【 中等症II:ECU室 】


 コロナと一緒にこの『タマゴカー』に乗り、CT室へ。

 そこで再度、CTを撮影し、またタマゴカーに乗り、いよいよ『中等症II:ECU室』へと入った。


 そこは8畳ほどの広さの個室。

 部屋の中央に電動リクライニングベッドが置かれており、入って右手に洗面台、左手に棚とテレビが置かれている。

 それに後はトイレのみととてもシンプルな部屋の構造だ。


 窓際には、15インチほどのモニターが置かれ、様々な体の数値が表示され、24時間その数値が記録され、モニタリングされている。

 胸に装着された心電図の値や、指にはめたパルスオキシメータで動脈血酸素飽和度と脈拍数、高流量鼻カニューラを使って酸素供給と数値を計測する。


 4本のケーブルと呼吸器、点滴に繋がれ、それらの情報がモニターで一括で表示されており、入院当初はずっと危険レッドゾーンを示す赤い点滅とアラート音が鳴りっ放しの状態だった。


 そのアラート音と真っ赤な点滅が、今置かれている自分の状況だと信じたくなかった……。


 この部屋は、完全にコロナ患者のための『隔離専用部屋』。


 そして、何よりの衝撃なのは、この部屋の最大の特徴『』が動作していることだ……。


(また、意識が遠のきそうだ……)



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