15

 六階層目にいる俺たちはモンスターをばったばったと倒していた。

 特に目新しいモンスターは出なかった。

 相変わらずブルータルモンキーが多めに出る。

 こいつら動きが単調だから簡単に攻撃をかわせるから楽勝だ。

 デススネークは少し厄介だ。体長二メートルはあるからとんでもなくリーチが長い。

 なので攻撃に少し当たる可能性がある。とにかく危険である。

 そうしているうちに七階層目の階段が見えてきた。

 降りると、うじゃうじゃとモンスターが湧くの繰り返しだ。


「あーもういい加減にしろよっと!」


「本当ですねっ!モンスター多すぎますねっと!」


 とにかくこれでもかと倒し続ける。飽きるぐらいに。

 飽きるぐらい倒したら、先を進む。

 そうして八階層目の階段を探す。

 今度はなかなか見つからない。

 ようやく見つけたので降りる。

 今度は新しいモンスターとか出ないかな。

 しかし目新しいモンスターは出ないで、デススネークの群れが出て来たので倒す。

 噛まれそうになったけどなんとか防いで倒す。

 ポイズンフライとかももう慣れた。

 急旋回する瞬間を狙って攻撃をしていたらあっさり倒せた。

 こんな感じでモンスターを倒しまくっていたらレベルが上がったミヤとともに11になった。

 そうして倒しながら進んでいると九階層目の階段が見えて来たので進んでいく。


 九階層目はなんとも普通だ。出てくるモンスターはブルータルモンキーにデススネークにポイズンフライが交互に出てくる。それらを俺たちは順番に処理していく。

 主に六連連続斬りを使う。この技は多数の敵を捌くのに便利だ。

 それぞれの敵に対して各個撃破をしやすいから。

 ミヤもスラッシュ・リグオール・ストライクを多用する。

 消費MEPが2と低いのが理由だ。しかもそこそこの威力で遠距離から敵を狙えるので便利だ。

 そうして敵を倒していく俺達はついに十階層目を目指していた。

 そうして十階層目の階段を見つけたので降りるとした。

 降りると少し狭い部屋に出た。そして中央にモンスターが鎮座している。

 鎧に包まれている。少し黒と赤の両方の色が混じったような色だ。

 静かに佇んでいる。とても強そうだ。


「何か強そうな敵だな……」


「そうですね……何か強敵臭がしますね」


 とにかく戦って勝つしかないか。そうして俺たちは謎の鎧の敵に勝負を仕掛けてみる。

 黒炎の鎧レベル10が勝負を仕掛けてきた。

 まずは力溜めからの六連連続斬りを仕掛ける。毎回の定番である。

 黒炎の鎧は剣を振り上げて黒炎を纏った剣を放ってきた。

 黒炎は物凄い勢いで飛んできた。俺は咄嗟に避ける。

 まさか黒炎を飛ばしてくるなんてなこれは厄介な相手だ。

 ミヤはファイヤル・アタックを繰り出した。黒炎の鎧に当たる。

 思ったほどダメージを与えてないようだ。

 今度は接近してくる黒炎の鎧。俺は居合斬りの構えをとる。

 射程範囲に入った。そして斬る。今度は確かにダメージを与えた。


 とにかく攻撃あるのみなのは事実だ。俺は一閃斬りを仕掛けることにした。


「うおおおおおお!一閃斬りいいいい!」


 掛け声とともに仕掛ける俺。

 確かな手応えがあった。見ると鎧の一部が剥ぎ取られていた。

 これならいけるか?そう思ったのもつかの間、黒炎の鎧は剣に黒炎を纏い突っ込んで来た。

 凄い猛突進だ。なかなかの速さで突っ込んで来る。ちょうど車が急発進するぐらいの速さだ。俺はその急襲を避けようとする。しかしその前に居合斬りを仕掛けたい。

 なので構える。深呼吸をする瞬間、時間が止まったような気がした。ダンジョンの中時同じくして達人のごとき動きを身につけるべしと思った。刹那鎧が攻めてくる、が瞬間反撃に転じるがごとし稲妻のごとく。いつの間にか俺は鎧を弾き飛ばしていた。


 黒炎の鎧も少し動きが遅くなったが、それでもまだ覇気がある。

 体中の鎧から闘気が漏れ出しているように見える。

 今度は跳びかかってきた。俺は後ろに跳んで逃げる。そして一閃斬りを仕掛ける。

 なんと今度は剣で防がれてしまった。こいつ動きが速くなってやがる。

 そしてしばらく剣と剣とのぶつかり合いが始まる。


 俺が攻めると同時に相手も攻める。こちらが剣の攻撃を避けたら相手も剣の攻撃を避ける。

 剣は踊る虚空の空をそして弾きあう戦いの音楽を。

 敵ながら黒炎の鎧は意思があるかのようにこの戦場でかっこある強さがある。

 それは歴戦の戦士のようであった。


 振り上げた剣は空を切り裂き瞬間風が吹く。黒き炎を放ち、相手を焦がす。

 なんとも戦いたくない相手である。

 こいつ本当にただのモンスターかと勘繰りたくなる。

 確か二十階層あるからその中間にあたるここ十階層にいるから中ボスみたいな存在なのかなと思うが実際かなり強い。

 手の込んだ中ボスだと思う。反撃にあいそうなので油断できない。


 俺はとにかく六連連続斬りを主軸に攻撃を行う。

 すると相手も連続斬りを仕掛けてきた。こいつ俺の技を取り込んで自分の物にしたのか!?本当に中ボスなのかと思えるほどやる敵だなと思う。

 そして俺は一閃斬りを今度は繰り出していく。

 どんどんダメージが加算されていく。すると黒炎の鎧もそろそろ切羽詰まってきたか今度は黒炎を自分の体つまり鎧に身に纏って自分を燃やして突進してきた。


 まさに捨て身の攻撃ってやつかおもしろい敵ながら感心する。

 しかし俺は冷酷に構える。居合斬りの構えだ。待ちの戦法は色々使える場合もあるんだよな。そして捨て身の黒炎の鎧の攻撃も居合斬りの前には無力であった。

 鎧は破壊されたのだ完膚なきまで。そして胴体と下半身部が切り離されたのにまだ動いているので、俺は引導を渡してやった。


 黒炎の鎧を倒した。なかなか強い敵だったが、相手が悪かったな。

 俺はなんだか今調子が良いみたいだ。つまり絶好調というわけだ。

 なんだが戦闘がいつもより自分の世界が広がっていくように感じた。

 つまり自分の中で何をどうすれば効果的に敵を倒せるかなどが手に取るように理解できているように感じるそんな錯覚を覚える。

 実際それは錯覚だと思うまだ旅に出てちょっとしか経ってないからだ。

 戦闘経験はわずかだ、そんなすぐに上達するわけがない。これは俺のおごりだろう。

 まだまだ俺も戦闘経験を積まないといけないな。

 そして敵を倒したら十一階層目の階段が突然現れた。

 俺たちは次に進む。まだ見ぬ敵を倒すために。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る