【 シングルベッド 】
食事が終わると一緒に隣同士でお皿を洗った。
彼は、積極的に手伝ってくれる。
彼が一枚お皿を洗うと、私に手渡してそれを私が拭く。
連携プレーであっという間に、洗い終わった。
あんなに、小さく病弱だった彼が、こんなにも健康的で、素直でいい子に育っている。
そのことに、教師として少し誇らしく思う。
「食後のデザートとコーヒーでも一緒にどう?」
私は思わず海斗くんをそう誘っていた。
それに彼は、とても嬉しそうに「一緒に食べたいです」と素直に答える。
さっき買って来たベイクドチーズケーキをお皿に乗せ、コーヒーと一緒にテーブルの上に2つずつ並べる。
彼はチーズケーキを3口で食べきってしまった。
そして、コーヒーを飲みながら、昔の小学校の時の話しに花が咲く。
コーヒーを飲み終わる頃、彼の目が、テーブルの左側に置いてあるシングルベッドに行ったのが分かった。
「さっき、出て行った人は、美沙先生の彼氏さんですか?」
「えっ……?」
隣の部屋に全部聞こえてしまっていたことを初めて知る。
健太郎先輩についさっきまでこのベッドの上で、私が抱かれていたことも多分、聞こえていたんだと思う……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます