第4話 公園で撮った写真
Rさんが高校生の頃の話。
バイト終わりに先輩3人に誘われて、A公園に肝試しに行くことになった。
A公園は数年前に殺人事件があった場所で、幽霊が出ると噂されていたそうだ。
Rさんを含めた4人は期待に胸を膨らませて、公園を散策した。
スマホで写真をたくさん撮っては、その場で何か写っているか全員で確認するが、何も写っていない。
別に何もなかったね、と言いながらその日は公園をあとにした。
しかし、次の日。
バイト先に怯えた様子の先輩の1人がやってきた。
Rさんが事情を聞くと、昨日撮った写真の中に白いモヤのようなものが写っていたという。
先輩に写真を見せてもらうと確かに写っている。
しかもよく見ると白いモヤの中にうっすらと顔のようなものが見える。
そのことを先輩に伝えると、先輩は泣きそうな顔で、
すぐに写真を消そう! と言い、スマホからその写真を選択し、削除ボタンを押す。
消せない。
何度削除ボタンを押しても写真は一時的にフォルダから消えるが、たった数分でまた復活してくる。
さらに削除ボタンを押せば押すほど、モヤの中の顔が鮮明になってきた。
それは、苦悶の表情でこちらを睨む男の顔だった、とRさんは教えてくれた。
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