【 遠距離恋愛 】


 ――そこから、健太郎先輩とのお付き合いが始まった。

 先輩が先に高校を卒業し、大学へと進学。私も先輩の後を追って1年後、同じ大学の看護学科へ入学した。

 そして、22歳の時に先輩は東京のIT企業へ。私は教員免許を取り、地元の小学校で保健の先生をしていた。


 健太郎先輩とは、それから遠距離恋愛が始まる。

 初めは1ヶ月に2、3回会っていたが、年月が経ち、1ヶ月に1回、2ヶ月に1回と、会う機会が徐々に減っていった。


 別に彼のことが嫌いになってきた訳ではない。

 むしろ私はもっと彼に会いたかった。

 でも、彼の仕事が忙しかったこともあり、自然と会う回数が減って行ったんだ。


 ――初めて彼と恋をしてから20年。

 もう私の年齢も37歳。


 子供が産めなくなる年齢も近づいてきている。

 私に焦りがなかったと言うと、嘘になる。


 ふたりの子供は欲しかった。

 ずっと彼を愛してきたし、これからもそれは変わらない。

 ずっとそう思っていた……。


 2ヶ月ぶりに会う彼。

 彼はいつものように私の住むアパートに到着すると、時間に追われるように私を抱いた……。



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