第三部 現実

 第一章 現実がある丈(だけ) 現実若(し)かない


 現状のまま、現状のとおり、染色なくそのまま、無色透明、つまり、現実丈若かない。ただし、現実を定義できない。ただ、この瞬今、現状のまま、そのとおりに。



 

 第二章 仏陀の死


 仏陀は罹病し、喉の渇きを訴え、「喉が渇いた、水が飲みたい」と言った。ただ、人として、ただ、逝く。現実若かない。超越的不死や、超越的解脱はない。ただ、現実若かないということが解脱である。超越である。不死である。死を超克した者が不死を求めるであろうか。現実のまま、生き、未遂不収のまま、死す。死ぬことを明らめる。平常なる事実として心に習慣化する。



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