第2話「六壁坂を探しに ロープウェイ編」

 親切な方のおかげでなんとか鋸山の麓まで到着。


 ここで豆知識なのですが、千葉県という場所は山なし県とも言われており、その千葉県で一番高い山がここ、鋸山なのです。標高329メートル。なんとあの東京タワーよりも低い山が千葉県一位です!


 なので、当然ながら私は登山なんかには慣れていないです。ですので、ロープウェイを利用し、一度山頂まで上がってみる計画でした。

 だったんですが、いざ、ロープウェイ乗り場まで行くと、点検中の文字が。

 3月の半ばまで点検で使えないそうです。


「ウソでしょ。え、ウソでしょ」


 いやいや、329メートルとかでも登れないですよ!

 こちとら、聖地巡礼以外じゃ全然外に出ない野郎ですよ!?

 まぁ、聖地巡礼で、仙台行ったり、イタリア行ったりしていますがっ!

 基本文明の利器、新幹線や飛行機での移動です。そんな私に山道を歩けとっ!?


 諦めるのはまだ早いと受付の人に聞くと、車でも山頂に行けるとのことで、入場料1000円を払い、車で登頂を始めました。


 ここまで来ると、どうあっても人を辿りつけさせたくないようですね。


 車で登りきると、ロープウェイ乗り場に続く坂道と、鋸山登頂にある日本寺へと入る受付とがありました。

 事前調査によると、六壁坂はロープウェイ乗り場付近へ続く山道が怪しいとのことだったんですが……。


 これがロープウェイ乗り場までが、また階段で、しかも先も見えない位置に。

 ですが、まだ体力もありますし、その後に聖地が堪能できると思えば、これくらいっ!

 そして、登った先に待っていたのは、閉まったロープウェイ乗り場と、山道入口らしき場所に立入禁止の看板とぐるぐるに張り巡らされたロープ。


「立ち入り禁止? ドウイウコトデスカ?」


 もはや処理しきれない事態です!

 ここまで来たのは何だったのか!?

 一瞬、乗り越えて行くことも脳裏をよぎりましたが、それで「岸辺露伴は動かない」ファンの心証が悪くなってもいけないのでぐっと我慢し、来た道をとぼとぼと帰らないのが私です!

 立入禁止ならば、ドラマのロケも出来ないはず! その真相を確認するまでは帰る訳にはいかないです!

 決して、入場料の1000円や高速代が惜しい訳ではなくっ!!


 一度戻ると、受付の方にお話しを伺いました。すると、もしかしたら、入れてもらえる可能性があるかもとのこと!

 閉まっているロープウェイ乗り場に一人は職員がいるはずだから聞いてみてくれとのことで、再び階段を登ります。

 

 二度目なので、一度目より少しは楽だった気がしますが、体力はガリガリ削られていきます。コロナ化の為、つけているマスクがすごく邪魔で、息も絶え絶えです。


 ロープウェイ乗り場にて、人を見つけてお話を伺うと、なんでもその山道は台風で荒れてしまって、以降、立入禁止とのことでした。

 千葉県で台風と言えば、令和元年の15号と19号のことなので、そんなに前からでしたらドラマのロケで使用されることはないと思うのですよね。


 一応、お勧めは全くしていないが、危険を承知で入る分には止めていないようでした。

 が、流石に登山も初心者で体力もない私がそこまでの危険を冒していいのかということもあり、さらに詳しく聞くと、やはりロケは入っていないそうでしたので、そちらの山道は諦めることにしました。

 そして職員さんが言うには石階段でロケをした可能性があるとするならば、日本寺を突っ切った先の石切場の石階段ではないかとの話でした。


 私は、再び戻り、今度は通り抜けるだけなのに、受付で入館料700円を払い入場。


 緩やかな坂道を歩き、丁度反対側の受付から出て、山道を下ることになりました。

 すでに、足は疲れ気味でしたが、その山道、雰囲気は間違いなく六壁坂そのもので、一気にテンションもあがったのが、全ての間違いでした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る