21

 俺達は現在恐怖のダンジョンの五階層目の通路を歩いている。

 けっこう順調である。見るからに怪しそうなところだが慣れてみるとそんなに悪くない。

 ただしモンスターのドッペルゲンガ―は不気味だ。あいつとはあまり戦いたくない。

 対して影からの襲撃者はそんなに怖い敵ではなかった。確かにそこそこ強いが普通のモンスターであることにはかわりない。影から出てくるのは変わらないけど。


 そして俺たちの前にまたモンスターが現れた。

 殺戮のナイフマンだ。見た目は覆面をしていて顔が見えない。背丈は少し低く150センチメートルぐらいだ。鋭利なダガーナイフを持っている。

 人型の魔物はなんとなくやりづらい。

 だがやらなければやられるのでしかたない。

 とにかく俺はいつもの調子で六連連続斬りを仕掛ける。

 そして俺の剣は奴を捕えたと思ったら外れた。

 速い人型の魔物とは思えないほど速い動きだ。

 後続に下がっていてそこからこちらの様子を窺っている。

 ならばこちらも待ちの戦法だ。居合斬りの構えを取る。

 そしてナイフマンが突っ込んで来た。俺は居合斬りを仕掛ける。


 結果として成功だ。ナイフマンは吹っ飛んだ。血を垂らしている。苦しそうだ。

 俺は容赦なく一閃斬りを仕掛ける。胸部を切り裂いた。

 殺戮のナイフマンは光の粒子となって消えた。

 少し心が痛んだ。相手はモンスターなのにな。


 しばらく歩いていると六階層目の階段を見つける。

 下りて六階層目の通路を歩いていく。

 そしたらまたもやモンスターがまあ出てくるよな。


 フレアゴーストだ。メラメラと燃えてぼんやりと透明感のある体。

 顔が少し怖い。そんなゴーストだ。

 俺は一閃斬りを仕掛ける。しかしひらりとかわされる。

 さすがゴーストといったところか。ミヤはスラッシュ・リグオール・ストライクを放った。

 しかしそれもかわされる。

 そして炎魔法を唱えてきた。俺に向かって敵の炎魔法が飛んでくる。

 俺はとにかくかわす。上手くかわした。


 そして俺は今度は反撃の六連連続斬りを仕掛ける。

 今度は決まった。フレアゴーストは塵となって消えた。


 そしてしばらく歩いているとモンスターがまた現れた。

 化けネズミだ。とても体が大きく体長120センチメートルはある。

 皮膚の色はねずみ色だ。ねずみだからな。

 そしてそいつが爪で攻撃してきた。

 俺は咄嗟に剣で弾き返す。上手く返した。そして俺は一閃斬りを仕掛ける。

 爪で受け止められた。まさか受け止められるとは。

 そしてそのまま体当たりを仕掛けてくる化けネズミ。

 俺はのけ反った。そして壁際まで追いつめられる。

 こいつ力が強いな……ならばどうするか。

 すると横からミヤが攻撃してきてくれた。


 俺も体勢が戻ったので一閃斬りを仕掛ける。

 化けネズミの目を斬った。


「グギャアアアアアアアアアア!!」


 化けネズミは悲痛の叫びをあげる。俺はそこを狙ってさらに一閃斬りを仕掛ける。

 倒した。化けネズミは光の粒子となって消えた。


 歩いているとやっと七階層目の階段が見えてきた。

 そしてそこを下りて歩いているとお決まりの様にモンスターが出てきた。

 だってここはダンジョンだしモンスターぐらいしか出るものはないか。

 闇の魔剣が現れた。なんと剣である。刃渡り一メートルはある。刃の部分は黒く闇のように染まった黒だ。まさか剣が出てくるとは思わなかった。

 そいつが普通に斬りかかってくる。俺は剣で受け止めた。

 そして今度は空中で俺の頭目がけて斬りかかる。

 そういえば何故か兜を買ってないことに気付いた俺たち。

 なんで買ってないんですか本当に。別に作者がうっかり忘れていたとかじゃないんだからねとかそんな理由ではない。たぶん見栄えの問題なんだと思う。

 そんなこと言ってる場合じゃない魔剣が空中で方向展開しながら何度も斬りかかってくる。


 俺は何度も受け止めるしかない。そして隙がなかなかできない。

 そもそもこの魔剣はどこを攻撃したらいいのかわからない。

 刃の部分を受け止めてもダメージらしいダメージが通らない。

 ならば柄の部分かそれしかない。俺は一閃斬りで柄の部分を狙う。

 しかし刃の部分で受け止められる。もう一度だ。もう一度一閃斬りを仕掛ける。

 すると今度は上手くいった。柄の部分を攻撃したら魔剣が後ろにのけ反った。

 そしてまたもや斬りかかってくる。今度は居合斬りだ。

 俺は居合斬りの構えを取る。そして魔剣が近づいてきたら居合斬りを放った。


 よし、上手く柄の部分を斬りつけた。そして魔剣はまだ動く。

 今度はミヤが攻撃だ。柄の部分を狙って攻撃した。

 そして闇の魔剣は光の粒子となって消えた。

 そして俺たちは歩を進めた。


 すると八階層目の階段が見えてきた。

 下りて先を進むとモンスターがわらわらと居る。

 なんとか突破したい。できれば戦わずにだがどうしよう。

 すると急にミヤが声を出した。


「あーーー!!思い出したというか忘れてた……私の剣の特殊能力」


「つまり……どういうこと?」


「こういうこと」


 ミヤが剣を握ってエルフンフンと唱えると。俺たちの姿がたくさんの分身となって現れた。

 そして俺たちはダッシュで進んだ。

 モンスター達は俺たちの分身のほうを攻撃してしまうようだ。囮による誘導。なんとも効果的だった。そして俺たちは戦わずにしてダンジョンを進むことができたのであった。

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