16

 俺たちは現在十一階層目の通路を急ぎ足で歩いている。

 モンスターと出来るだけ出会わないようにするためである。

 実際モンスターの移動速度はまちまちで速い奴から遅い奴までさまざまだ。

 例えばスライムのような粘着液のような軟体モンスターの場合移動はかなりおろそかだ。

 逆にガブルウルフのような獣型のモンスターは速い部類に入る。

 特に見た目ではわからないモンスターもいるゴブリンとかは意外と遅かった。

 特に遅くも速くもなさそうなのだが、実際の速度は鈍いと感じた。

 そんな場合もあるから戦ってみないとわからないのだ。


 そうして俺たちは少し急ぎ足でこの階層を歩いていた。

 今のところモンスターには出会っていない。

 そろそろ次の階層の階段が見つかってもいい頃合いだが……まだ見つからない。

 そんな感じでだらだらと階段を探していたら、新種のモンスターが現れた。

 ヨロイガニだ。甲羅は堅そうな作りで緑色をしている。蟹バサミはとても大きく頑丈そうだ。全体的にがっしりしてる。


 俺はまず六連連続斬りを仕掛ける。しかし頑丈な甲羅に防がれてしまった。

 こんなに堅いとは思わなかった。なんとかこの鎧のような甲羅を突破しないといけない。

 まずは力溜めを行う。そして一閃斬りを仕掛ける。


 しかしまたしても鎧のような甲羅に俺の剣は弾かれてしまう。

 本当になんて堅い甲羅なんだ。これではこいつを倒せないんじゃないか。

 まだ諦めてはいけない。なんとか倒す方法を考えるんだ。

 考えた結果魔法なら効くのではないか。ミヤの覚えている魔法なら効果があるのではないかと思った。俺はミヤに言った。ミヤの魔法なら効果があるかも知れないと。

 ミヤは受け入れてくれた。そして魔法を放った。

 ミヤの放ったファイヤル・アタックはヨロイガニに対して効果があったようだ。

 当たった部分が焼け焦げている。確かに効いているようだ。


 もう一度魔法で攻撃だ。


「いきます……ファイヤル・アタック!」


 放たれた炎魔法はヨロイガニを倒すことに成功した。

 そして俺たちは通路を進んだ。

 また新たなモンスターが出てきそうな道を歩いていた。

 すると新たなモンスターが脈絡無く現れた。

 マグマスライムだ。溶岩のような体をしている。真っ赤な色をしていてとても熱そうだ。

 俺はまず六連連続斬りを毎度のことながら仕掛ける。

 剣は降り始めは小さいが六度の斬りつけが出来る。

 そんな剣技を振るう。マグマスライムが苦しそうにする。

 どうやら効いているようだ。すかさず二回目も仕掛ける。

 また効いているようだ。三回目も仕掛ける。

 止めをさした。マグマスライムは塵となって消えた。

 新種のモンスターとて俺の敵ではないようだ。


 そして俺たちは十二階層目を目指していた。

 十二階層目の階段が見つかったのでそこを降りる。


 十二階層目にやってきた。そこは暗黒に包まれた空間が続いていた。

 とにかく真っ暗なのだ。こんな状態でモンスターに出会ったらひとたまりもないのだが。

 前方で音が鳴る。モンスターなのか?それは確かに俺たちを気配で察して襲い掛かってきた。とにかく剣を振るうしかない。そうしなければ一方的にやられるのだから仕方ない。


 俺は一閃斬りを仕掛ける。とりあえず連打だ。なんども一閃斬りを仕掛ける。

 ミヤも何かしているようだが暗闇なので内容は把握できない。

 そして何度も仕掛けていたら、手応えがあった。

 俺の攻撃が敵に当たっているようだ。

 もちろん空振りも多いがそれでも当たっているので問題はない。

 そうして敵の音が消えた。どうやら倒したようだ。

 この調子で行こうと思う。


 そして俺たちははぐれないように手を繋ぎながら歩を進めていた。

 そして何度か敵と遭遇したがなんとか倒しながら進んで行った。

 そして十三階層目の階段が光り輝いていたのですぐわかった。


 十三階層目にやってきた。そこは暗闇の中ではなかった。

 ただそこは少し生臭かった。その理由がすぐわかることになった。

 ゾンビだ。皮膚は腐っておりただれている。全身は土臭く皮膚の色は土色をしている。

 うおおおと叫びながらこちらに向かってくる。こんな気持ち悪いモンスターは出来るだけ相手をしたくないが大量に前方から来ている。その数ざっと十体もいる。

 通路を塞ぐようにしている。これは全て相手をしないといけないようだな。

 俺は力溜めからの六連連続斬りを仕掛ける。

 ミヤはファイヤル・アタックを仕掛けるようだ

 ファイヤル・アタックは単体攻撃だが一か所にいくらか密集していると複数攻撃になるらしい。今ミヤの攻撃を見てわかったことだ。


 そして俺の六連連続斬りが仕掛け終わると、まだ動いている奴らに向かって一閃斬りを仕掛ける。真っ二つに切り裂いたら次を倒しに行くを繰り返す。

 いつの間にか倒し終わっていた。

 そしてもっと先を目指して行くとまたゾンビの群れが……なんだここゾンビゾーンなのかいくらなんでもゾンビ出すぎだろ。

 俺たちはゾンビを狩りまくらないといけないようだ。

 はてしないゾンビ狩りが始まる。

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