第20話ファノタウルス戦開幕!!

僕達はファイアゴーストを一掃するとフレアース様の元へと急いたんだ。ダンさんとサイリスさんの後を追うと火山の洞窟の入り口がぽっかりその口を開けていた。

「師匠!!??」

ダンさんが叫ぶ!!そして洞窟へと走り入るダンさんの後を追う僕達、追いついた時にはダンさんは広めの場所に出ていてボーゼンと立ち尽くしてたんだ。目の前には牢に鎖で繋がれボロボロの姿で気を失っている一人の女性の姿があった。

「師匠!!??」

「フレアース様!!??」

ダンさんとサイリスさんは牢へと近づき鉄格子越しに叫ぶ!するとその女性はピクリと反応し震えながら顔を上げ目を覚ますと掠れ気味の声で答えたんだ。

「あ…ああ……ダン、それに…サイリスも…」

「フレアース様!今助けます!!」

サイリスさんは牢を開けようと扉の解錠を試みる。

「!?鍵がかかっている訳ではない。開いているわ!どういう…事?」

何かがおかしい…。ダンさんは鉄格子の中へと入りフレアース様に近づく。フレアース様を抱きよせ声をかける。

「フレアース様!?」

ダンさんが呼びかける。その時!!

ボコッ!!ズシャッ!!ダンさんの脇の壁から巨大な角がボコっと壁を破壊し突き上げダンさんめがけ襲いかかる!!

「なにっ!?」

「兄さん!!危ない!?」

サイリスさんの叫びにダンさんはフレアース様を寝かせ、自身の体を翻し何とかその攻撃をかわす!すると壊れた壁の向こうから禍々しい魔力を秘めた何かがズシンズシンと地響きを立てながら歩いてくる。

「なんだ 、あれが…」

僕が口にするとらいとも続ける。

「ファノタウルスか…?」

僕はキューズの時とは違う大きな殺気を放ちながらこちらへ向かって来る敵の力を感じたんだ。

「フフ…あーーーっ!はっはっは!良くぞ我が攻撃をかわせたな?」

そんなセリフと共に僕達の目の前に現れたのは全身が炎に包まれた巨大な牛の頭を持ち手には身丈にあった巨大な斧を持つモンスターだった。

「俺様の名は魔幻十二魔人まげんじゅうにまじんの一人『ファノタウルス』様だ!!お前ら皆膝まづけ!!」

ファノタウルスの大きさとその禍々しい力に僕は押され気味になる。確かにその巨体を活かしたパワーは恐るべきものだろう。するとダンさんが前に出る。

「お前がファノタウルス…我が師をよくもここまで痛めつけてくれたな。」

その影でサイリスさんはフレアース様を助けに入っている。

「フレアース様…大丈夫ですか?」

「…サイリス……か。…今私のこの手についている腕輪は…我々魔力を持つ者の力を吸い尽くす恐ろしい物なのだ。腕輪をはめられ私の力は奴に奪われてしまったのだ…。」

フレアース様の手に七色に輝くそのアイテムはファノタウルスによって使われた物なのだ。それによりフレアース様は魔力を奪われここまでファノタウルスの攻撃をうけたみたいだ。サイリスさんは何とかフレアース様についている腕輪を外そうと試みるが…。

「こ、これは…。」

触れただけで力が奪われる感覚。サイリスさんは思わず手を離してしまう。

「くそっ!」

「オイラに任せろ!!」

悔しがるサイリスさんを無視しフレアース様の傍に座るその姿はレイオールだった。レイオールの身体は青く光り輝く。すると突然邪魔をするように地中より炎がボコッボコッと吹き出してくる。僕達も至る所から吹き出してくる炎をかわしていく。レイオールも魔法を唱えれきれず炎をかわす!

「ちっ!オイラの邪魔をするな!」

「ここは私に任せてフレアース様をお願いします!」

ダンさんがレイオールの盾になりそしてファノタウルスの炎を殴り消すダンさん、その姿はサラマンダーに変化してもやはり強い。すると一本の湧き上がる巨大な炎がみるみるうちに人型にその姿を変えていく。そして巨大な牛の頭のモンスターが姿を現したんだ。ファノタウルスはそいつらを見てニヤリと笑うと僕達に言い放つ。

「貴様ら…さっきから何をしてるのだ。」

「何をしてるだと!我が師の痛みを倍返しさせてもらうぞ!」

ダンさんの手に装備された青く光る水獣爪から吹き出す水。ファノタウルスは斧を取り出しダンさんに切りかかる!ドガンッ!!!激しい音と共に床の岩が破壊され飛び散る!ダンさんはその身をかわす!

「お前のパワーは確かに凄い!だがスピードはこちらが上だ!!」

ダンさんは叫びながらファノタウルスの斧での攻撃を次々とかわしていく!

「凄いよダンさん!」

「ああ!やっぱおっさんすげえぜ!」

ダンさんがファノタウルスと戦闘中レイオールはフレアース様の傍らで彼女の回復を試みる。

「くっ!邪魔な炎が!!」

ファノタウルスがその力を使うと炎が至る所から吹き出しレイオールの魔法の邪魔をしてくる。その炎は攻撃を受けると形を変化させる。

「ん?またファイアゴーストか。チッ!」

「私に任せてください!?」

声と共にサイリスさんは槍を手に握る!

「水龍の槍!!たああっ!!」

サイリスさんは次々と湧き出てくるファイアゴースト達を倒していく。

「さすがサイリスさんだね!」

「ああ!じゃあ俺はおっさんに加勢するからみらはサイリスさんを!!」

「分かったらいと!」

パチン!!

僕達はハイタッチをする。さあ…僕達の戦闘開始の時だ。

いよいよ戦いの火蓋は切って落とされた!

どうなる!みらいとらいと、皆の運命は!?

お読み下さりありがとうございました!!

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