第26話炎の精霊フレーネ

僕はファノタウルスとのバトル中、突然不思議な力を感じたんだ。

「あれ?あの力はなんだろ…?」

その場所はフレアース様達のいる方。だけど僕だけじゃなくファノタウルスも気がついたようだ。

「んん?何者だ…あの小動物は…精霊…なのか?」

「……どこを見てるファノタウルス!?うおおおおぉ!!」

ガキイイイイン!!!

ダンさんの集中攻撃が炸裂する!!洞窟内に二人の戦いの衝撃音が鳴り響く。するとダンさんは僕達に叫ぶ!!

「みらい君!私も向こうから何かの力を感じた!ここは一旦らいと君を連れてサイリスの元へ行ってみてくれ!」

「分かったよダンさん!すぐに戻ってくるから!?」

僕はそう言いらいとの腕をとり自分の肩に回し起こすとなんとか立ち上がる。

「させるか!?ファイアボール弾!!」

ファノタウルスは僕達に向かって連続ファイアボールを放ってくる!!

「うわっ!?ヤバい!?」

僕はらいとを背負ってる為に思うように動けない!!思わず僕は目をつむる。すると聞き覚えのある声がしたんだ。

「『ウオーターエレメント!!』」

!!?……僕の目の前でファノタウルスのファイアボールは全て水の精霊により炎は消火される。そこにはレイオールの姿があった。

「いけ!お前らの客人はもう来てる!」

「客人!?」

「ここはオイラが食い止めておく!行けばわかる!!」

「うんっ!!」

僕はらいとを背負いながらもフレアース様の元へ向かったんだ。

フレアースの元へ辿り着いたサイリス。

「はあはあ…フレアース様!お待たせしてしまい申し訳ございません!」

するとサイリスの肩に乗っていた精霊が顔を出す!

「フレアース!?」

精霊はフレアースの顔元まで飛んでいく。するとフレアースはゆっくり目を開ける。

「んん…うぅぅ…来てくれたんだね…フレーネ…。」

弱々しい声で話すフレアース。

「うわあああ!フレアース!?あんたこんなにされて…。今私の力で回復するわ!?」

魔法を駆使しようとするフレーネの手を止めるフレアース。

「これがある限り無理だよ…フレーネ。」

フレーネはフレアースの腕輪に触れようとする。

「!?何!?この腕輪は…まさか…!?」

「…そう…魔法力を吸い取る古代の魔石…『滅魔石めつませき』。」

フレーネは慌てる。

「そんな!?私だって何百年生きてるけど噂でしか聞いた事がなかった物。それが、誰よ!こんな物をフレアースに!?」

「そう…私もある文献でしか読んだ事がなかった闇の魔石…これを手に入れた魔幻獣十二魔人…今後脅威となり人類は…。」

フレアースはそう言うと身体を起こそうとする。

「ううっ!ぅぅぅ!」

フレアースは力を振り絞る。すかさずサイリスは手助けをする。

「ありがとう…サイリス…あの二人は…?」

「わかりました!呼んできますね!」

僕がらいとを背負い向かっているとサイリスさんの姿を見つけた!あそこだ!やっと辿り着いた。

「みらい君!?」

サイリスさんは僕の元へきて一緒にらいとを運んでくれた。すると精霊さんは僕達の元へきてくれたんだ。そのまま僕達の頭上を周りながら飛んでいると何かの呪文を詠唱している。

「フレアヒール!!」

精霊さんの魔法の光が僕達を照らしていくとみるみるうちに僕達の傷が癒えていく。

「ぉぉぉぉ!!」

僕が思わず声に出すとらいとも気がついたみたいだ。

「う…う〜〜〜ん……」

「らいと!?大丈夫!?」

「ふああああ!よく寝たぜ!……ん!?お!?何だこれ!?いつの間にか傷が治ってやがる!!」

らいとの傷も体力もあっという間に全開したのだった。

「凄いや!傷も疲れもあっという間に治っちゃった!」

「ああ…本当にあの光に照らされたら回復したぜ!」

すると精霊は僕達の目の前まで飛んでくるとこちらをじっと見ている。

「あの…なんですか?」

「ああ!いや、ごめんごめん!私はあのフレアースの大親友で精霊フレーネ!あんた達は?」

「僕達は異世界からきた人間で僕はみらい!」

僕が挨拶するとらいとが僕の隣でニコニコしている。

「俺がらいとだ!よろしくな!」

らいとは不思議な生き物…もとい、精霊フレーネを珍しそうに見ているようだ。

「どうしたのらいと?」

「いや、すげえな異世界…本物の精霊だぜ!?」

「まあ…そうだけど。」

僕達がそんな話をしていると精霊フレーネは僕達をじっと見つめ語りかけてくる。

「あんた達!?早速だけど私が持っているアイテムが使えるかどうか時間がないから試させてもらうわよ!?サイリス!さっきのを…。」

「アイテム!?」

そのアイテムってなんだろう?僕はつい声に出てしまう。そしてフレーネがサイリスさんに声をかけると彼女は持ってきた武器を僕達の目の前に出してくれたんだ。一つはボロボロに錆びた刀…もう一つは、これも、今にも朽ち果てそうな杖だったんだ。

「何だこれ!?使える…のか?」

らいとは呆気に取られながらも、らいとは刀を、僕は杖を自然に手にしていたんだ。

「アンタ達、準備はいい?」

精霊フレーネはそう言うとまた僕達の頭上を飛び始める!次第にその速度が増していく。そしてやがてフレーネの飛行スピードはゆっくりと減速していくとキラキラした光の粒が僕達の前に集束していく。その光はある形…宝箱へと変化していく。そしてフレーネが飛行停止する。目の前には二つの宝箱がその姿を現した!!

「さあ!あんた達その宝箱はあんた達にしか開けられないし何が出てくるかはあんた達次第よ!さあ!開けなさい!!」

フレーネが叫ぶとらいとは、頷き宝箱を開ける。僕もそれに習い宝箱を開けたんだ。いち早く宝箱を開け中の物を手にするらいと。

「おおおぉぉぉ!!」

それを見た僕も宝箱を開ける。少々重いけどゆっくりと蓋は開いていく。すると中から眩い光が輝き放つ!!

「こ…これは!?」

宝箱から出てきた僕達だけのアイテム!さあ!いったい中からはどんなアイテムが飛び出してきたのか!?

お読みいただきありがとうございました!






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