肺ターン【1】

真っ暗だ……

ここはどこだ……


「次の方どうぞ~」


えっ!?

声じゃなくて直接伝わってくる感覚……


「次の方~…… あっ! そこにいらしたのですね」


喋れない!

どうすればいいの?


「大丈夫ですよ~……

考えてることが伝わってきますので安心してください」


なるほど!

手術に失敗して死んだから異世界転生できるとか?


「正解には近いですが…… まず、私は女神です」


きた~……


「あなたを異世界に転生させます」


きたきた~……


「しかし、あなたは肺の一部です」


ん?


「通常のフローであれば、こちらのリストから好きなスキルを選んでいただき、サインをもらい異世界転生となりますが……」


何も見えないし、フローにサインって

ツッコミどころ満載で困る~……

まず、肺から説明お願いします!


「え~と、 あなたは手術で摘出された肺の一部です」


なんと……


「肺なので、手も足も目も口もありません

あるのは肺だけです」


それホラーです。


「リストに触れることも、サインも書けないため、

特殊フローを適用しスキルをルーレットで……

私、女神が選ばさせていただきま~す」


ルーレットも見えないし、

もぅ好きにして~……


「では…… ルーレットスタート!」


ドキドキ……


「スキル確定!

呼吸(特殊)、略奪(特殊)、不死身の精神(特殊)」


呼吸……肺だけに…… 笑えるか!!

全部(特殊)が付いてるし……

の精神て何?

どこから突っ込もうか……


「あとは現場で揉まれてくださ~い」


肺のまま!?

頭無いけど頭の中を整理する時間を~……


「次の方が待ってますので、よい異世界ライフを~

……

魔王を倒すことができれば、

願いを叶えられるという噂があるみたいですよ……」


肺が魔王を倒せるのか!?

それに噂かよ!


肺に穴開きそう……


続く……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る