第14話炎龍のダン
レイオールと共に修行の為にギルドにきた僕達はダンさんの話を聞く事になったんだ。僕達はダンさんと向きあい話している。
「レイオール君…君の持つそのペンダントはもしかして…。すまないが私の持つこれをみてくれ。」
そう言うとダンさんは首にかけていた何かを取り出し僕達に見せる。それはレイオールの持つペンダントによく似た物だった。
「なっ!?そ、それは……」
レイオールも僕達も驚く。
「ダンさん!?どうして同じ物を?」
僕が問いかけるとダンさんは語り始めるのだった。
「これはこの世界の魔法の話だ。魔法の源である六元属にはそれぞれの象徴する使い手つまり魔道士が存在した。その名は『
「なるほど…。もしかして…おっさんは。」
らいとがそう聞くとダンさんはにこりと笑みを浮かべる。
「そうだ、察しがいいならいと君…。実は私は火の魔道士フレアース様の弟子なのだ。」
僕達はその事実に驚く。
「そしてこのペンダントは力を継ぐという証に私達の様な弟子は皆持っているのかもしれん。私も同じような魔道士の弟子という人物に会ったのはレイオールが初めてなのだがな。」
なんとダンさんもこの世界の大魔導士の弟子の一人だったんだ。それなら話は早い気がする。
「それで…レイオール君!?みらい君とらいと君の適性はどうだったのかを聞いてもいいかね?」
ダンさんがレイオールに質問すると話し始めた。
「それがなんですけどね…みらいもらいとも魔法適正は特殊で…オイラの修行で魔力アップと基礎体力アップをしてきたので実践戦闘の為にここに来たという訳です。」
ダンさんはそう聞くと理解したようで少し考えると話し始めた。
「そういう事ならまずはギルドで戦闘経験を積むといい。様子を見て私も協力しよう。」
ダンさんはそう言うとシャノワールさんを呼ぶ。
「シャノワール!みらい君とらいと君に適切な依頼は今何かないか?」
「そうね…じゃあ二人とも待ってて!」
そう言うとシャノワールさんは依頼を探しに行ってしまったんだ。するとレイオールが声をかけてくる。
「いいか!お前らもオイラの元である程度の修行はした。だから前よりは戦えるようになったはずだ。だがまだ心配だからな!オイラも一緒に行く事にするぞ。」
レイオールがそう言うとダンさんが少し考えている。僕は声をかけてみる。
「僕達の修行の成果を見てもらいたいしね!ところで、ダンさん急にそんな顔をしてどうしました?」
僕の問いかけにダンさんは気づき話し始めた。
「ああ…依頼に私も同行させてくれないか?君達の戦いを見たいと思うのだがいいかな?」
こうして僕達は四人で行く事になる。僕がらいとを見るとは呑気な顔をしている。
「いいんじゃねえか?俺もみらもまだまだ戦闘経験は浅い、これからいくらでもこなしていかないといけないからな!?」
そんな話をしていると後ろから綺麗な声が聞こえてきた。
「おまたせ!いいのが見つかったわ!」
シャノワールさんは僕達の元へ戻ってくる。
すると彼女は依頼書を読み上げてくれる。
「えっと…場所はファンガイアの街。依頼内容は魔物討伐…何のモンスターかが気になるわね…。」
するとダンさんが割ってはいってくる。
「シャノワール、それをちょっと見せてくれないか?」
そういうとダンさんは依頼書に目を通す。
「こ…これは…」
ダンさんは驚くと同時にふぅ〜と溜息を吐く。
「今の依頼のファンガイアというのは私の故郷なのだ…。」
ダンさんはそう言うと僕達の前でペンダントを握っている。僕がダンさんを見ていると話を続ける。
「そして…実は、その火山の近くには私の師フレアースが住んでいるのだ。」
「えっ?」
「マジか?」
僕達がびっくりしているとダンさんは答える。
「ああ…我が師はそこに住んでいる。」
「ダンさんの故郷ファンガイアからの依頼という事は行くしかないよね!」
僕がそう言うとらいとも頷く。
「じゃあこの四人パーティーでファンガイアを目指すぞ!」
レイオールはそう言うと僕達も頷く。
こうして僕達二人、レイオール、ダンさんの四人でファンガイアを目指すことになったんだ。
◇
◇
◇
火の街と呼ばれるファンガイアは魔空山を越えた先に砂漠がありその砂漠を越えた所に山がある。その山の麓に街は形成されているらしい。僕達の住む街からは少し遠い場所ではある。しかも火山の急な活動に巻き込まれても大変だ。そこで遠回りにはなるが別ルートを行き砂漠からファンガイアへ向かう事になったんだ。馬車で砂漠の入り口まで行き降りると目の前には広大な砂漠が広がる。すると僕達の前にダンさんが立っている。
「この砂漠を越えないとファンガイアへはつかないのだ。私が案内はできるがこの砂漠には厄介な魔物も出る。気を引き締めていこう。」
ダンさんはそう言うと一歩砂漠へ足を踏み出す。僕達とレイオールも後に続く。
◇
◇
◇
さすが砂漠で暑くそして体力も奪われていく。
「しかし暑いな…。」
らいとは暑そうだ。よく見るとレイオールは首に水の蛇を巻いている。
「レイオール!それって?」
「ん?水もお前なら使えるじゃないか?」
レイオールは僕に的確な答えをくれる。
「それもそうか!?あはは!」
そうだった!修行で僕は前より魔法も上手くなったんだ。そして僕は魔力を集中させ青い光を頭上に掲げた両手に集める。
「生活魔法『スプリンクラー!!』」
頭上の青い光から魔法で作ったスプリンクラーが現れ回りだし水しぶきが舞うと僕達を水のシャワーが癒す。
「おお!助かるぜみら!」
「ハッハッハ!これは有難いみら君!!」
「お安い御用さ!」
こうして僕達は快適に砂漠を進む。しばらく進むと突然目の前の砂地がベコっとへこみその中央に砂が吸い込まれていく。その中から巨大な『蟻地獄』が現れたのだった。
「うおっ!?」
「なにっ!?」
いつの間にかレイオールは砂に足をとられ中へ流され始める。
「レイオール!うおっ!?」
ダンさんが叫ぶと同時にダンさんの足元の砂も崩れ彼も巻き込まれていく。
「ダンさん!?」
僕とらいとは足元が崩れると同時に飛び上がりその場をかわす。だがいつまでも見てるだけでは終わらない。そう考えていると蟻地獄の中央から巨大なハサミが顔を出していたんだ…。まるで僕達全員を飲み込むかの様に…。
お読みいただきありがとうございました。
パーティーの前に現れた巨大な蟻地獄!どうなる!?
次話をお楽しみに!!
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