第27話二人の為の武器

炎の精霊フレーネとフレアース様が僕達の為に用意してくれた宝箱…僕達はゆっくりとその蓋を開いていくと思わず目を覆いたくなるような眩しい光りが盛れ出してくる!

「うわあああっ!?」

「なんだ…この光は!?」

僕達の目の前で光り輝く宝箱…その眩い光にまともに見れずにいた。すると宝箱から二つの影が飛び出したんだ。僕が自分の元へ飛んできた何かを見るとそこには青く光る何かがあったんだ。

「おおおっ!?」

隣にいて叫んだらいとを見ると黄色に光り輝く何かを手にしていたんだ。あれは…刀の柄かな?よく見ると黒い刀身がキラリと光ったんだ。

「それがあのボロボロだった刀…なの?らいと!?」

「ああ…ブレスレットの奴が武器に語りかけてあの魔石の力で俺用の武器に変化してくれたらしいぜ!」

僕にそう語ったらいとは目を輝かせ刀を眺めていたんだ。すると僕の頭の中に流れ込んでくる声。

(ねえ…君の友達は兄さんの力と同調して凄い武器を手にしたみたいだよ…)

(う…うん…そうだね、僕にも…その力があるなら貸してほしい。)

(ああ…わかっているよ…さあ…次は君の番だ。)

自分の精神内で腕輪のあいつと会話をする僕。

(えっ!?僕にもこの武器君ぶきくんは力を貸してくれるの?)

(そう…僕達腕輪は君達の魔力に…そして彼ら武器と魔石は君達の刃となるべくして君達を選んだんだ。)

(さあ…行くんだ!彼らも僕達腕輪も君達と共にあるから…。)

意識が戻った僕の手には一本のキラキラ輝く杖が握られていたんだ!

「これは…!?」

僕がそう言うと精霊フレーネは僕達の元へ飛んできたんだ。

「お!?やったじゃん!二人とも!!」

「えっ!?ああ…一応なんとか手にはしたけど…」

僕がそう言うとらいとがポンッと肩を叩いてきた。

「みら!?すげえ武器を俺達は手にしたみてえだ!!」

「そうなの…かな?」

僕は自分の武器を眺める。すると精霊フレーネが説明を始めたんだ。

「二人とも!その武器はね!君達専用に特殊な魂を持つ魔鉱石『武神石ぶしんせき』が君達を選びその力を貸す為にその形に変化して現れてくれたんだ。」

「そうなの…か?でも…確かにこれはすげえ力を感じるぜ…。」

らいとはそう言いながら刀を眺める。すると精霊フレーネは僕達の前で語ったんだ。

「あのファノタウルスって奴がフレアースに使った魔石も過去の特殊魔石の一つだけど宝箱に入っていた君達の武器に変化した魔石も過去の特殊魔石の一つなのさ!?」

この世界にはこんな事もあるんだ。ファンタジーの世界だもん!何があっても不思議ではないか。僕がそんな事を考えてると精霊フレーネは続ける。

「いいかい!?その古代の特殊な魔石はその力の強大さ故に過去に争いが起こりこの世界を滅ぼしかけた事があるんだよ。」

「世界を…!?」

「そう…だから封印されたり存在すらも太古の事と一般的には口外されてはいないんだよ。」

僕は考えをまとめているとらいとが口を開く。

「今回ファノタウルスは何らかの方法で一つの魔石の力を手にしちまった…奴らの仲間も、もしかしたら。」

らいとのその言葉に精霊フレーネは力強く。

「そう!!その通りなんだよ!!」

「えっ!?」

「個人的にフレアースがあんな酷い事をされたのも本当に頭にきてるわ!でも!奴らの組織が魔石の力を使えるようになったとしたらこの世界は終わり…。」

精霊フレーネは目を閉じそっと答える。

「そう…もしかしたらそんな事にならない様に君達は異世界から呼ばれたのかもね…君達のその腕輪と武器の力にね…。」

僕達に精霊フレーネの言葉が納得させてくれたんだ。僕は手にしている杖を握りしめていると、らいとが僕の前に出る。

「さあ、みら!やっと俺達の反撃の番が来たな!?」

「うんっ!!らいと!倒そうファノタウルス!!」

「ああ…」

僕達は向かう!凶悪で強大なファノタウルスという敵の元まで!!

ファノタウルスと闘うダンさんとレイオール。レイオールの魔法攻撃が効かない中、その策は。

「ダンさん!魔法が効かない以上オイラはアンタを補助魔法でサポートする!」

「ああ、確かに魔法攻撃が効かない以上それしか打つ手はない!頼む!」

ダンさんが構えるとレイオールは後ろで補助魔法を唱える!レイオールの身体は青く光り輝いていく。

水壁法衣ウォーターローブ!!」

レイオールの魔法はダンさんの身体を包み込む!それによりダンさんの守備力が大幅に上がる!

「ありがとう!レイオール!これなら、うおおおおぉ!!」

ダンさんの腕が赤く内側から光りだす。

炎爆剛力えんばくごうりき!!」

ダンさんの力が強化され正にダンさんの身体は補助魔法によって攻防ともパワーアップしたんだ。

「これなら私もいける!!」

「はああああ!!」

ダンさんは飛び上がるとファノタウルスに攻撃を試みる!!

「させるか!?」

ファノタウルスはダンさんに向かい突進していく!!

「くらえファノタウルス!?炎龍砕撃!!」

ドガーーーーーン!!凄まじい攻撃の衝突で辺りには衝撃波が巻き起こる!

「うぐっ!!ぅぅぅぅ!!…この……。」

ファノタウルスが大斧でダンさんの攻撃を受け止める。ダンさんはそのまま押し切っていく。

「うおおおおぉ!!!師匠は、私が…守る!!」

「なにっ!?どこにそんな力が!?」

ドガーーーーーン!!

ファノタウルスの巨体はダンさんの攻撃により吹き飛ばされそのまま洞窟内の壁に激突する!

「やるなダンさん!!凄い攻撃だ!」

「ダンさん!防御はオイラの魔法がかかってるから大丈夫だ!このまま奴を追い込もう!」

レイオールが叫ぶとダンさんはこくりと頷く。するとファノタウルスが吹き飛んだ先から恐ろしい殺気を感じたんだ。

「こんなものでは…まだ倒れんか…。」

ダンさんが呟くとドガーーーーーンと音を立てファノタウルスは岩の瓦礫の山を吹き飛ばし立ち上がるとフルフル震えている。

「おおおぉぉぉぉ!!許さんぞカス共ぉぉぉぉ!!」

ダンさんの攻撃により激高し震えるファノタウルス。

「もう、お前らは全滅だ…俺様を怒らせた罪をその身をもって知れ!!」

ファノタウルスの身体はボウという音を立て突然炎に包まれる。

「お前はサラマンダーらしいが…確かに炎属性で炎には強いみてえだな…だが俺様は魔幻獣十二魔人の中で最強の炎使いだ。」

「お前の火遊びとは違う俺様の炎の超攻撃受けてみろ!?」

ファノタウルスの爆炎により周りは高熱化していく。

「う…これはヤバイ!オイラも自分守んねえと。ん?この光は!?」

レイオールは青い光に包まれる。

「水壁ドーム!!」

レイオールとダンさんの周りを水の壁でドームが包む!

「これは助かる!レイオールはこの中で待っていてくれ!私がヤツを仕留める!!」

ダンさんはそう言い振り返ると目の前にはあの炎に包まれたファノタウルスが立ち尽くす。

「貴様らはやりすぎた。」

「うおおおおぉ!!フンンンン!!」

ファノタウルスは炎をさらに増し二人に向かい炎を纏わせた斧を振るう!!

ガキィィィィィィン!!

ファノタウルスの攻撃により水のドームは破壊されダンさんとレイオールに迫るファノタウルス!!

「「くっっっ!?」」

「終わりだアアアアア!!!」

ダンさんもレイオールも覚悟を決めた!!

その時だった。

「そこまで…だファノタウルス…」

ファノタウルスを含めた三人は振り返るとそこには…サイリスさんに支えられてるフレアース様、精霊フレーネ、そして前に立つのは僕!みらい、隣にはらいとが!!

「ファノタウルス!!もうお前は終わりだ。」

「僕達はお前を倒すんだ!!」

お読み下さり本当にありがとうございました!

最強とも言うべき強敵ファノタウルス相手に二人はどう戦うのか!?

続きをお楽しみに!!






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