第2話再会

コンビニに到着し、駐車スペースに自転車をとめ、コンビニに入店した俺。

雑誌コーナーで足をとめ、一冊の週刊誌を手に取りぺらぺらとページを捲っていく。

読みたい漫画の最新話が見当たらず、目次のページを開いたが休載と記載されており、ため息が漏れた。

「最近休載が多いなぁ......」

菓子コーナーに移動し、ポテチをいくつか買い物カゴに放り込み、菓子パンコーナーで焦がしクロワッサン、メロンパンなども放り込んでいく。


俺は買い物を終え、二人の客が並ぶレジの列に並んだ。

二人の客の会計が終わり、レジカウンターに買い物カゴを置いて財布をポケットから取り出そうと手を突っ込んでいた俺の耳に忘れもしない声がすぅーっと届いた。

「入澤くん......?」

店員が発した苗字にびくっと肩が震え、恐る恐る胸元の名札へと瞳を向け、顔へと移した俺は驚きを隠せなかった。

視界に捉えた女性店員は、中学の同級生で当時抱いていた印象と変わらないものを感じた。

相変わらず男っ気を感じさせない雰囲気を纏わせ、清楚だと感じさせられた。

セミロングの黒髪を後ろで纏めたポニーテールは新鮮に感じられた。

川のせせらぎのような心地好い声音に間違いない。美科杞咲みしなきさだ。

「......美科、さん」

「久しぶりだね。入澤くんが嫌じゃ、なかったら連絡先を......教えて、くれませんか?」

「久しぶりだよね、ほんと......嫌なんてこと──」

「良かったぁ~!断れるかもって思ってて......」

はにかんだ表情かおの彼女は、当時見ていた美科かのじょの笑顔と比べ寂しさが含まれているような暗い表情ものに感じられた。


会計を終え、素早く連絡先を交換し、コンビニを後にした。

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