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 はじまりの町アザンヘイムを目指している少女の姿があった。

 ここから南に十キロもある魔法使いの町マジリカから旅立っているものだった。


「はあはあまだはじまりの町には着かないのですかね……あーお腹すいたです」


 少女は黒髪でショート。瞳は青色で立派な魔法使いの帽子をかぶっている。

 服はまたしても立派な魔法使いのような黒マントを羽織っている。

 そしてかわいい顔つきをしてる。子猫の様に愛らしい。

 思わずニヤニヤしたくなる。

 実際彼女はまだ十ニぐらいにしか見えないほど幼い少女だ。

 このような少女がなぜこのような長旅をしているのだろうか?

 その理由は定かではない。


「しかしさっきから歩いているんですが何か変な声が聞こえるです~幻聴でしょうか」


 それでは私は退散しようとするかアディオス!By神の声


 そんな旅の結末はとりあえず置いておくとして。当潜とミヤはどうしているかというと……


 祝杯会を開催していた。


「「かんぱーい!」」


「うわ~旨そうな料理だなこれ全部食べていいのか」


「ええ私のおごりです助けてもらったので」


「別に協力関係になっただけで助けたって感じじゃないんだけどな~」


「それでも当潜は私を助けてくれたようなものですそれにこれからも助けてくれるのでしょう?」


「俺たち仲間だからなもちろんだぜ!これからもよろしくな」


「ええ……もちろんです!」


 そうして俺たちは飲み散らかした食いまくった。ゲームの世界だから未成年の飲酒も咎められないよねということで飲んでしまった。ミヤもいい飲みっぷりだ。

 そして盛大に終わった祝杯会は幕を閉じた。

 そして今日はもう遅いので宿をとることに。

 二部屋とったもちろん一緒の部屋がよかったのだが俺は紳士だ。

 そんな野獣のような行為はしないがミヤは綺麗である。

 もしかしたら間違いを起こすかもしれない。だから違う部屋なのだ。

 ミヤは「別に一緒の部屋でよかったのに……」と言ってた。

 おいおいおいそれはどういうことだってばよ……まさかミヤさんそういう気が。

 いやミヤに限ってそんなことはない。たぶん深い意味は無いのだろうそうに違いない。


 とりあえず俺はなんだかドキドキして寝ることに。なんでこんなドキドキしてるんだろ。

 ミヤを女として見てるのか。俺はぐっすりと寝たいのに……


 翌日、やはりぐっすりとは寝られなかった俺は顔を洗い歯磨きをしていたらミヤが寝間着で俺に挨拶してきた。かっかわいい……パジャマが。うさぎさんがいろんな表情で描かれているパジャマだ変顔とかもいるし。


「おはよ~当潜……昨日はよく寝られたか?」


「おはよう、うんそこそこ寝られたよ」


 嘘をつきました。お前のことを考えたら寝れなかったとは言えない。

 俺たちは身支度を開始する。

 これからどうするのかも話し合うことになった。


「それで当潜はどうする?私はこれからいろいろなダンジョンを攻略しながらゆくゆくは天空魔神の塔を攻略したいんだよね」


「天空魔神の塔?なんだそれ」


「ここはじまりの町アザンヘイムより北にはるか百キロ行くとある空高くそびえる天空の塔よ一番上には魔神が待っていると言われているのよすんごいレア武器をドロップすると言われてるしね」


「ミヤはそこに行きたいのか?」


「うん、でも私の実力ではまだ当分無理なの……推奨レベルは最低でも40ぐらいらしいから」


「つまりそれまで俺とパーティを組みたいのか……なんなら俺もその塔の攻略に力を貸すよ」


「本当?それは助かります当潜、わたしもそれまでに強くなりたいです」


 とりあえず俺たちはそれから色々話し合って西に十キロのところにあるダンジョンを攻略することになった。

 まずはダンジョン攻略で稼いだ金で新しい装備やアイテムを整える。

 俺はダンジョン攻略で新しい鎧を手に入れたので、買うのは盾と剣だけだ。

 まず鋼の剣攻撃力+50を買う。これでかなり強くなった気がする。

 盾はそうだな青銅の盾守備力+25あたりを買うか。

 今持ってる黒甲羅の鎧は守備力+70とかなり優秀な性能を誇るのでこのくらいでいいか。

 ミヤも何にするか迷っているようだ。うーんうーんと唸っている。

 何にするかかなり考えている。そして三十分もしてようやく買う武器を決めたようだ。


 どうやら剣はまどわしの剣という特殊効果のある剣にしたようだ攻撃力は+40と俺より低いのだが。盾は鋼の盾守備力+50と少し上等なやつにしたようだ。鎧はそのまま青銅の鎧守備力+40にしておくらしい。

 あとは道具屋で薬草を三十個ほど仕入れて、あとはもしものために止血剤のヘモスロンを十個ほど買っておく。ダンジョンから脱出する転移の魔石も買ったこれは1000BGと少し高かった。

 これで準備は全て整った。あとは出発するだけだ。


 そして俺たちは西十キロ先のまだ見ぬダンジョンを目指して旅立った。

 これから何が待ち受けるのだろう。前人未到の大地を踏み出して歩いて行くのだった。

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