を纏わせていく!
「なんだと!?その炎は魔物のそれ…たかが人間があああ!!」
鉞狸はそう言うと身構える!!
ダンさんが飛びかかり斬りこんでいく!!
「はああああああっっっ!!」
『炎龍爆砕滅改(ほうりゅうばくさいめつかい)!!』
◇
◇
◇
いきなり登場した『風雅三魔獣』と呼ばれる風雅の特殊部隊!その強さは計り知れない様で…
だがこちらも負けてはいない!ダンさんの圧倒的なレベルアップに期待!!
お読み下さりありがとうございました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます