第22話ファノタウルスの力
僕はフレアース様がいる牢からファノタウルスと攻防中のらいと達の元へと辿り着く。
「みら!フレアースはどうだ!?」
らいとが僕に声をかけてくる。僕はらいとの問いに息を整えながら返す。
「レイオールの回復魔法ですら追いつかなくて…その原因がファノタウルスの力みたいなんだ。」
「なるほどな…。早くアイツを倒さないとってやつか…。」
それは僕達がダンさんとファノタウルスの闘いを見ていて感じる事…。徐々に息があがってくるダンさんに対してファノタウルスはキラキラとしたエネルギーに満ちているように見えたんだ。
「くっ!?はぁっ…ハァハァ……。」
ダンさんはとうとう肩で息をする様になっていたんだ。
「くそっ!どういう事だ!?なぜアイツは戦っても戦ってもまったく衰えないんだ!?」
するとファノタウルスはニヤリと笑い答える。
「フフ…そうだな…貴様らの冥土の土産に教えてやろう…フレアースに付けてある
ファノタウルス…なんて奴なんだ。僕は怒りを覚える。隣りのらいとも静かに拳を握りしめている。だけど…僕達以上に怒っているのはこんな奴に酷い事をされているフレアース様の弟子であるダンさんだろう。ダンさんは身体を震えさせている。
「くっ…我が師フレアースをどうするつもりだ!?」
「どうする…だと?これまで炎の魔人として俺様はこの世界に君臨し我が力で世界を牛耳ようとしてきた俺様の邪魔をこれまでフレアースは散々してきたのだ!!」
徐々に怒りを訴える様に話していくファノタウルス。
「そんな時…俺様は新たな力『
「やっとこうしてフレアースを弱らせる事が出来た…。これからは俺様が炎の魔人としてこの世界を我が力で支配してくれるわ!!」
僕達はファノタウルスのやろうとしている事をやっと理解したんだ。
「そうはさせるものかファノタウルス!!」
怒りをあらわにし叫ぶダンさん。するとファノタウルスは何かを思いついたようで僕達を指さしてきたんだ。
「そういや…お前ら…俺様達…魔人集団の一人で…キューズという男の名は…聞いた事があるか?」
キューズ…すずねちゃん達の村を襲い僕達が倒した男…僕はあの非道な男は忘れはしない。
「知っていたらなんだよ!」
僕の答えにファノタウルスはピクリと反応する。
「そうか…お前らがあいつを知っていてここにいるという事は…お前らがキューズを倒した奴らなのだな。」
「それがどうしたっ!!」
ダンさんは武器を構えるとファノタウルスに飛びかかる!!ダンさんの水獣爪がキラリと青く光る。すると爪先から水が吹き出しファノタウルスに攻撃を繰り出す!!
「『
そしてダンさんの大技が炸裂する!!ダンさんの手から発せられた水流は巨大な虎を形取りファノタウルスに向かい飛び放たれる!!
「うおおおおぉっ!!はあああああっ!!」
巨大な水のエネルギー砲がファノタウルスに向けて放たれた!!!ゴーーーッと音を立てエネルギー砲はファノタウルスを捉える!!ダンさんのエネルギー砲を目の前にしニヤリと笑うファノタウルス。
「きっとこれが貴様らの最大の攻撃であろう…。だが今の俺様はあのフレアースの力をも蓄えたのだ!!つまり俺様は超絶パワーアップしたのだ!!」
「うおおおおぉ!!」
ファノタウルスがけたたましく叫ぶとエネルギー砲を両手で受け止めていく!!
「
ファノタウルスが何かを叫ぶ!!するとダンさんのエネルギー砲が吸い尽くされ消えてしまう。
「な…なにっ!?」
ダンさんは突然の事に驚き立ち尽くす。ファノタウルスはニヤリと笑みを浮かべると大声で笑いだす。
「フフ…アーッハッハッハ!!」
「どうして!?今何をしたんだよ!?」
僕がファノタウルスに叫び、問うとファノタウルスは笑いながら答えはじめる。
「フフ…俺様のスキルはウシノキョウモン…牛に経文って言ってな…俺様に魔法などというものは効かぬ!意味の無いものなのだ!!」
僕達は驚愕した。魔法が今の僕達の攻撃の全てなのに…こんな事が、こんな恐ろしい奴が存在するなんて……。僕は思わずこの事実の恐ろしさを痛感する。
「そんな…魔法が効かない?」
思わず口から声が漏れる。
「ふふ…ハッハッハッハー!!恐れたか?貴様らがどれだけ魔法力、魔法攻撃力があろうと!!……無駄だ。」
ファノタウルスの言葉に僕は身体が震える。この世界に転移してきて魔法という力を手に入れて、修行までしたのに…僕の眼から自然に涙が零れてくる。ファノタウルスの脅威と恐ろしさを痛感する。すると僕の肩に手をそっと置いてくれる人が…。
「らいと!!??」
◇
◇
◇
絶望の面々…ファノタウルスに立ち向かうらいと。
果たしてどうなる!!
お読み下さりありがとうございました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます