第5話 別々の道〜やっぱりあなたが好き〜
その後、お兄ちゃんは家に女の人を連れてきた。
「こんにちは」
《あ…この人》
お兄ちゃんが前に一緒にいた女子生徒だ。
「こんにちは」
「可愛い〜♪噂通りの妹さんね」
「えっ?」
「そう!妹の音羽」
「痲那渡君が自慢するの分かるかも。本当、私も妹にしたくなる。あっ!私、彼女の、宇美山 由宇香(うみやま ゆうか)って言うの」
ズキン…
「…えっ?…彼女?」
私はポツリと、自分にしか聞こえない微かな声で呟いた
彼女?
聞いていない
初めて連れて来たのもあるから?
「あがれよ」
「うん」
「…………………」
2人は去って行く。
私は、飲み物など持って行く。
ドアをノックするも反応がなく、ドアを開けると2人はキスをしていた。
「あら!」
2人は離れる。
「ご、ごめんなさい!の、飲み物おいておきます!」
私は慌てて部屋を飛び出した。
「素直な反応、可愛い〜」
「宇美山、お前…」
「妹さんもキスくらいあるでしょう?どうって事ないはずよ」
胸が痛かった。
私以外の人とキス?
分かってる
分かってるけど…
その日の夜。
「音羽、入るぞ!」
私はクッションを投げる。
「ぶっ!…音羽…お前いきなり何してくれてんだよ!」
「痲那渡の馬鹿っ!」
「うわっ!馬鹿っ!名前…」
私は痲那渡の胸に飛び込む。
「音…羽…?」
「彼女…いつから…!」
「いや…彼女は…」
「…ごめん…私には関係ないか…お兄ちゃんの彼女は私じゃないもんね…私は…妹…」
キスされた。
「確かに彼女には告白されたけど、俺、その気ないから」
「………………」
そう言うと、私をお姫様抱っこすると、ベッドに乗せると優しく押さえ付ける。
「嫉妬してくれたら嬉しいけど…」
私は抱きつく。
「嫉妬するに決まってんじゃん!」
「可愛い奴」
そう言うとキスをされ、深いキスをされる。
私達は1つになる。
だけど、その後、彼女は何度か訪れる。
そんなある日、二人の裸姿を目撃する事となり私は、お兄ちゃんと距離をおく事にし別行動をとる事にした。
そんな私に告白する男子生徒が現れ、私は付き合う事にした。
彼とデートの帰り、私は同級生である、
彼・吉之 堅悠(よしの けんゆう)君の家に行く事にした。
彼にキスをし大胆な行動とる私がいる。
「音羽、ちょっと待て!」
「えっ?」
「確かに、お前の事、好きだけど、これ以上は……それに…お前の気持ち…ハッキリ聞いてないから無理」
「……ごめん…そ、そうだよね…」
確かに堅悠からは告白されたけど私の思いはハッキリ伝えていない。
『ゆっくりで良いから』
お互い、その事を話した上での付き合いだった。
「…ごめん…帰る…ね…」
「…音羽…」
帰り始める私を引き止める堅悠。
そして、私をお姫様抱っこすると私をベッドに乗せると押さえ付ける。
「…堅…悠…?」
「音羽…まさか…初めてじゃない感じ?」
「えっ…?」
「初めてなら、キスしたりしないもんな。俺の気持ち知っておきながら大胆過ぎ。その気なかったけど…」
そう言うとキスをされ、深いキスをされると、下半身に手が伸びる。
ビクッ
「やっぱり…」
私達は身体の関係を持つ事になり、堅悠とは、それっきりとなった。
その日に、別れを告げられたからだ。
ちょっと遅めの帰宅。
雨に濡れた私の身体は、そのまま部屋に向かう。
部屋に入る前、お兄ちゃんと鉢合う。
「音羽!?お前…」
「平気」
「身体温めろ!」
「大…」
抱きしめられた。
「頼むから」
私は、お兄ちゃんを抱きしめ返す。
「…音羽…」
名前を呼ばれ、顔を上げると、キスされた。
「彼氏と何かあったのか?」
「…えっ…?」
「話聞くから、身体温めろ!音羽」
私は渋々、シャワールームに行く事にした。
「着替えおいておくから」
「うん…」
身体を温め、部屋に向かう。
ベッドに横になっていると、ドアがノックされた。
私は起き上がり迎える。
お兄ちゃんだ。
お兄ちゃんは迷う事なく私のベッドに腰をおろすと、オデコにキスをした。
「ご不満な顔すんなよ!」
「だって…」
「それで?何があったんだ?」
私は説明をした。
「えっ?関係持った?」
頷く私。
「関係持った途端、おさらばかよ!ふざけんなっつーの!じゃあ…俺のものにするため取り戻す」
「えっ…?」
キスをされ、深いキスをされた。
「彼氏いる事知って、すっげぇ妬いた。しかも、音羽、急に態度や行動変え始めたし」
「…それは…お兄…」
「名前」
「痲那渡が、例の女の人と関係持ったっぽいから」
「関係!?いつ?」
「私が距離おいた日くらい」
「見たのか?」
「偶々…」
「それ、関係持ってない!」
「えっ?」
「無理矢理。向こうは俺に気があったから。でも、何とか逃れた」
「………………」
「疑いの眼差し…」
「だって…!」
「いけないって思っていても、俺は、お前以外考えられないから」
ドキン…
「…妹じゃなかったら良かったのに…痲那渡の特別な彼女に…なりたかった…兄妹じゃなかったら良かった……」
私はやっぱり
お兄ちゃんである
痲那渡が…
好き…
ずっと…
傍に…
いたい…
私達は、愛し合い1つになる。
この関係は
いつまで続くのだろう……?
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